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【Ferrari 70th】vol.5:41億円で落札されたフェラーリ

£24.7m Record Ferrari Masks Jittery Market

2016年、アールキュリアルがオークション史上最高値を更新。錚々たるドライバーがコクピットに座った335Sスカリエッティだ。

FERRARI 335S SCAGLIETTI, PROVENANT DE LA COLLECTION BARDINON, AUCTION ROOM, WORLD RECORD FOR A CAR - © ARTCURIAL.jpg

2016年レトロモビルで開催されたアールキュリアルのオークションの花形となったのは、スターリング・モスやマイク・ホーソーンらがドライブした1957年フェラーリ335スポルト・スカリエッティだ。落札額は手数料込みで3207万ユーロ( 2470万ポンド)に上り、ユーロとポンドの史上最高値を更新した。このビッグニュースは、普段はクラシックカーを取り上げないような新聞でも伝えられた。

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335Sスカリエッティは元ワークスカーで、高名なピエール・バルディノンのコレクションから出品された。ドル高がなければ、オークション史上「世界で最も高い車」の称号をつかんでいたはずだ。しかし、ドルに換算すると3570万ドルとなって、世界第 2位にとどまった。1位は依然として1962年フェラーリ250 GTOが守っている。その落札額は、2014年にボナムスのクエイルロッジ・オークションで付いた 3811万 5000ドルだ。2014年当時のレートで換算すると、約 2850万ユーロに相当する。いずれにしても、この落札額がとんでもない金額であったことに変わりはない。

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アールキュリアルがたたき出した落札額は、フェラーリを取り巻く現在の狂騒を象徴している。レーシングヒストリーを持つフェラーリではいっそう顕著だ。この車は、わずか4台が製造された335Sスパイダーのうちのシャシーナンバー0674で、ドライバーは、ピーター・コリンズ、ウォルフガング・フォン・トリップス、ピエロ・タルッフィ、モーリス・トランティニャン、ルイジ・ムッソ、マイク・ホーソーン、スターリング・モスと錚々たる顔ぶれである。だが冷静に見てみると、その割に成績はそこそこで、表彰台の常連だったとはいえない。フォン・トリップスのドライブで1957年ミッレ・ミリア2位、モスの手で1958年のキューバ・グランプリ優勝というのがめぼしいところだ。

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そのためか、入札はゆっくりとしたペースで進んだ。オークションルームが緊張と興奮に包まれる中、破格の2000万ユーロでスタート。その後10分以上かかって、最終的に電話入札者が記録更新となる金額にまで押し上げた。ハンマーが振り下ろされると同時に拍手と歓声がわき起こったが、実はこの落札額は、手数料と税金を除けば推定価格の下限にぎりぎりで届いたにすぎなかったのである。

1957 Ferrari 315 335 S Scaglietti Spyer, Collection Bardinon - 15 ©ArtcurialPhotographeChristianMartin.jpg

それでも、もちろんアールキュリアルは大満足だったに違いない。このフェラーリに限らず、2日間のオークションで80%が落札されたからだ。

本記事は9月26日に発売のオクタン日本版特別編集「Ferrari 70th」に掲載されている。

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