気分はグッドウッド・リバイバル?異国の雰囲気が緩やかに漂う「SWAP & MEET IN 妙高」初開催

Jun NAGAO

さる2024年4月20日(土)-21日(日)にかけ、スキーやキャンプなどで知られる老舗リゾート地でもある妙高高原・赤倉スキー場エリアで開催されたイベントが「SWAP & MEET IN 妙高」だ。今回が初の開催となるこちらのイベントは、その名称からも分かるように「エントラント同士の車両の売り買い・交換自由」「レストア途中や要修理の不動車も参加OK」という大きな特徴を持つ。

欧米では古くから、老オーナーが愛車を次世代の若者に託す"バトンタッチの場"として、あるいはレストア趣味のレストアラーが、作業の終わった車を希望者に譲り自身は新たな"要レストア車を探す場"として、スワップ・ミートのイベントが有効に活用されているが、本イベントもそれに倣ったもの。もちろん売買や交換を目的としない一般の展示参加もOKで、愛車のお披露目や同好の士と親睦を深めるために参加したエントラントも多い。







このイベントの主催者「スワップアンドミートイン妙高 運営事務局」のキーパーソンである荻野夫妻は、実は長年ニュージーランド在住、つい2年ほど前までは現地でヒストリックカー趣味を楽しんでいたという"帰国子女"だ。英国連邦の一員でもあり、モータースポーツやヒストリックカー趣味も盛んな彼の地のイベントの自由闊達な雰囲気を、帰国した母国日本でも再現したいとの思いで企画したという。バカンスで滞在する家族全員で楽しめるようにと多くのキッチンカーや多様なフリーマーケット、さらには愛犬家のためのドッグランまで用意されたことに加え、地元のリゾートホテルで開催された前夜祭には、かの「料理の鉄人」フレンチの坂井宏行シェフも登場するなど、そのイベント全体の雰囲気は単なる旧車イベントを超えた華やかなもの。また、会場の雰囲気を盛り上げる「レトロファッションコンテスト賞」などのさまざまな賞典も設けられ、それらの企画もグッドウッドやル・マンなどのクラシック・イベントを思わせる。



そんな新たな形のイベントに、県内外のクラシックカー・クラブ、地元企業や行政、そしてニュージーランド観光協会(!)も賛同。オフシーズンのスキー場という立地で開催されたイベントの初回ということにもかかわらず、多くのエントラントと6500人以上の一般来場者で賑わう盛況振りであった。

もちろんイベントの目玉となる参加車両そのものも、他ではなかなか見られない貴重なモデルが数多く集まった。メインの会場には1925年のT型フォード・ピックアップロードスター、1930年のフォードA、1938年オースチン・セブンといった戦前のモデルから、あのミニマルヤマがエントリーした1950年クーパーT14、史上初の市販ミドシップ・スポーツカーとして知られるルネ・ボネ・ジェット、そして西海岸バギー・ムーブメントの主役とも言える1969年のメイヤーズ・マンクス・バギーなど、国籍やジャンルを問わないバラエティ豊かな顔ぶれの車たち。









また、車載車に積まれて会場入りした1968年のトヨタ・スポーツ800は、ボディだけ仕上げられたドンガラのレストア途上車。「作業を引き継いでくれる方がいたら、後を託したい」と語るオーナーと、興味を持ってその話を聞く来場者たちを見ていると、まさしくこのイベントの趣旨がそこに体現されているようだ。



こうして2日間の日程(前夜祭も含めると2泊3日)を無事終えた第1回「SWAP & MEET IN 妙高」。詳細は未定ながら、早くも秋には第2回の開催が検討されているという。詳細が分かり次第、octane.jpでも情報をお伝えする予定だ。


文・写真:長尾 循 Words and Photography: Jun NAGAO

長尾 循

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