価格は約2億7500万円!それでも限定18台がすでに完売したベントレー「バトゥール」

Ryota SATO

ベントレーのビスポーク部門「マリナー」が2022年8月、北米モントレー・カー・ウィークで発表したのがこの「マリナー バトゥール(Batur)」だ。価格は165万ポンド(約2億7500万円 税オプション別)で世界限定18台ということだったが、発表時にはすべて受注済みであった。バトゥールはモントレーでの発表以来、世界各国で順に披露されており、今回コーンズ・モータースが東京港区芝に開業した新しいショールームに展示されることになった。ちなみにモデル名のバトゥールとは、インドネシア・バリ島にあるバトゥール湖に由来するもの。水辺に因むネーミングは2020年発表のベントレー限定車「マリナー バカラル」と通じるものがある。



マリナー バトゥールのデザインには、デザインディレクター・アンドレア・ミンド氏とエクステリアデザイン責任者のトビアス・シュールマン氏、そしてインテリアデザイン責任者であるアンドリュー・ハートバロン氏が協働してたずさわった。

フロントグリルはグロスダークチタン仕上げが施されている。水平方向のジグザグ模様は中央部分のハイパーアクティブオレンジ色から、サイドに渡ってはブラッククリスタルへと変化するグラデーションを採用。

エクステリアではボディカラーは自由に選ぶことができ、しかもフロントスプリッターやサイドスカート、リアディフューザーなどのエアロパーツは、カーボンファイバーやナチュラルファイバーから選ぶことができる。専用の22インチホイールはブラッククリスタル塗装にブライトポリッシュ仕上げを施したものが標準で、オプションでダークグロス仕上げとサテンスポークの組み合わせも選択可能だった。

エンドレスボンネットと呼ばれるフロントフードのラインが特徴的。22インチの専用ホイールはサテンチタンに塗装されており、サテンダークチタンのホイールスポークはグリルデザインとの統一感を演出している。

ブレーキシステムはベントレー独自のカーボン・シリコン・カーバイド(CSiC)であり、フロントはディスク440㎜+10ピストンキャリパー、リアはディスク410㎜+4ピストンキャリパーが採用されている。

インテリアでまず目に付くのはセンターコンソールに金色に輝くダイナミックドライブセレクターである。贅沢にも18金が使用されており、オーセンティックさを打ち出している。インストパネルのデザインは縦糸2本と横糸2本の綾織りデザインを基調としており、素材としてはサテンラッカーで仕上げたナチュラルファイバーを新たに採用した。カーボンファイバーに代わると評される複合素材。細かくはフロアカーペットにもリサイクル材を初めて採用して、サスティナブルな意識を盛り込んでいる。



18金製のアクセサリーが装着されているインテリア。レッド&ブラック基調をより引き締めてくれる。

ベントレー マリナー バトゥールに搭載されるW型12気筒6.0リッターツインターボエンジンは、吸気システムやインタークーラー、ターボチャージャーのグレードアップやキャリブレーションの見直し等により最高出力740PSオーバー、最大トルクは1000Nmを発揮する。これはベントレー史上最強のエンジンであることは間違いない。組み合わされるトランスミッションは8段ダブルクラッチ式。チタン製スポーツエキゾーストシステムと3Dプリンターで造形されたマフラーカッターが装着されている。



ベントレーは完全なるBEV(電気自動車)化戦略を発表しているメーカーの一つ。もちろんこのバトゥールが内燃機関エンジンを搭載する最後のモデルとなることはないだろうが、この図抜けて高額なプライシングと、実際にそれが完売しているという事実に、スポーツカーメーカー、ベントレーとしての誇りと自信を感じることができる。

ボディサイズは未公表。コンチネンタルGTよりも長く、そして大きく感じられた。

文:オクタン日本版編集部 写真:佐藤亮太
Words: Octane Japan Photography: Ryota SATO

オクタン日本版編集部

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