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JBLとフェラーリ、唯一無二のセッション

JBLとフェラーリとのコラボが産んだ特別なオーディオブランド、JBLプロフェッショナル。
最新のQLS技術を得た488のサウンドは、スーパーカーの音環境を新たな次元へと引き上げた。

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数々の有名オーディオメーカーを傘下に持つ米国ハーマンインターナショナルとフェラーリとの共同開発による「JBLプロフェッショナル」は、フェラーリ専用のプレミアム純正オーディオブランドとして2008年に誕生した。当初はスクーデリア・スパイダー16M(2008年)やP540スーパーファスト・アペルタ( 2009 年)などのスペシャルモデルに向けたプロジェクトとしてスタートしたが、2010 年からは市販モデルへの設定が始まり、現在ではすべてのフェラーリ車にオプション設定または標準装備されている。

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おそらくJBLは世界で一番知られたオーディオブランドだろう。創業は1947 年だから今年で70 周年、奇しくもフェラーリと同い年である( JBLの前身にあたるランシング・マニュファクチュアリング社の創設は1927 年)。本来のJBL ロゴがオレンジ色ベースであるのに対し、JBLプロフェッショナルのロゴマークはシルバーのベースに「PROFESSIONAL 」の文字を加えた専用デザインで、これはJ B L の長い歴史の中でも別格の扱いだ。もちろん、数あるハーマン系のプレミアム純正ブランドの中でも、それがトップ・オブ・ザ・ラインの位置付けであることは言うまでもない。

さて、今回試聴した488 にはハーマングループの手による次世代の音場制御技術「Q u a n t u m L o g i c S u r r o u n d 」(以下QL S )を導入した最新バージョンのJ B Lプロフェッショナル・プレミアムサウンドシステムが採用される。スピーカー数は計12 個で、フロント左右が3 ウェイ、リア左右とセンターがそれぞれ2 ウェイ、サブウーファーなしという明快な構成。各スピーカーユニットはフェラーリ専用に誂えられた専用品であり、特にケブラー振動板を採用した80mm 径のミッドレンジスピーカーはフェラーリ側の厳しい音質的要求を満たすために欠かせないものだったという。

まずはQL S の7 . 1 c h サラウンドをオフにした"素"の音を聴く。このモードはコンベンショナルな2ch ステレオのリスニング環境を再現するもので、ヴォーカルやソロ楽器がドライバーのほぼ正面に定位し、その背後に伴奏とホールトーンが整然と広がる安定した聴き心地だ。低音から高音まで全帯域にわたり音色はフラットで、中域にしっかりした芯と艶やかさがある。スピーカー数は先代の458( 11 個)より1 個多いだけなのだが、エレクトロニクス系が刷新されたこともあって定位感もサウンドバランスもまったくの別物。V8フェラーリのコックピットでこんな本格的な音が聴ける日がこようとは、という思いである。

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次にインフォテイメント画面からサラウンドオンを選択。このモードでは通常の2chステレオ音源が疑似7.1ch 化され、クラシックのオーケストラやライブ音源などでは音場が実際のキャビンスペースを超えて開放的に広がるのを感じる。ヴォーカルやソロ楽器は前方の少し遠い位置に定位し、オフの状態と比べてやや客観的な表現となるのだが、そのぶん運転の邪魔にならず、さらに運転席と助手席との音質差も少なくなるなど、これもまた純正システムとして望ましい方向と言えよう。逆に、ホームオーディオ的な聴き方を志向するのならばサラウンドはオフのほうがいいと個人的には思う。乗らない日もガレージへ行って運転席に身を沈め、好きな音楽とじっくり向き合いたくなる音の完成度、機会があればご自身の耳でぜひ確かめていただきたい。

文:内藤 毅 Words:takeshi NAITO  
写真:隈田一郎 Photography:Ichiro KUMADA(K.Graphics Inc.)

JBL
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