140年の歴史を歩んできたコノリーの現代での挑戦│先導する2人にインタビュー

かつては英国製高級車にとってなくてはならない存在であったコノリーレザー。1878年に創業し、品質の良さを評価されトップクラスの地位を確立。独自のトリートメント方法で、コノリー特有の芳しさを放ち、風格溢れる空間を作りあげる重要なエッセンスであった。140年の歴史を持ち、現在は高級ライフスタイルブランドとして展開している。そんなコノリーを先導する2人の人物にインタビューする機会を得た。

ジョナサン・コノリー 変わりない現在のコノリー・ブラザーズ

日本一号店となる銀座並木通りの店舗オープンに合わせて、ジョナサン・コノリーが来日した。このインタビュアーにとっては、今はなきウィンブルドン工場以来ほぼ30年ぶりの再会となった。



30年という年月はお互いどんな変化があっても不思議のない時間だが、こと皮革の生産に関しては何の変わりもないことが確認できた。変わりがないとは、つまり生み出されるレザーそのものが、原皮の調達が主に北ヨーロッパであること、鞣しのプロセス、そしてプロパーラインアップの内容など、ほぼ当時のままだということで、プロダクションラインへの供給を止めことでによって、コストに対する要求などが緩和され、却ってレザーブランドとしてのクォリティが保てるようになったとのことであった。

素材の調達先を北ヨーロッパにする意味は、虫が少なく、また有刺鉄線を使わないので原皮の傷が少ないからである。現在も継承されるレザーのメインラインは"バーモル"。他にMGやマセラティなどそれぞれのメイク専用のレザーもあるが、ロールス・ロイスやベントレーについては、特別注文以外は昔からすべてこのベーシックラインを使用してきた。

ティム・コノリー引退後はコノリー家からはジョナサンと三男のベネディクトが現在のコノリー・ブラザースを守っており「"ブラザース"に変わりはないよ」と微笑んだ。

ブティックでのメイン商材となるファッションアイテムについては、流石にファーニッシングレザーが基本のコノリーレザーの出る幕は少ない。だが、コレクションの中でも、モーターレーシングをイメージするトラベルバッグ(グリップバッグ)などには前述のバーモルがそのまま使われて、コノリーレザーとかつての名車との緊密な関係が香る。またそれ用に、本革内装を持つ車の必需品であったことで有名なケアクリームの"ハイドフード"が店頭にある。しかし、残念ながら販売はしていない。 


バーモルレザーが使われた鮮やかなカラーのグリップバッグ(39万円 税別)

ファッションアイテムのテイストは無骨なブリティッシュ一点張りというよりも、軽くエレガントなイタリアンテイストをベースとした、いかにも昨今の高級車顧客の好みを反映している。

育ちからいっても、どちらかといえば「無骨なジョンブル」に近いジョナサンに、コノリーブランドを守る立場として商品開発、特に英国テイストについて助言などはしているのかを尋ねたところ、「その辺りには口を出していないんだ」と笑った。餅は餅屋の見識はさすがである。


このたび再上陸を果たしたあのカーシュー。プラダが取り扱いを正式に認めている店舗は日本ではコノリー銀座店だけ。 

ここまでファッションアイテムで成功を収めているコノリーではあるが、インタビューの最後に投げかけた質問、コノリー・ブラザース社は今でもタンナーという認識でよろしいですかとの問いに、コノリー社4代目を張るジョナサン・コノリーは胸を張ってYESと答えた。


文:小石原 耕作 写真:奥村純一 Words: Kosaku KOISHIHARA (Ursus Page Makers) Photography: Junichi OKUMURA

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