ニュルブルクリンクをAIが監視 !? AI技術を活用したサーキット安全確保の実証実験

Fujitsu

総合IT企業として、通信システムや電子デバイスの製造・販売などを手がける富士通株式会社は、その高い技術力を駆使して、ドイツのサーキット運営会社であるNürburgring 1927 GmbH & Co. KG(以下 ニュルブルクリンク)におけるレースの安全対策に、AI技術を活用する包括的な支援を行っている。そして現在その第一弾の支援として、世界最長で、多数のカーブを持つ難易度の高い同社の常設レーストラック「ノルドシュライフェ」を舞台に、AI技術を活用した安全対策強化に向けたシステムの本導入を2023年1月より開始した。

2022年に開始された実証実験では、レーストラックのうち、2.8キロメートルの区間に8台のハイビジョンカメラを光ファイバーケーブルで接続し、AI機能を搭載したシームレスなシステムを構築。これにより、HDカメラからの映像をAIがリアルタイムで監視・判断することが可能になった。また、レーストラック上のLEDディスプレイを介して即座に危険をドライバーに警告できるようになるため、ほかの車両や人との接触事故などを未然に防止することが可能になるという。


ちなみに現在ニュルブルクリンクのレーストラックでは、レースの安全を守るスタッフであるトラック・マーシャルたちが旗を振ったり、ラジオ放送を活用することによって、危険の警告や事故発生をドライバーたちに伝達している。しかし、この方法では救助が来るまでに時間を要するのに加え、時にはコースが閉鎖されてレースへの大きな影響が生じることもあった。

今回の富士通のシステムを採用することによって、この課題に対してAIによる迅速で正確な判断と伝達を行うことができるため、レース中の安全確保がより確実なものになってくるのではなかろうか。

なお、ニュルブルクリンクでは、2025年のグランプリレースシーズンまでに本システムの実運用開始を目指しているといい、富士通は、本実証実験による有効性検証を踏まえて、今後2年の間に「ノルドシュライフェ」のレーストラック全域に追加のHDカメラ100台の増設とAI機能の強化を行う予定だ。

オクタン日本版編集部

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