MARINE

-MARINE- update

タイムレスエレガンスと呼ばれるプレミアムスーパーヨット "SANLORENZO"

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2016年のカンヌ・ヨッティングフェスティバルでデビューした全長25mのSANLORENZO SL78は、ファイバーグラスSLシリーズのエントリーモデルとしての位置づけになる。とはいえ、クラシカルモダンの趣を漂わせ、SANLORENZOの気品をこの上なくアピールしている。

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そのたたずまいは穏やかでエレガント。デザインはSL86と共にOfficina Italiana Designの手によるもの。1958年、スーパーヨットマニファクチャリングの聖地トスカーナのリグリア海に面するVIAREGGIOに、木工プレジャーボートビルダーとして誕生して以来、顧客と共にハイクオリティとエレガンスを作り上げる哲学は変わらない。

サン・ロレンツォは1985年、満を持して初めてファイバーグラス製ボートSL57を登場させ話題を集める。さらに1995年、最初のスーパーヨットSL100を発表しメガヨット界にデビューを果たす。品質、信頼、快適性、すべてが成熟し更なる信頼を生み、1999年ヘッドクォーターをLA SPEZIAの南AMEGRIAに移転、2005年には元アジムCEOのMassimo Perotti氏が経営権を取得し、社名をSanlorenzo S.p.aに変更、今もなお快進撃を続けている。創業以来の60年間に750艇を送り出した実績は輝かしい。

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Massimo氏の考えとしては、SANLORENZOをオートクチュールとしての位置づけとなる。ライフスタイルや遊びの考えを通して、インテリアやレイアウトを決めていくので、2艇と同じインテリアはない。まさしくビスポーク! たとえばそれは、インテリアデザイナーのRodolfo dordoni、デザイナーズ家具で著名なAntonio Citterio、Piero Lissoni、また照明デザイナーズメーカーのArtemideやデザイン家具のFlexformなど、著名なデザイナーとのコラボレーションが物語る。またそれらをコントロールするのがSANLORENZOのデザイナーSergio Buttiglieri氏。この長きに渡るSANLORENZOのフィロソフィは近年他のビルダーに確実に刺激を与えている。

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2016カンヌ・ヨッティングフェスティバルのSANLORENZOブースで、朝の陽光を浴びて煌いているSL78。広々としたサロンは淡いブラウンのト-ンコントロールが醸し出す上質な空間がエレガンスの極みを見せる。海への広々とした視界を得るサロンは採光も豊か。オーク材ローベレの柔らかなブラウンとライムカラーの織り成す世界。サロンとの端境には低いキャビネット、中には銀製カトラリーやデッシュ、バカラのワイングラスが潜んでいる。ラウンドしながら降りると4ステートのナイトエリアに至る。ミジップには豊かな趣を漂わせるオーナーズキャビンがある。メインベッド、ドレッサー、クローゼット、調度のすべてが上質極まりない設えで迎えてくれる。ツインシンクのシャワールーム、Emperador marbleの大理石がシャワーウォールやフロアに採用される。ゆったりとしたパウダールームがリュクスな趣を漂わせている。この設えはバウに向かって左右に用意されるゲストキャビン、その先の右舷サイドに用意されるVIPキャビンにも同質の趣で展開している。サロン左舷前方にはフル装備の独立したギャレールームがある。パンタグラフ式のドアを持ちキャットウェイへのクルーの導線も確保されている。ギャレーカウンターもEmperador marbleの大理石。

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フライブリッジはフローティング・スカーラからアクセス、左舷にオープンヘルムステーションがある。その右にはサンベッド、広大なフロアはチークが張られ、センターに8人がけのデザイナーズSpinnaker Table by RodaのダイニングテーブルとHarp chair by Rodaチェアが据えられ、左舷にはウエットバー、アイスメーカー、冷蔵庫、キャビネットが一体化されて隠され、ウッドボックスとして置かれている。最後部には3つのサンベッド、Harp sunbeds by Rodaが据えられている。Tルーフはその中のブレードが電動で開閉し、太陽光の調節に生かされる。ゆったりとした設えがフライブリッジを支配している。

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エンジンモニターを中心に計器は整然と並ぶ。グレージュとブラウンのハイセンスな色調のコンソール、全てが見やすく格調高くそれでいて穏やか、心地よい。チーク削りだしのステアリングホイールに右手を添える。まるで手馴れた椀に手を添える肌触り感覚、このセンスがたまらなく良い。左手はZFのドライブコントローラーにワンノッチフォワードにクリックすると、イムラグを感じさせないままクンと静かに駆動が伝わる。1622hp×2基からVドライブのマリンギアを介してペラが回り、水を蹴りだし、駆動を伝える。次に軽いタッチのステアリングを切り込んでいく。スムーズな動きが快い。そのまま保持し続ける。綺麗な定常円旋回を示している。ほとんどインサイドバンクを感じさせないまま回頭をする。S字切り返し、横Gも大きな揺れも、傾斜のないままフラットに突き進む。微動だにしないダイニングテーブルの置かれた意味が理解できる。2300rpm28.5ノット。十分な船速だが100%ロードを試みMAXで30.5ノットまで伸びる。ただしそれでも静寂と芳醇な走行感覚に包まれる。

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海に浮いているだけで空気も景色も変わる、そんなフネ、そうあるものではない。気品と知性に満ちたマリタイムワールドを象徴するSANLORENZO、この1艇が日本の海のシーンを艶やかに変えてくれるかもしれない。

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文:山崎憲治 Text:Kenji YAMAZAKI

全長:24.64m
ゲスト宿泊施設:8名  乗組員宿泊施設:2名
エンジン:1622hp x 2基
燃料タンク容量:5350ℓ
問合せ先:テクノマーレインターナショナル㈱ 
Tel:048-878-6806
http://www.tecnomare-yachts.co.jp/