多くのパイロットや航空ファンに愛され、FAI(国際航空連盟)とパートナーシップも結んでいるブライトリング社。2017年度に行う偉大なプロジェクトをご紹介したい。
ブライトリングはご存知の通り、航空業界とのつながりが強く、数々のパイロットとともに各地でフライトを共にしてきた歴史的な時計メーカーである。
同社は、ロッキード スーパーコンステレーションやダグラスDC-3などの往年の旅客機を修復保全する「スーパーコンステレーション フライヤーズ アソシエーション(SCFA)」を支援しており、航空の文化遺産とも言える歴史的な旅客機を守り続けている。今回、「ブライトリングDC-3 ワールド・ツアー」と題されたこのプロジェクトの主役は、ブライトリングDC-3(旧名:ダグラスDC-3)。1940年に誕生した77歳の機体で、第二次世界大戦をも支えた過去を持つ偉大なおばあちゃん航空機だ。
プロジェクトを担うのは、選ばれし3名のメンバー。機長を務めるランシスコ・アグーロ(Francisco Agullo)氏、そして副操縦士のポール・バゼリー(Paul Bazeley)氏、加えてキャビンアテンダントが1名搭乗している。メカニックも連れて行かない完全3人体制のため、各地の航空プロから助けを得ながら彼ら自身の手で機体のメンテナンスを行うという。
また、今回は一回のフライトで11時間を超える長距離移動となるので、座席を一部取り除き、補助タンクを備えている。満席にして23席を設置することができるDC-3の9席を取り外し、座席を取り外した真ん中のスペースにゴム製の取り外し式燃料タンクを積み込む。タンクは大小に分かれており、1000ℓが2つ、300ℓが1つの合計2300ℓが補助燃料として収容可能だ。
彼らは2017年3月にジュネーブを飛び立ち、東回りで各国を旅をしている。同年9月に同じジュネーブで行われる「ブライトリング・シオン・エアショー2017」が最終目的地になっており、無事到着することでゴールとなる。
この歴史的チャレンジの成功を、心から応援したい。
現在の航空法に合わせるため、インパネ周りの計器類は最新のものを搭載しているが、それ以外のほとんどが当時の仕様のまま残されている。
操作は複雑で、パイロットと副パイロットの2人が常に連携を取ることで成り立っており、ひとりは操縦を、もうひとりはパワーの調整を行う。機体バランス、操縦の正確さ、パワーバランス、全てが人の手による作業となるため 長年の経験と鍛錬したフライト感覚、そして繊細な操作が求められるのだ。全てをクリアして、はじめてブライトリングDC-3は優雅な飛行を魅せてくれる。操作の複雑さを理解した上での"世界一周"は、非常に大きな挑戦である事がご理解いただけるであろう。
DC-3の積む星型エンジン"プラット・アンド・ホイットニーR1830-92"は、クラシックカーを連想させる心地いいエンジン音がする。実際に搭乗すると、力強いエンジンの振動が足元、シートから伝わってくる。ちなみに、ブライトリングDC-3は尾輪式のため、地上では常に斜めの姿勢となる。
DC-3の窓は四角い木枠。気圧が低くなる現代のジェット機では角のない窓を採用するため、四角いデザインは貴重である。およそ1400フィートという低空飛行から見降ろす景色は、当たり前だが普通の旅客機から眺める街よりも大きく映り、迫力満点だ。
提供:Breitiling SA
イベントを記念して「ナビタイマー ブライトリングDC-3リミテッド・エディション」を発表
1952年の発売以来、根強い人気を誇っているナビタイマーシリーズの限定モデルとして全世界500個の限定生産。日本にはそのうちの50個程が割り当てられる予定だ。しかもこの500個のウォッチは世界一周中、DC-3に搭乗され、機体と共にこのチャレンジに参加しているのである。つまり、名前だけではなく、本当の意味で歴史的瞬間を共に過ごしている特別エディションなのだ。
機長のランシスコ・アグーロ(Francisco Agullo)氏は「歴史的な試みを共に行う素晴らしい時計だ。間違いなくコレクターズウォッチのひとつになるだろう。」とコメントしている。また、購入者には機長の署名入り飛行証明書もプレゼントされるという。お気付きの通り、発売はプロジェクトが遂行された後、2017年秋頃の予定だ。
ブライトリDC-3ワールドツアー 公式フェイスブック
URL:https://www.facebook.com/breitlingDC3WTJ/
ブライトリングジャパン
URL:https://www.breitling.co.jp/
写真:静 重夫 Photography:Shigeo SHIZUKA
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