1772年創設以来の、伝統と最高級のクオリティで、人々を魅了するヴーヴ・クリコ。メゾン秘蔵のリザーブワインのみをブレンドした、ウルトラ プレミアム シャンパーニュ「ヴーヴ・クリコ エクストラブリュット エクストラオールド」が販売開始となり、フランス本社の最高醸造責任者であるドミニク・ドゥマルヴィル氏にお話を伺った。
Q 数あるシャンパーニュ地方の製品群の中で、今なお最高級品質であると評されている理由とは?
A まず一つ目に、"歴史"です。それは長いというだけではなくマダム・クリコの発明精神に裏付けられた歴史があることが、私たちの顧客に認知されていると思います。ルミアージュや赤ワインに白ワインをブレンドしてロゼを作り出したのも彼女が第一人者であります。ですので、マダム・クリコの創造力や大胆さが他と一線を画すことになったのです。そして二つ目にあげるのはシャンパーニュラベルの"独特な色"です。1866年にマダム・クリコは亡くなりましたが、1874年から約140年あまりイエローラベルが使用されており、これが他のシャンパーニュとの差別化につながっています。マダムクリコはビンテージとノンビンテージの区別をつけるために、二色のリボンを使っており、イエローリボンをビンテージにつけていたのが始まりです。そして三つ目に、品質以上に"一貫性のある味わい"は他に類がないということです。毎年決して同じブレンディングを行わないというポリシーを貫き、その品質を実現するための醸造家の不断の努力があります。
Q プロジェクト「Celler in the Sea」(セラー・イン・ザ・シー)について、優れた貯蔵方法という評価があるようですが、この製法は一時的なプロジェウトではなく、永続的かつ大量に製造する手法として採用する考えはありますか?
A 私たちはこの製法を一つの実験として位置付け2014年に開始しましたが、これは40年継続されるものです。水深42mのセラーには300本のノーマルボトル(100本のイエローラベル、100本のビンテージロゼ、100本のホワイトラベル)と50本のイエローラベルのマグナムを貯蔵しています。主な目的は3年ごとに熟成がどのように進行し、陸のものと海のものでどのような味わいや香りの変化があるかを観察することです。ノーマルボトルとマグナムボトルで熟成が異なるかもしれないですし、甘いデュミセックのホワイトラベルにどのような変化があるのかを知りたいと考えています。
Q 数あるラインナップの中でも特に好きなシャンパーニュはありますか?
A なかなか一言で答えるのは難しいですね。なぜなら一つ一つのシャンパンは我が子のようなものですから、誰が一番とは決めることはできません。家では3人の子供の父親ですが、シャンパーニュについてもそれぞれ違った特徴や豊かな性格があります。ブレンディングで特に工夫が必要でエキサイティングと感じるものはイエローラベルです。毎年収穫を終えてベースワインを作り4か月間ほぼ毎日ブレンディングを行いますが、イエローラベルとして一貫するものを白紙から作り出します。私がもし、月に行けるのでしたらイエローラベルのジェロボアム(3000ml)を持っていくでしょう。長い時間シャンパーニュを楽しみたいですからね!
Q 世界のシャンパーニュのトレンドをどう見ているのでしょうか?
A 二つのトレンドがあると考えています。一つ目はトラディショナルなタイプの顧客のグループです。お祝い事の時、特別な瞬間などに召し上がって頂いています。アメリカなどではノンビンテージのロゼがとてもポピュラーになってきており、昼でも夜でも楽しんで頂いています。二つ目に、若い人たちの世界は好奇心にあふれており、テクノロジーやデジタルに関心のある新しいお客様のグループがあります。その後者の方達のために、我々は二つのシャンパーニュを出しました。カクテルを作るために開発したリッチと今回のエクストラブリュット エクストラオールドです。エクストラオールドは辛口で年代物のビンテージをブレントしているとはいえ、若い方や糖分控えな方におすすめです。
Q 数あるラインナップの シーンの使い分けはどのように考えていますか?
A たくさんの種類があるのですが、イエローラベルはシグネーチャーモデルですので、メゾンとの繋がりを持ちたい方、ヴーヴ・クリコのブランドに興味を持っている方、すべての方に召し上がって頂きたい。昼夜問わずビーチや、ピクニック、ナイトクラブなど楽しい、かっこいいシーンで飲んでもらいたい。ホワイトラベルはシーンの想定というよりも、地域性があるのでしょうか。スカンディナビア、南アフリカなどで大変好まれております。
エクストラブリュット エクストラオールドは、メゾンのリザーブワインの中でも1988年から2010年までに醸造された選りすぐりの6つのビンテージのリザーブワインを厳選し、3年間熟成されてから瓶詰めされ、更にメゾンのセラーで3年間熟成される。2度のエイジングを経た後に極めて少量のドサージュが施された、テロワールとフィネスが織り成す芳醇な味わいだ。
相性がいいものを見つけやすくシンプルなものがとても合うとデュマルヴィル氏は教えてくれた。シーフード、寿司、刺身などともマッチするとのことだったので、これからの季節炙った帆立、海老のカクテル、のどぐろの刺身などをペアリングとして召し上がってみてはいかがだろうか。
インタビューを終えたドゥマルヴィル氏は一本のシャンパーニュを開けた際にもその完成度を気にしているようだった。毎日我が子のようにシャンパーニュの品質をチェックしているからこそだろう。" Only one quality, the finest (品質はただ一つ。最高級だけ)"というブランドのポリシーとともに徹底的なこだわりを感じさせるシャンパーニュの父は次にどのような革新をもたらすのか非常に楽しみである。
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