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DIGNITY OF THE UNDERSTATEMENT -アンダーステートメントの品格-

アンダーステートメントの品格 - ハケット ロンドン

英国車を持つ理由。 それは、その車やブランドの魅力もさることながら、 英国特有の文化的背景にも惹かれるからではないだろうか? 卓越した技術に基づいた 完成度の高い製品だけを求めるのであれば、 他国メーカーにも数多く名品は存在する。

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しかし、欲張りな読者諸氏はそれだけでは物足りず、 そこにどこか理知的な色気と、 そしてアンダーステートメントという イギリス特有の「控え目」な気品を求めるのだと推測する。 そうなると、目指すはやはり英国車である。 その中でもエレガンスと情緒を最も醸し出すブランドの一つが、 「アストンマーティン」となるのであろう。

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アストンマーティンを纏う

アストンマーティンの歴史や車が持つ芸術品とも思えるフォルムは、いつの時代も普遍的な美しさを放ち、そしてそれを主張し過ぎることは決 してない。熱帯魚の世界で言うなればそれは淡水魚のような奥ゆかしい美である。海水魚はカラフルで発色の良い肢体を持つが、淡水魚は光を 受けて初めて発色する。それは自らの色香を主張するのではなく、あくま で自然の環境によりその美しさが現れるのである。そんな品位を備えた アストンマーティンに乗る際には、やはり車の「格」に合う気構えや装いで接したいものである。

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2005年からの蜜月

車に乗るということは単なる移動の手段ではなく、もっと深遠な意味 や価値があるからこそ皆様はアストンマーティンに惹かれていることと想 像する。つまり、そのブランドや車が持つ魅力をどう解釈し、どんなライ フスタイルを思い描くか?が重要なのである。それは車に乗る際のスタイルにも拘ることに通じる。アストンマーティンは英国の『ハケット ロンドン』と長きに渡りパートナーシップを結んでいる。

このハケット ロンドンとは、紳士服の世界で「Mr. Classic」と称されるジェレミー・ハケットが1983年にスタートさせたモダン ジェントルマン スタイルを体現する紳士服ブランド。両ブランドの蜜月は、ロンドンの中でも屈指の高級 ファッションエリアで知られるスローン・ストリートにあるハケット ロンドンの旗艦店から始まった。この2ブランドの信頼関係は、アストンマ ーティンのオフィシャルメンバーとピットクルーに製品を作ることから始まり、その関係性は深度を増すにつれ、両ブランドの名を冠したポロシャ ツやブルゾンなどがコレクションとして具現化されたのである。


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ハケット ロンドンとは?

ハケット ロンドンは、創業者であるジェレミーの哲学と彼のスタイリ ッシュな着こなし、そしてユーモラスな人柄を体現したメンズウェア コ レクション。クールなだけでなくウィットに富む玄妙な魅力を持つブラン ドなのである。ビジネスからカジュアルシーンに至るまでを支えるトータ ルウェアブランドとして、世界中のジェントルマンから愛され続け、日 本にも多くの熱狂的信者が存在する。

英国発のメンズブランドは数多く 存在するが、このジェレミーほど装う事の大切さと嗜みを伝道しようとす るブリットは限られるだろう。それは単に「何を着るか?」ではなく、「ジ ェントルマン」とういう概念にまで発想を掘り下げるからである。

hacket3-2.jpgスーツ:15万円(税別)/ ベスト:4万2000円(税別)/ シャツ1万8000円(税別)/ タイ:1万5000円(税別)/ ポケットチーフ:2000円(税別)

「装う」こととは?

イングリッシュ・ジェントルマンとは、服装のみならずエチケットやマナー、騎士道精神、勇敢な立ち振る舞いにまで至る精神性も問われるのである。そういったことを背景にジェレミーが始めたコレクションには、英国紳士を想わせるアイテムが揃う。中でも取り分け人気が高いのが、スーツやジャケットなどのテイラー・メイドのアイテムだ。ジェレミーは仕立ての聖地「サヴィル・ロウ」 でテイラーとしての経験を積んでおり、その経験値に彼のヴィンテージやアンティークに対する審美眼が加わるスーツやジャケットは、クラシックでありながらモダンなのである。しっかりとした肩の作り、胸からウエストに至るグラマラスなコンケーヴ、ラペルやポケットのデ ィテールは英国伝統の拘りが宿り、そして着心地は現代的。それは単にスタイリッシュなだけでなく、端正でいながら華美ではないことで、人々に安心感や信頼感 を与える点が最大の魅力であろう。ジェレミーは「紳士的に装う」ということは、配慮を持って装うことであり、 決して過剰にならないことだと言う。彼の信念はコレク ションにも貫かれており、これ見よがしではない、気品を保ったものなのである。

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「装う」ことを嗜む

その哲学と思想を広める日本の発信基地が銀座にあ るハケット ロンドン 銀座である。相当な親日家のジェ レミーのウィットとユーモアが随所に散りばめられた店舗は、「ジェレミーズ・ハウス」と呼ばれ、多くの熱狂的信者が足繁く通う教会のような場所。

ハケット ロンド ンはその精神性を重んじ、英国上流階級のスポーツで あり社交場でもあるポロ競技、レガッタやラグビー、そ してモータースポーツなど多くの格式の高い競技のスポ ンサーになっている。それは、所謂分かりやすいコマ ーシャルではなく、その伝統の継承と精神の育成を重 んじ、情熱を注いでいるもの。そしてジェレミーにとっ て最も大切な事が、それを楽しむ人々と共に自分も娯しむこと。それこそがジェントルマンとしての気概なのだろうと強く感じさせられる。

紳士たるもの、車を愛でる際にも、大いなる配慮を持 って装う事を嗜み、楽しみたいもの。それがジェレミー 率いるハケット ロンドンというブランドから筆者が学んだ事であり、大人とはこうありたいと憧れの念を抱いている。

文:鈴琢磨 Words: Takuma SUZU
写真:多田悟 Photography:Satoru TADA
シューティングディレクター&スタイリスト:石川英治 Photo Shooting Direction&Stylist:Eiji ISHIKAWA
ヘア&メイク:阿久津智一 Hair&Make:Tomokazu AKUTSU
モデル:エイドリアン(donna) Model:Adrian(donna)

ハケット ロンドン 銀座
東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ1F
TEL:03-6264-5362
WEB:https://jp.hackett.com/​