「1戦1戦、1周1周を大切に」|F1参戦2シーズン目に挑む角田裕毅選手にインタビュー

(C) Lars Baron/Getty Images / Red Bull Content Pool

昨年F1デビューを果たしたアルファタウリの角田裕毅選手。現在は2022年シーズンのF1バーレーン・テストを終えたところだ。3月初旬、テスト直前の角田選手にオンラインで今シーズンへの意気込みを聞く機会を得た。

「トレーニングは嫌いなんですけど」と苦笑いしながらも、オフシーズンはトレーニングに励んでいたという角田選手。「アスリートとして必要なので」、そして「2022年シーズンで、いいスタートをファンの皆さんにお見せしたいから」と、好き嫌いに関係なくトレーニングに邁進したと言い切る姿に頼もしさを覚えた。

昨年はルーキーイヤーということもあり、新しい環境で自分を見失ったこともあったという。「去年の自分にアドバイスをするとしたら?」という質問に対しては「『過信はダメだけど、自信は必要』と言ってあげたいです」と答えてくれた。どんなシチュエーションでも自信を保ち、チームの人とコミュニケーションを取ることが必要だ、と。

(C) Lars Baron/Getty Images / Red Bull Content Pool

今回のインタビューで印象的だったのは「チーム」という言葉を何度も繰り返していたことだ。昨年は、自分をコントロールできていないときもあり、根拠もプロセスも試行錯誤だったが、今年は「今やるべきことはクリアになっています」「目の前のことに集中し、チームとともに何をなすべきか、を大切にしています」と語る。バーレーン・テストにおいては、「なるべく多くのデータを取り、それをチームに伝えて車を良くしていきたい」と言い、今シーズンはプロセスを重視し、1戦1戦を大切にしながら「チームと一緒に戦っていきたい」と述べた。「無線でも、去年より冷静でフィードバックが良いとチームにも言われています」と語っているように、チームの一員としての役割を真摯に果たしていこうという気概を感じることができた。

(C) Lars Baron/Getty Images / Red Bull Content Pool

2022年のF1シーズンはは3月18日〜20日のバーレーン・グランプリで開幕する。今シーズンの抱負・目標は「まずはポイントを獲得すること」。そのために、自分らしく走り、時には「騒ぐこともあるかもしれないけれど(笑)」、チームとともに課題をクリアしながら成長していきたいという。日本のファンの前で、F1マシンで走るのが夢だったというが、残念ながら昨年は日本グランプリが開催されなかったため、その夢はまだ実現されていない。今年、その夢がかなった暁には「1周1周を噛み締めて走りたいです」と言う角田選手。日本のファンも、F1日本グランプリで角田選手が走る姿を、1周1周噛み締めながら応援できる日を楽しみにしているに違いない。

オクタン日本版編集部

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