海への憧憬とともに新たな冒険へと誘う

ブライトリング初のダイバーズウォッチであるスーパーオーシャンシリーズが今年60周年を迎えた。これを記念し、初代モデルを復刻するヘリテージⅡがさらに魅力を充実。歴史を未来へとつなげるのである。

三針モデルに搭載する自社製造キャリバーCal.B20は、チュードル社のキャリバーMT5612をベースに独自の装飾を施すとともに、ブライトリングの100クロノメーターに準拠し、COSC認定のクロノメーターを取得する。高い精度と耐久性に70時間のロングパワーリザーブを誇る最新キャリバー....だ。チュードルはロレックスのデュフージョンブランドながら、好事家から高く支持されている。

いまから60年前、イタリアで1台の大衆車が誕生した。戦前の初代から大きく進化を遂げたモダンなデザインはイタリアのモータリゼーションの幕開けを宣言するにふさわしかった。それがチンクエチェントだ。そして可愛らしい名車はさまざまな映画にも登場する。『グランブルー』ではオンボロながらもシチリアの青い空と海に映え、海と車がもたらす憧憬の世界へと誘ったのだ。

チンクエチェントが生まれた50年代は世界的な海洋探査と開発が始まった時代でもある。人々の海への関心は高まり、ダイビングやサーフィンなどのマリンスポーツがブームになった。これを背景に1957年に誕生したのがブライトリング初のダイバーズウォッチ、スーパーオーシャンだ。

ブライトリングというと空の世界を思い浮かべるが、過酷な環境にも耐える先進技術であり、人間の未知への飽くなきチャレンジスピリッツという点では海も共通する。

この初代モデルを復刻した「スーパーオーシャン ヘリテージII」の新作は、さらなる熟成を遂げている。耐傷性に優れるハイテクセラミックスのベゼルを採用し、文字盤色に合わせてよりスタイリッシュに演出する。また風防との境にあったシルバーリングを省き、一体感も増した。分針もペンシル型から剣型に変え、細部まで初代に近づいた。もちろん見た目だけでなく、チュードルのベースキャリバーを採用し、新たなパートナーシップを先駆けるのだ。

醸し出すのは海の世界への憧れであり、変わることのない男の夢だ。そして進化とは深化であることを教えてくれる。

SUPEROCEANHERITAGE II 46
ブランドの現行ダイバーズウォッチでは、現代的なスーパーオーシャンに対し、ヘリテージIIはクラシックなスタイルを特徴にする。文字盤にはオリジナルと同じエンブレムを採用し、シンプルなデザインはまさにタイムレスを感じさせる。他に42㎜径のケースと、それぞれブラック、ブロンズ、ブルーのカラーバリエーションを揃える。200m防水。パワーリザーブ70時間以上。自動巻き、ケース径46㎜、SS。48万円（税抜）

SUPEROCEANHERITAGE II CHRONOGRAPH
クロノグラフは三針モデルに比べるとよりスポーティな印象になる。だがオーセンティックなデザインとシックなカラーリングは普段使いでも違和感はない。三針モデルともレザー、ラバーのストラップに加え、メッシュブレスレットを組み合わせることができ、ブロンズモデルは同色にステッチ入りのレザー×ラバーストラップが装着できる。200m防水。パワーリザーブ42時間。自動巻き、ケース径46㎜、SS。69万円（税抜）

文：柴田 充　Words：Mitsuru SHIBATA

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