公道でも走れる究極のサーキット仕様モデル、マクラーレン・セナ、公開

英国のスーパーカーブランド「マクラーレン」が、究極のサーキット指向型ロードカーを発表した。その名も「McLaren Senna」。伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナの名を冠したモデルである。

「まったく妥協のないレベルにまで自分を高めるのだ。自分の全てを、まさに全てを捧げるのだ」とは、伝説的F1ドライバー、アイルトン・セナの言葉だ。彼は1988年から1993年にかけてマクラーレンのマシンを駆り、3度のワールドチャンピオンに輝いた。

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そんなセナの名を冠したマクラーレン・セナは「公道でも走れる、マクラーレンの究極のサーキット仕様モデル」というコンセプトで開発された、究極のロードカーだ。

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マクラーレンP1は公道とサーキットの両方で最高のドライバーズ・カーになるようにデザインされていたが、この新しいアルティメットシリーズは、法的には公道での走行が可能ではあるが、それを第一目的とはしていない。「日常生活でも多様な使い方のできるスーパーカー」という、マクラーレンのトレードマークからの方向転換が慎重になされており、ドライバーとクルマとの一体感を最も純粋な形で実現し、マクラーレンの他のロードカーでは味わえない強烈なサーキット体験を与えてくれるという。

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技術面でのアプローチは、マクラーレン・オートモーティブが2010年の創業以来から培ってきた、クラシックなスーパーカーの流れを継承しつつも、、マクラーレン・セナではそのレベルがさらなる高みへと引き上げられている。カーボンファイバー製シャシーとボディー・パネルによる超軽量構造。ミッドシップのマクラーレンV8ツインターボ・エンジン。後輪駆動。レース経験にもとづく洗練されたサスペンション。電動油圧式のステアリングは、正確なインプットとダイレクトなフィードバックを実現。ツーシーターではあるもののドライバー・シートの重要性に焦点が当てられているところもマクラーレンらしい。

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コアとなるカーボンファイバー製Monocage IIIシャシーは、マクラーレン720Sの基本部分をさらに発展させたもので、マクラーレンの公道向けモデルで最も強固なモノコックであるという。オールカーボンファイバー製のボディー・パネルは、個々の部品が徹底的に軽量化されており、乾燥重量は伝説のMcLaren F1以来最軽量の1,198kgを実現している。

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ミッドに搭載されるパワートレインは、マクラーレンのロードカー史上最もパワフルな内燃エンジンとなる4.0リッターV8ツインターボ。最高出力800PS、最大トルク800Nmを誇り、668PS/トンのパワーウェイトレシオを実現する。

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デザインは「フォルムは 機能に従う(form follows function)」というマクラーレンのデザイン哲学を象徴したものだ。レーシング・ドライバー兼マクラーレン・アンバサダーのブルーノ・セナが、この新しいアルティメットシリーズについて詳しく語っている。以下にそのコメントをそのまま掲載するので、もしこの車に深い関心のある方はご覧いただきたい。


マクラーレン・セナの外見はまさに衝撃です。最初に受ける印象は、猛々しく、容赦ないマシン。その有機的な形状は、絶対的な性能を追求するために意図的に細分化されたデザイン言語の集合体となっています。ダウンフォースとエアロダイナミクスとのバランスを見ればわかるように、このクルマは、「フォルムは 機能に従う(form follows function)」というマクラーレンのデザイン哲学を最も純粋な形で表現しています。

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上記でおわかりのように、ボディーは自然の最も効率的な形状であるティアドロップ型になっており、エアロダイナミクス性能を最適化するために、ボディーの部品はキャビンに「クリップ留め」されたようになっています。マクラーレンのデザイナーたちは思い切った方法をとり、「シュリンクラップ」のボディーを切り開いて、ビジュアル面と機能面の両方で重量の削減を行いました。全体のバランスはマクラーレンなのですが、フロントからリアまで1本の線が通り、機能的なエアインテークまたはベントを通るというのは、これまでのパターンは見られません。

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マクラーレン・セナでは、フロントとリアのアクティブ・エアロダイナミクスが新世代に移行しており、ダウンフォースと空力制御がかつてないレベルにまで向上し、潜在的な性能を最大限にまで追求できるようになっています。ブレーキ中でも、コーナー中間のスロットル調整でも、あるいはコーナー出口での加速においても、ダウンフォースとエアロダイナミクスのバランスが最適化されることを目指し、フロントのスプリッターからリアのダブル・ディフューザーに至る、ボディー・デザインのあらゆる要素が改良されています。ビジュアル的にドラマティックな要素も追加されており、フロントのエアロ・ブレードは、「By McLaren」の5つのテーマ・カラーから選択することができ、アズーラ・ブルーとマクラーレン・オレンジも含まれています。それに合わせたアクセント・カラーも、ブレーキのキャリパーや視覚的なドアのガス・ストラット、シートのトリムに使用することができます。

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冷却に関する性能要求も、マクラーレン・セナの全体デザインにおける重要な要素となっています。例えば、リアのクラムシェルは、エアロダイナミクスと冷却性能という2つの要件を満たすために生まれたもので、空気をリア・デッキから逃し、ボディー側面の下側に送る、階段状に並ぶルーバーの前には特徴的な「ガーニー」フラップが付けられています。その結果生まれる低圧のエリアには、ラジエーターとエンジンベイから高温の空気が流れ込み、この空気の流れがリアウィングの効率性に影響が及ばないようにルーバーが機能します。独自のインコネルとチタンで作られたエキゾーストは、「スラッシュ・カット」仕上げの部分が他のマクラーレンと同じくリア・デッキの最下部(トレーリング・エッジにて測定)から出ており、パイプの角度を利用して、排気ガスがリアウィングから排出されます。

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スリムな、リアのLEDテールライトへも、ヘッドライトや他の空気関連部品と同じく、細部まで徹底した配慮がなされており、シングルブレードのデザインにより、エアフローのへの干渉が最小化されています。

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リアにあるダブル・ディフューザーは他に類を見ないものです。カーボンファイバーのシングル・ピースとして作られた、このダブル・ディフューザーは、後輪の車軸下から後部へと上に向かって伸びており、クルマの下部の空気の流れを加速させます。その結果、低圧のゾーンが生まれ、マクラーレン・セナをより地面近くに引きつけます。もう1つ類を見ないものは、二層構成になっている、巨大なカーボンファイバー製リアウィングで、停車状態では、路面から最大で1,219mmの高さに位置します。油圧で作動し、プラットフォームの表面積が6,500cm2以上もあるこのウィングは、ダウンフォースとエアロダイナミクスのバランスを最適化するための調整を絶えず行い、ヘビー・ブレーキングの際にはエアブレーキとして機能します。

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マクラーレン・セナとの一体感は、ドライバー・シートでも、サーキットでも十分に感じとることができますが、最も親密な関係はもっと前から、つまり乗車の時点から始まります。マクラーレンのF1にインスパイアされたディヘドラル・ドアは、特徴的な低いシルが見えるように、ルーフの一部を伴って上部前方に向かって開き、広い開口部を通じて、ドライバーと同乗者は、ヘルメットやレーススーツを着用していても、簡単にコックピットに出入りできます。

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カーボンファイバーで作られたドアには、2枚のガラス製サイドウィンドーが付いており、上部のガラスは固定され、下部には小型の開口部があります。ドア上部(実質的にはルーフの一部)とドア側の下半分はどちらも、標準装備のカーボンファイバー・パネルの代わりにガラスを指定することもできます。そうすることによって、コックピット内部の空間感覚が向上し、ドライバーとサーキット環境とのあいだの視覚的な一体感が劇的に強まります。ドアのデザインに合わせるように、リリース・メカニズムとウィンドー・スイッチは、ドライバーの頭上にあるカーボンファイバー製コンソールにある、エンジンスタート・ボタンの横に配置されています。

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コックピットの環境は、マクラーレン・セナの他のあらゆる部分と同じように、徹底的に無駄を省いた、機能的な特性が反映されたものとなっています。内部では、カーボンファイバーが明らかに多く使用されています。お客様の好みに応じて、シート、フェイシアおよびサイドエアバッグのカバーをAlcantara(R)またはレザーにすることも可能ですが、他の室内装飾を省いたことによって重量が削減され、さらにドアの構造を明らかにする効果が得られています。少しでもグラム数を減らすために、ガス・ストラットも露出しています。

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ドライバーの制御エリアは、「乱雑なコックピット」にならないように最小限の装備に留められ、3本スポークのステアリングホイールにはボタンもスイッチも取り付けられておらず、フィードバックを純粋に感覚で受け止められるように配慮されています。ドライバーが必要とする情報は全て、高解像度の折りたたみ式ドライバー用ディスプレイと中央のインフォテインメント・スクリーンから得ることができます。マクラーレンのデザイナーたちは助手席を取り外すことまで考えたほど、余分な手荷物への考慮はされておらず、収納スペースは、Monocage IIIと一体化した、シートの後ろのチェンバーだけで、2人分のヘルメットとレーススーツを入れるには十分な広さです。

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マクラーレン・セナの心臓部であり、M840TRというコードネームが付けられた4.0リッターV8ツインターボ・エンジンは、マクラーレンがこれまで生み出してきた中で最もパワフルなロードカー向け内燃エンジンで、最高出力は800PS(789bhp)、最大トルクは800Nm(590 lb ft)です。エンジンのドライサンプ潤滑方式とフラットプレーン・クランクシャフトは、モータースポーツをルーツとする技術です。軽量の内部コンポーネントが、パワートレインの質量削減に貢献し、さらに超低慣性のツインスクロール・ターボチャージャーおよび電子制御式ウェイストゲートとの組み合わせによって、光のような速さのスロットル反応を実現します。

プログラムの当初より、マクラーレンのエンジニアたちは、インテークから燃焼、排気に至る、エンジン全体が機械的なシンフォニーを奏でられるようにするには、ドライバーとの一体感を中心にしたエクスペリエンスが大切だと考えていました。マクラーレン・セナを運転する幸運な方は、空気がルーフの上に取り付けられた「シュノーケル」型インテークに流れ込んでカーボンファイバー製プレナムの中でミックスされるサウンドでコックピットが満たされ、独特の高周波サウンドが生き生きとしたエクスペリエンスをもたらしてくれるのを感じるでしょう。同時に、エンジンからの低周波サウンドが独自のエンジン・マウントからコックピットに流れ込み、カーボンファイバー製Monocageのダブルウォール式リア構造を振動させてエンジン音のわずかな変化を増幅させるために、V8エンジンがまるでドライバー・シートの横に置かれているように感じることでしょう。

デュアルクラッチ、シームレスシフトの7速ギアボックスが、後輪にパワーを伝達します。フルオートマチックモードが初期設定になっていますが、ドライバーは、ステアリングホイールの後ろのロッカーに取り付けられたパドルを通じて、ギアシフトの完全マニュアル・コントロールを選択することができます。細長い、カーボンファイバー製のパドルは、レーシング・グローブを着用している時としていない時の両方で使用できるように最適化されており、マクラーレン・セナとの機械的な一体感を深めてくれます。

マクラーレン4.0リッターV8ツインターボ・エンジンとトランスミッションの特性は、アクティブ・ダイナミクス・パネルを使ってカスタマイズすることができ、ドライバーは、コンフォート、スポーツ、トラックの中からパワートレインのモードを選ぶことができ、どのモードでも荒々しい性能を実感することができるでしょう。スロットルのレスポンスは瞬時かつ強烈であり、ドライバーの背中はシートに張り付くでしょう。

マクラーレン・セナは、ドライバーが能力を限界まで発揮できるような、本当の性能を提供します。扱い易く、驚異的なパワーウェイトレシオによって性能をフルに発揮することができる一方で、強烈なエクスペリエンスとともに、世界中の優れたドライバーだけが感じることのできる、興奮とチャレンジも与えてくれます。

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マクラーレン・セナは500台の限定生産で、英国サリー州ウォーキングのマクラーレン・プロダクション・センターにおいて2018年第3四半期より、手作業で組み立てが開始される。価格は675,000ポンド(日本向け税込価格)からとなり、受注はすでに開始されているようだ。詳しくはマクラーレン公式サイトよりお問い合わせいただきたい。

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