エレガントな味わいとともにヴーヴ・クリコを特徴づけるのが、イエローカラーに彩られた自由なスタイル。ツイストのきいた遊び心に富むラグジュアリーな風合いで人々を魅了し続けている。そんな華やかなシャンパーニュを海底で熟成させるプロジェクトがいま進行しているという。果たしてその味わいは?
1772年、銀行家として成功したフィリップ・クリコは事業多角化の一環として、フランス北東部のランスという街にシャンパーニュ・メゾンを設立した。創設者の息子のフランソワ・クリコはポンサルダン家の令嬢バルブ・ニコル・ポンサルダンと結婚するが、その後わずか数年で世を去ることに。マダム・クリコは若くして未亡人(ヴーヴ)となってしまうが、夫クリコ氏の情熱を受け継ごうと、シャンパーニュ製造を自ら手掛けることになる。
当時のフランスは革命動乱期。王政貴族制が打ち崩される真っただ中。特権階級に愛飲されていたシャンパーニュは革命派の格好の敵であったが、マダム・クリコはロシア宮廷ほか外国への輸出に注力して事業を拡大。ヴーヴ・クリコの人気を不動のものとした。ヴーヴ・クリコの貯蔵洞窟に、新たに発売された都市名が記されているのはその名残である。
マダム・クリコは1810 年、生家の姓をつけた「ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン」に社名を変更。さらに、すっきりと澄んだシャンパーニュをつくるために、毎日ボトルを回転させて澱を瓶口に集めていくルミアージュという手法を編み出した。この手法は画期的であり、約200年を経た今でも、多くのシャンパーニュ製造に用いられている。
現在では「モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)」グループの傘下に入り、世界的な販売網を手にした。また、エリザベス女王のお気に入りとして英国王室御用達となり、シャンパーニュブランドとして確固たる地位を築いた。マダム・クリコの信念である、「品質はただひとつ、最高級だけ」は、今も受け継がれている。
ヴーヴ・クリコは2014 年6 月18 日、バルト海に浮かぶオーランド諸島のシルベルスケル島で画期的なプログラム" Cellar in the Sea"(海底貯蔵庫)を開始した。これから2054年まで40年間に渡って「オーランド・ヴォールト」と名付けた海底貯蔵庫にシャンパーニュを貯蔵し、その経過を記録するというのだ。
この壮大なプログラムのきっかけは2010年7月16日に遡る。スウェーデンとフィンランドの間にある自治領、オーランド諸島近くの海底で、2世紀近く前に沈んだ船に残されていた168本のシャンパーニュが発見された。このうち47 本がヴーヴ・クリコ製と判明し、調査の結果、製造年は1839年から1841年であることが解明した。後の2010年11月、オーランド諸島の首都マリエハムンでそのうちの10本が抜栓され、ワイン愛好家と報道関係者によるテイスティングが行われたのだ。期待や不安が錯綜する中で、果たしてこれらのヴーヴ・クリコは「飲むに足るどころ」か、「実に旨い」ものであった。幾重にも重なったフルーツやフローラルのノート、さらにはフレッシュさを保つ味わい。これには集まった多くの人々が驚嘆し、マダム・クリコの理念を再確認することとなった。
「オーランド・ヴォールト」は沈没船と同じ熟成条件を再現するため水深40mに固定。貯蔵庫に収容されたボトルはイエローラベル( 750mlおよびマグナム)、ヴィンテージ・ロゼ2004、およびドゥミ・セックのボトル。ヴーヴ・クリコの飽くなき熟成過程への探究心は、まだ始まったばかりだ。
【3日間限定"大人のための"ハロウィンイベント Veuve Clicquot "Yelloween"】
ヴーヴ・クリコとハロウィンを祝うスペシャルなイベント"ヴーヴ・クリコ イエローウィン"を3日間限定で開催される。2017年イエローウィンのコンセプトは『シークレット アーバン フォレスト(魅惑の森)』。闇に包まれた森に迷い込んだかのような幻想的な空間が六本木に出現する。
まさにヴーヴ・クリコが提案する、大人のためのハロウィンナイトである。
詳細については9月下旬より下記サイトにて案内を開始する。ぜひご確認いただきたい。
■Veuve Clicquot "Yelloween"
日時: 2017年10月26日(木) 、27日(金)、28日(土)
場所:東京都港区六本木
詳細情報及び事前チケット購入サイト: https://www.veuveclicquot.com/ja-jp/yelloween
※イベント詳細および事前チケットの購入は9月下旬より随時 ※内容は変更になる場合がございます
文:オクタン日本版編集部 Words:Octane Japan
ヴーヴクリコ
URL : https://www.veuveclicquot.com/ja-jp
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