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走り続けるために創られた、最新のクラシック・ジャガー 2017 JAGUAR E-TYPE ZERO

登場から半世紀以上を経た今でも、たびたび「最も美しい車」と呼ばれ称賛される名車、ジャガーEタイプ。 同社の歴史的なアイコンともいえるこの車が、その生誕の地である英国コヴェントリーで蘇った。 しかし、この1台に施されたレストアは、単なる復元ではなかった。電動パワートレインを搭載した、電気自動車として生まれ変わったのである。

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最も美しい電気自動車
ジャガーゆかりの地である英国中部コヴェントリーにオープンしたクラシ ック・ワークスは、ジャガー及びランドローバーのクラシックカーのオーナ ーや愛好家向けに、正規クラシック・モデル、エキスパートによるサービス、 純正パーツ、ユーザーエクスペリエンスを提供する施設である。

クラシック カーの販売、製造、レストアを行う施設としては世界最大規模。熟練したエ ンジニア、若手エンジニア、そして実習生を含むチームが急速に拡充し、両 ブランドのヘリテージモデルのレストアに従事するとともに、「NEW ORIGINAL」 (新しくありながらオリジナルに忠実)な特別モデルにも携わっている。

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そんなクラシック・ワークスが、かのエンツォ・フェラーリにも「世界で 最も美しい車」と言わしめたジャガーの歴史的名車「Eタイプ」をレストアした。 クラシック・ワークスがEタイプをレストアしたのは今回が初めてのことで はないが、2017年9月に発表されたこの1台には、ほかの「REBORN」モ デルにはない試みが施されていた。ベース車の1968年式Eタイプ・シリー ズ1.5ロードスターに搭載されていたエンジンは取り去られ、かわりに最先 端の電動パワートレインが組み合わされたのだ。

このパワートレインは、電動パワートレインのスペシャリストがジャガー・ランドローバーのエンジニアと協力して開発したもので、220kWの出力を誇る。その結果として、E タイプ・ゼロは0-100km/h加速5.5秒というパフォーマンスを実現。これはオリジナルのEタイプ・シリーズ1と比較して約1秒も速くなっている。

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フロントに搭載されるリチウムイオン・バッテリー・パックの容量は 40kWh。家庭用電源で充電に要する時間は通常6~7時間で、航続距離は約270kmであるという。このバッテリーパックは、ちょうどオリジナルの Eタイプに搭載されていた6気筒のXKエンジンと同じ寸法で、かつ重量も ほぼ同じに設計されており、その後ろに搭載された電動モーターも、Eタイプのギアボックスと同じ場所に収まるように作られている。

そのため、サス ペンションやブレーキなどの車体構造を変更する必要がなく、前後重量配分も変わらないため、オリジナルのEタイプの持ち味、すなわちハンドリング や乗り心地、ブレーキングはそのまま活かすことができたのだという。

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ジャガーが提案する、新しい選択肢
電動パワートレインを、6気筒のXKエンジンと同様の寸法、重量で設計した利点は他にもある。XKエンジンは、XK120、Mark II、XJ6といった、 1949年から1992年まで製造されていた多くのジャガーにも搭載されていた。 このため、この新しい電動パワートレインは、これらの車両すべてに組み込むことも可能なのだ。  

時代は地球環境に考慮し、ガソリンなどを燃料にする化石燃料車の生産・ 販売を禁止する方向へと着実に進んでいる。イギリスでも、2017年7月、 2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する政策が打ち出さ れた。将来的に、化石燃料車のためのインフラも大幅に縮小してゆくことに なるだろう。  

ジャガーは2019年前半に向けて、同社初となるエレクトリック・パフォ ーマンスSUV「I-PACE」の開発を進めている一方で、同社の遺産ともいえるクラシックカーの保全にも力を入れている。

オリジナルを維持することも勿 論重要だが、週末の愉しみとして走らせることを考えるのであれば、パワートレインの電動化も、選択肢のひとつとして十分考えられるのではあるまい か。Eタイプ・ゼロは、DNAを忠実に継承し続けるためにジャガーが考えだした、クラシックカーの将来像を具現化したプロトタイプとして位置づけられるだろう。

【ヘリテージパーツは、日本でも充実】jge6.jpg

ジャガー・ランドローバーのクラシックへの取り組みは、日本においても着々と進め られている。英国本国でのヘリテージパーツの在庫情報や入荷予定情報を共有する 取り組みを行っている。ヘリテージパーツは、単に過去の部品を再生産したもので はなく、構造はそのままに、新素材を組み込むことで性能の向上を実現したものもある。高品質セラミック素材を使用したジャガー・セラミックブレーキパッドがその代表的な例だ。

クラシック・ジャガーの魅力はそのままに、やわらかく、しっとりとした効き具合の、洗練されたブレーキフィールが安心感をもたらす。また、セラミックブレーキパッドはディスクの摩耗を引き起こしにくく、ブレーキシステム全体の耐久性が向上するとともに、ダストでホイールが汚れることも少なくなる。 2018年3月31日までセラミックブレーキパッドキャンペーンが、全国のジャガーディーラーにて行われている。詳細はこちらより。

文:オクタン日本版編集部 Words:Octane Japan Images:Jaguar Land Rover Japan Media Centre