名古屋の街をクラシックカーがジャック!「コッパ・チェントロ・ジャッポーネ」が初開催

Shinichi EKKO, COPPA CENTRO GIAPPONE

好天に恵まれた週末、名古屋の中心部である栄地区はまさにクラシックカーにジャックされていた。しかし今回が第一回目の開催となるコッパ・チェントロ・ジャッポーネは単なるクラシックカー・イベントではなかった。その枠を超えた世界に通用する総合的自動車イベントと言ってよいであろう。



中部電力 MIRAI TOWER(名古屋テレビ塔)を中心とする細長い久屋大通公園の緑地にぎっしりと詰まった車たち、そしてマニアだけでなく多くのファミリー層がそれらを眺めて楽しむ姿は文句なく素晴らしいものだった。

筆者も日本の自動車産業の中心であるこの名古屋に世界の自動車文化を愛でるイベントがもっと開催されるべきと常々考えていたが、このコッパ・チェントロ・ジャッポーネがその想いをまさに叶えてくれることとなった。



久屋大通公園を拠点に開催される当イベントのメインはパレードランとコンクールデレガンスだ。パレードラン「グラン・プレミオ・サカエ」は80台あまりのクラシックカーが2回に渡って名古屋栄の中心部の走りを楽しむというもの。汗ばむほどの気候ではあったが、緑に囲まれた公園周辺を美しいクラシックが走り行く姿をギャラリー達は大いに堪能していたようだし、エントラントもリラックスして楽しめたことであろう。



コンクールデレガンスも110台の国産車、輸入車、そして県警の三菱GTOやトヨタの所有するラリーカーなどバラエティに富んだラインナップとなった。名古屋が創業の地であるコニー・グッピーやメッサーシュミットなど「ミニマムなエコカー」カテゴリーではユニークなスタイリングに子供達も目を輝かせていた。「トリノが生んだ未来のクルマ」には世界の自動車スタイリングに大きな影響を与えたカロッツェリア達の傑作が並ぶ。チシタリアやモレッティ、ナルディなど、美しい佇まいを眺めていると、つい時間の経つのを忘れてしまう。





「シャンゼリゼからの風」カテゴリーは、まさにこの名古屋テレビ塔周辺が1950年代のパリへとタイムスリップしてしまったかのようだった。シトロエン、アルピーヌやルノーといった、よく知られるブランド以外にも、マトラ、パナール、そしてファッセル・ヴェガなどたまらないラインナップであった。







もちろん、フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティといったスーパーカー達も勢揃いだ。希少なマセラティ・カムシンが(パレードラン走行も含め)3台も集まっているのには驚いた。そこでは何やら恰幅のよいスーツ姿の男性がカムシンの前でオペラを歌っているではないか。背中を見ると「パヴァロッティ」と日本語で書いてある(笑)。コンクールデレガンスではこんな出展者のパフォーマンスも重要な要素なのだ。







また、名城公園内特設ステージではGAZOO RACINGによるWRCカーのエキシビションランも実施されていたし、フェラーリF1の展示、自動車関連グッズの販売など、第一回目のイベントであるにも関わらず、この手の自動車イベントで見られる全ての要素を網羅しているのはたいしたものだ。





コンクールデレガンス会場ではカーグラフィックの加藤哲也氏を審査委員長に、ファッションデザイナーのドン小西氏や元野球選手の山本昌広氏など多彩な顔ぶれによる審査が行われた。興味深い車がこれだけ多いと審査もたいへんだ。審査員達もオーナーと、長時間話し込んだりして、進行係が慌てている姿も…。そんなカジュアルなところもこのイベントの魅力のひとつだろうか。





さて、ベストアワードに選ばれたのが1965年ASA 1000。美しいスタイリングと共に、エンジニアリングへの拘りも魅力な宝石のようなイタリアンクラシックだ。まさにこのモーターシティー名古屋に相応しい一台ではないか。来年の開催も大いに期待したい。


特別審査員賞(愛知県大村知事) LANCIA LAMBDA 1928

特別審査員賞(松雄副市長) TOYOTA AE 86 1983

山本 昌 賞 LAMBORGHINI URACCO P250S 1975

市民投票 ドン小西 審査員のベスト・ドレッサー賞が奇しくも一致
CISITALIA 202 CMM カブリオレ1947
        
ベストアワード ASA 1000 1965

CLASS-A        
Winner  原田晃 LANCIA STRATOS 1974

Finalist 姫野祐一郎 SIATA 750 S 1954
Finalist 平手博樹  PEUGEOT 504 カブリオレ

CLASS-B CONY Guppy 1962

CLASS-C Matra Bonnet Djet V 1966

CLASS-D CITROEN AMI 8 Super

CLASS-E TOYOTA CELICA GT Four


取材協力:コッパ・チェントロ・ジャッポーネ実行委員会
文:越湖信一 写真:越湖信一、コッパ・チェントロ・ジャッポーネ実行委員会
Words: Shinichi EKKO Photography: Shinichi EKKO, COPPA CENTRO GIAPPONE

文:越湖信一

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