オクタン日本版はこの号でフェラーリに多くのページを割いた。本誌がひとつのメイクにこれほど多くのページを使ったことは初めてだ。
.
日本版では、これまでに刊行された約10年分の英国版「Octane」本誌から様々なメイク/ジャンルを自由に選ぶことができるが、全体を見渡してみるとフェラーリの存在が多いことがわかる。HVシステムを採用した最新のラ フェラーリを詳報したかと思えば、極めてレアなごく初期の166SCまで、実に多岐にわたる。
.
この号ではフェラーリの歩みを語る上で欠かせない重要なモデルをいくつか取り上げ、フェラーリ特集とした。ここに収めることのできなかったモデルは、次回以降の楽しみとさせていだだきたい。
サーキットとヒルクライム間を公道で結んだ長距離自動車レース、ツール・ド・フランス。そこで活躍したことから、フェラーリ250GTベルリネッタは、ツール・ド・フランス(TdF)の名で呼ばれるようになった。
この166スパイダーコルサは、草創期のワークス・フェラーリを語る上で欠かせない存在である。この車の生い立ちが、創業当時のフェラーリについて解き明かす小さなヒントになるかもしれない。
V12エンジンをミドに搭載した、センターステアリング3座席フェラーリ、365P。もしこの車が市販されていたら、スーパーカーの歴史はかなり違ったものになっていたかもしれない。
330GTSは数あるフェラーリの中にあって、高い人気に支えられてきたわけではない。しかし時を経て、いまや7桁の価格を誇るフェラーリの仲間入りをしている。
フェラーリが1971年に走らせたF1、312B2の第1号車たるシャシーナンバー"005"が最近公開された。ジャッキー・イクスが駆ったフェラーリF1がいま、美しいオリジナル状態を保ちつつ繊細にレストアされたのだ。
『Octane』がついにラ フェラーリを試乗。新たな跳ね馬の実力を体感することになった。このマシンは過去の高名なモデルの評価にどのような影響をもたらすのだろうか。
その姿を目の当たりにしたことがある者はひとにぎりに過ぎない。しかし、過激なスタイルを持つこのレーシングスポーツがなければ、名車"F40"も誕生しなかったかもしれないのだ。
数々のライバルが姿を消していく中で、ほぼ一世紀に渡って生き続けてきたカロッツェリア、ザガート。創立者ウーゴの孫にあたり経営者のアンドレア・ザガートが、星の数ほどある傑作の中から、あえて個人的なベスト10を決めた。
古い車やバイク、そして飛行機をレストアするスペシャリスト達が、一旦は放棄され忘れられていた、かつてのRAF爆撃機基地に集まって拠点を構えているという。それを聞いてOctane編集スタッフが放っておけるはずがない。
「金が入ったら、ばっちりレストアするんだ」 ジェームズ・ハントは、お茶のカップを胸に抱えながら、古びたメルセデス・ベンツのダッシュボードを見つめていた。それは彼の命が尽きる6カ月前のことだった…