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2015年6月号 vol.10

特集 【SPECIAL ONE】

2015.06.26
本体価格:¥1,300(税込)

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目次

特別な1台。

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日本が世界に誇る芸術、浮世絵。それぞれの時代の現実社会を題材に、世俗の営みをとらえたものだ。一般的な浮世絵は版画である。多くは絵師と彫師、そして摺師の共同作業で完成される安価なもので、当時のモードに大きな影響を与えていたが、一方豪商など裕福な民は、画材から筆のタッチまでに注文を付け、己だけの特別な一点を筆で描かせることがあった。これが肉筆浮世絵という贅沢品である。
自動車の世界においても一点モノは存在する。富裕層の特別注文もあれば、レーシングカーのワンオフなど生誕の経緯はさまざま。そして希少なものには、良くも悪くもそれに関わった人間のこだわりが必ず表われる。
だから特別な1台は、結果としてとても興味深い。

アメリカの誇り
シェルビー・コブラ・デイトナ・クーペ

AC生まれのコブラがアメリカ人の手でどう生まれ変わり、どのような経緯を辿って国際的な栄誉を獲得するに至ったか。これは、きめ細かい取材をもとに書き上げた最新のデイトナ・コブラ・ストーリーである。

あるレーシングドライバーと妻の物語
Peter Collins Ferrari

新世代のフェラーリ250コンバーチブルの中でも本当に最初の1台をご紹介する。この車はエンツォ自身がピーター・コリンズに贈ったプレゼントなのである。

夢のような日々
LIFE WITH PETER COLLINS

たった1年半の短い間であったが、女優ルイーズ・キングはグランプリドライバーの妻として夢のような生活を満喫した。二人が送った日々をルイーズのアルバムで振り返る。

MORE EXCLUSIVE than a Continental
ベンスポーツ ラ・サルト

ベントレーRタイプのシャシーに架装されたラ・サルトは、かつての偉大なコーチビルト・ベントレーを思い出させる。マーク・ディクソンがレポートする。

良家の姉妹
アルファロメオ ジュリエッタ

コンパクトながら、上質で個性あふれるアルファロメオ・ジュリエッタが初めて発表されたのは、60年以上も前のことであった。以来、この初代ジュリエッタをテンプレートとしてさまざまなモデルが生まれていった。

永遠の印象主義者
デクスター・ブラウン

デクスター・ブラウンは、モータリング・アート界の第一線で50年以上にわたりその名を馳せている。今年2月、ロンドンで開催された彼の個展に出展された最新作をご紹介しよう。

サハラ再訪
フェラーリ・テスタロッサ

20年前、英国の自動車専門誌が発売されたばかりのフェラーリ512Mでサハラ砂漠を目指すという記事を掲載した。このストーリーを再現すべく、28年前のテスタロッサで再び地の果てを目指した。

リスター序章
トジェイロJAP

なんだこれは。誰もがそう思うことだろう。シャシーに刻まれたナンバーが証明しているように、あのブライアン・リスターが初めて手がけた記念すべき車なのである。

フェラーリに立ち向かった男
GLICKENHAUS SCG 003

フェラーリからレースカーへのパーツ供給を断られたとき、ジム・グリッケンハウスはワンオフ・モデルをゼロから開発することを決意した。それで大メーカーに挑戦しようというのだ。

被写体の、その裏側にあるもの
ジェシー・アレクサンダー

モータースポーツのスチール写真を芸術の域にまで高めたのがジェシー・アレクサンダーである。その手法とはどんなものか、じっくり語ってもらった。