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コンチネンタルを凌駕したエクスクルーシブ

第一印象を尋ねると、「英国伝統のコーチビルドの見事な継承」という意見と「過去の偉大なベントレー車のディテールの寄せ集めのようだ」との意見の真二つに分かれるラ・サルト。

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シャシーに本物のベントレーRタイプを持つこの車は、過去の多くのベントレーに用いられたデザインテイストを趣味良く融合させたものといえる。Bピラーから後部の造形は、真っ先にRタイプ・コンチネンタルのイメージを結びつけ、その印象を強烈に呼び起こすものとなっている。

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ある日、ラ・サルトを製作したベンスポーツ社オーナーのロバート・ペリーがある顧客から、その顧客自身のデザインによるシャプロン風のボディをベントレーMkVIシャシーに載せるよう依頼された。ロバートは長い経験からさらに多くのインスピレーションを得て、顧客のデザインとは異なるオリジナルデザイン、すなわちこのラ・サルトとほとんど変わらないスケッチを数分で創り出した。これがこのプロジェクトの始まりであったのである。

ラ・サルトについてロバートは、「プロジェクト全体の論理的根拠は、ベントレーが創りあげ、1950年のル・マンで戦ったかもしれない車を造ることだった。1938年に造られたエンブリコスが少々のリファインのみで1949年にいかに健闘したかを考えれば、それはおそらくかなり成功したはずだ。だからネーミングに関しては、ミュルザンヌやアルナージュのように、コース名からル・マンを思い浮かべる名前がほしかった。そしてまだ誰も肝心のシルキュイ・ドゥ・ラ・サルト、すなわちサルト・サーキットそのものの名を採用していないことに気づいた。正に、これ以外には考えられなかったね」と語っている。

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現在、ラ・サルトは1台しか存在しない。まだ、プロトタイプであり、いわゆる未完成品だからである。しかし、決してそこに妥協が存在したということではない。ボディは外部業者によるハンドメイドで、完成車の見た目からは窺い知れない努力と汗がこの車の洗練を生み出していることに気付かされる。エッグシェルグレーに塗られたボディは、実に見事な仕上がりだ。

ベンスポーツは10台以上のラ・サルトは造らないと明言している。これは208台だけ作られた本物のRタイプ・コンチネンタルに通じる、速さと上品さを持ち合わせるラ・サルトの特別感を表すものだ。

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そして、この世界に1台しか存在しないラサルトは今、日本にある。ワクイミュージアムにて管理されており、オートモビルカウンシルの場でお披露目となる。

ワクイミュージアム http://www.wakuimuseum.com/