自動車に乗って、遠くまで足を伸ばす。
目的地に早く快適に到着することが大切か、または運転そのものが楽しみの場合もある。
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グランドツーリング、略してGT。
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自動車の生活様式を表現する記号として、これほどイメージと夢が膨らむイニシャルはない。走ることができる車があって、そこに費やす時間があるならば、すぐに支度をととのえてハンドルを握ろう。たった一杯のコーヒーを、どこかで飲むためだけだとしても。
ロンドンから往復460マイルの距離にあるブリュッセルは、健啖家をうならせるような、素晴らしい料理で知られている。今から日帰りでランチにでも行ってみるかい?それがブリストルでならば、たいしたことはない。
1960年代の素晴らしいGT、ジェンセン・インターセプターは、長年不遇に耐えてきた。イタリアとアメリカの血も色濃く流れるが、実に偉大な英国車なのだ。その理由をひもとこう。
1967年のある時、イギリスの日刊紙『デイリー・テレグラフ』の記者たちが"夢の車"をテーマに話合いを行っていた。編集長のジョン・アンスティーは、論客たちの熱を帯びた討論を机上で終わらせるほど、才覚に乏しい人物ではなかった。「実際に造ってみろ」とけしかけたのだ。「こんなチャンスは二度とない」と。
クラシックカーの改造に対する感覚は人それぞれであるが、このMechatronik(メカトロニック)によって見事に生まれ変わった1960年代のメルセデスには、誰しも心奪われずにはいられないだろう。
簡単にいってしまえば、この車は伝統のフェラーリ・エンジンと独特のスタイル、そして現代的な使いやすさを兼ね備えた1950年代風のGTだ。それだけではよく分からないという人のために、もう少し詳しく説明したい。
丸いドアが特徴のヨンケーレ製ボディを載せたロールス・ロイス。その奇抜なデザインは、1930年代の映画に登場した未来の車からインスピレーションを得たらしい。その実、オーナーも一風変わった人物ばかりだった
ブガッティの作った唯一の飛行機、ブガッティ100P。現存しているが、一度も飛んだことはない悲運の機である。あるエンスージアストのグループが、そのレプリカを製作した。
フランスの女性ドライバー、アン・セシル・イティエはブガッティ・タイプ51グランプリカーでの成功で知られている。しかし、彼女が駆ったグランプリカーは一時期ロードスターとして愛用されていた頃もあった。
1980年代半ば、スーパーカーの仲間入りをしようとすれば、最低でも400bhp、そして少なくとも8気筒が要求された。さらに、V12やターボを搭載していれば、紛れもない本物だ。
ブラジルが生んだ伝説的なF1ドライバー、アイルトン・セナが亡くなってから20年になる。