マツダ新型プレミアムSUV「CX-60」|マイルドハイブリッド6気筒ディーゼルエンジンとその燃費

Takaaki MIURA

マツダが新型クロスオーバーSUV、CX-60の予約受注を開始した。

振り返ってみれば、2012年に初代CX-5が誕生してから10年。2017年に発表されたKF系も含め、街中で多くのCX-5を見かけるたびに、このシリーズがいかに大成功したモデルであるかを実感する。2018年から4年連続で国内2位の販売台数というのだから、着々と10年間にわたり積み重ねてきたパッケージ、そして商品力の高さは証明済みだ。

その間、CX-5は改良に改良を重ね、愚直に進化を遂げてきた。今回発表されたCX-60がその後継といえるのかは、これから知るところではあるが、マツダのパワーと燃費を両立させた、次の10年をも視野に入れたモデルになるかもしれないといえば、もちろん注目は浴びるだろうし、マツダにしてもその思い入れは半端ではない。

XD-HYBRID Premium Sports
48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたパワートレインは、WLTCモード燃費は21.0km/Lを実現するという。

ボディカラーは「ソウルレッドクリスタルメタリック」

さて、前置きが長くなったが、マツダとしては第一弾となる新世代ラージ商品群として開発されたこの「CX-60」を、見て触れる機会を得た。まだ走らせたわけではないが、意のままの走りと環境性能の進化を両立させるパワートレイン、そしてこれまで以上にプレミアムさが感じられるモデルになった、と言っていいのではないかと感じた。

燃費とパワーの両立、そして走る愉しさへの追求


パワートレインは4種類。大容量バッテリーと大型モーターを組み合わせ、ドライバーに高揚感を感じさせるエンジンサウンドとともに力強い走りを実現する、直列4気筒ガソリン+モーターの「eーSKYACTIV PHEV」。こう聞くと燃費のことが気になるが、日常ユースのほとんどの場面でモーター走行も可能だという。

そして48Vマイルドハイブリッドシステム「M Hybrid Boost」を搭載し、アクセルを踏んだ瞬間から感じる上質な走りと高い環境性能を実現するという、直列6気筒ディーゼル+モーターの「e-SKYACTIV D」。また排気量アップで高出力になったが、クリーンな排ガス性能を実現した直列6気筒ディーゼルの「SKYACTIV-D 3.3」。そして、軽快なパフォーマンスと優れた燃費性能を発揮する直列4気筒ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.5」だ。

プラットフォームは、縦置き高出力パワーユニットに対応した、新開発の「SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」を採用。より大きなパワーを思い通りに操る感覚を提供するという。サスペンションは、前輪にダブルウィッシュボーン、後輪にマルチリンクを採用。

「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」は、日常域でスムーズに動くサスペンション構造を活かしながら、ハイスピードのコーナリングにおいても一体感があり、安定した旋回姿勢を実現する。

さらにシートは、前後左右のGに対して乗員がバランスを取りやすいよう、骨盤を立たせるサポート構造を採用。バネとウレタンも車両からのフィードバックを感じやすい特性に進化させることで、よりシンクロした人と車の動きを実現する。

新開発のトルコンレス8速ATは、多段化による滑らかで応答の良い変速とワイドレンジ化により、走りと環境性能を両立。そして高いトラクション性能と理想的なハンドリング特性を実現した、ハイパフォーマンス4WDシステムである後輪駆動ベースであるi-ACTIV AWD。減速時には回生協調ブレーキと連携し、前後の回生配分を最適化することで、効率的で安定した制動姿勢を実現するという。

6気筒エンジン、後輪駆動の走る愉しさ、そして燃費や環境性能にもしっかり目を配り、両立させることに余念がない。

さらに「マツダインテリジェントドライブセレクト (Mi-Drive)」では、新たにEVモードとトーイングモードを追加。オフロードを含めたさまざまな走行シーンを想定し、最適化された。初めて採用された「ヒルディセントコントロール」は、ドライバーがブレーキを踏み続ける必要がある急な下り坂において、ドライバーが任意に設定した車速を維持し、安全な降坂走行をサポートする。





もちろんドライバーにも目を配る。「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」には、「自動ドライビングポジションガイド」「自動設定復元」「乗降支援」の3つの機能があり、「自動ドライビングポジションガイド」は、身長を入力すると、センターディスプレイに搭載した赤外線LEDと赤外線カメラからの目線を認知して計算。自動でシートやステアリングホイール、ミラーなどを調整し、ドライバーにとって最適なポジションを提案してくれる。そのため、これまでの自分のポジションと違いがあった場合、ロングドライブなどの疲労軽減などの参考になるという。





「自動設定復元」は、顔認識によって車両設定やオーディオ、空調など、自動的にカメラが顔を認識して設定してくれる。例えば好みのエアコンの温度設定からオーディオの設定までも、記憶してくれる。

そして乗降支援(エントリーアシスト)は、プレミアムカーにはよくある機能だが、乗降時にステアリングとシートを自動でスライドさせる機能。

また、この赤外線LEDと赤外線カメラはドライバーの異常を検知し、事故の回避・被害低減を図る、高度運転支援技術のひとつとして「ドライバー異常時対応システム(DEA)にも利用される。

ドライバーの状態をモニタリングし、ドライバーの表情や目線、姿勢を探知し、仮にドライバーの体調が急変したり、異常を検知した場合、システムが自動で判断し、ハザードを点滅させ、緊急停止することを乗員に報知。ドライバーが運転に復帰できないときは、ハザードランプ、ブレーキランプを点滅させ、ホーンを吹鳴をしながら車両を減速、停止させる。その後必要に応じて自動で緊急通報を行う。

また、アクセルペダルの踏み間違えによる事故に対しても、その被害を軽減するドライバーサポートプラス(DPS)という機能が、CX-60に初めて導入された。これは専用の電子キー(ショップオプション)によってドアロックを解除すると起動する。

その他、交差点右左折時の事故回避をアシストするなどのマツダ初採用の先進安全技術(i-ACTIVSENSE)を複数搭載するなど、これでもかというほど安心の最新安全機能がついてくる。

オクタン日本版編集部

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