フェラーリのあるライフスタイルのために|Nicole Competizioneプレオウンドショールーム & サービスセンターが横浜港北にオープン

Kazumi OGATA

2024年2月にオープンした「Nicole Competizione プレオウンドショールーム & サービスセンター」は、総床面積4191㎡という広い建物に20台前後の認定中古車とレーシングフェラーリにも対応する最新の整備設備が用意されている。そして、プレオウンドとサービスセンターを併設したフェラーリ正規ディーラーとして日本で最も大きな規模を誇るこの施設には、実はもう一つ重要な役割があるようだ。

シルバーをベースとした外観に赤が映える。このシルバーの外板パネルさえフェラーリ指定のもの。



フェラーリの認定中古車販売とメンテナンス拠点を併設する「Nicole Competizione プレオウンドショールーム&サービスセンター」が、2024年2月20日(火)、横浜市都筑区の第三京浜と首都高速神奈川7号横浜北線の港北 IC出口の目の前にオープンした。総床面積4191㎡という広い建物にはプレオウンドカーやアプルーブドカーの展示台数13台、サービスワークベイ13台分、そしてメンテナンス入庫車両と展示前のプレオウンドカー合わせて46台超を保管できるスペースが確保されており、プレオウンドとサービスセンターを併設したフェラーリ正規ディーラーとして日本で最も大きな規模を誇る。

最新のフェラーリCIで徹底された最大規模の認定工場


その規模もさることながら、建物の外観はもちろん、内部の展示スペースや応接用のラウンジ、目に触れる機会は少ない整備スペースに至るまで、最新の認定フェラーリCIで徹底されている点もこの施設の特徴だ。プレミアムブランドのショールームにありがちなダーク系の内外観ではなく、外観はシルバー、内装は白をベースとして、ところどころに赤が効果的に使われているあたり、フェラーリはあくまでスポーツカーのブランドであり、イタリアのブランドであるという主張を感じる。

1階ショールーム受付のすぐ横にあるラグジュアリーなラウンジ。そのディスプレイは四季に応じて変更され、訪れるたびフェラーリの世界観の新しい発見、驚きを体験できるとしている。

節目の10年から始まるフェラーリとニコルの新たな一歩


Nicole Competizioneプレオウンドショールーム& サービスセンターは、その名でわかるようにBMWアルピナのインポーターとして知られるニコル・グループのフェラーリ部門「ニコル コンペティツィオーネ」が運営している。日本育ちでF2レーサーだったドイツ人、ニコ・ローレケ氏が 1977年にレース用パーツの輸入・販売からスタートさせたニコル・グループは、1983年に日本におけるアルピナの販売権を獲得、現在ではBMW、MINI、ロールス・ロイス、そしてフェラーリの正規代理店を、神奈川県内中心に20店舗展開するまでに成長した。2021年からはグローバルで自動車販売店を展開するアメリカのペンスキー・オートモーティブ・グループ(PAG)の一員となり、プレミアムブランド販売店網としての基盤をさらに固めつつある。

フェラーリとニコル・グループの歩みは、2014年2月にニコルコンペティツィオーネが開設した横浜みなとみらいの新車ショールームから始まった。この新車販売拠点は2023年10月に「Nicole Competizione横浜ショールーム」として、同じみなとみらい地区の中で移転オープンしたばかり。同社の中古車部門と整備拠点はこれまで同じ横浜市都筑区のもう少し港北ニュータウン寄りの場所にあったが、こちらも今回移転をしたことで、新車・中古車・メンテナンスの各部門が、10年という節目の年に揃って新たな一歩を踏み出したということになる。

フェラーリがニコルコンペティツィオーネへ寄せる期待の大きさは、2月20日のオープニングセレモニーにFerrari Japanの代表取締役社長ドナート A. ロマニエッロ氏が寄せた以下のスピーチからも窺い知ることができるだろう。

オープニングセレモニーでのテープカット式。右から2人目がニコル・グループ創業者のニコ・ローレケ氏、3人目がニコルコンペティツィオーネの代表職務執行者社長ミヒャエル・ヴィット氏、4人目がFerrari Japanの代表取締役社長ドナート A.ロマニエッロ氏。

「Nicole Competizione創業10周年と今回の新店舗オープンを祝し、長年にわたるパートナーシップに対する感謝の意をします。また、横浜エリアにフェラーリの文化をさらに広め、お客様にフェラーリのDNAをより身近に体験いただき、満足度を高めていただけることを願っています」

このロマニエッロ氏のスピーチにはNicole Competizioneプレオウンドショールーム&サービスセンターが担う、中古車販売と整備だけに止まらない重要な役割への示唆も含まれている。その役割については後述することにして、まずは中古車販売と整備について紹介しよう。

期待に応える20台前後のプレオウンドカー


建物の正面入り口に向かって右側はプレオウンドカー販売店としての施設が入っている。一番手前には新しいオーナーの門出を祝うためのデリバリーセレモニー専用コーナーがあり、大きな窓から光が差し込む明るい展示スペースには5台の認定フェラーリが展示されている。受付横の広いラウンジはフェラーリの指定に則ったイタリア製のソファーやテーブルが置かれ、壁に飾られたフェラーリの写真、効果的に配置されたパーツや本棚などのディスプレイと相まって趣味人の応接間のような雰囲気を作り出している。ちなみにディスプレイのいくつかは季節に応じて変更されるそうだ。

正面玄関すぐ横にはデリバリーセレモニー専用スペースも設置されている。

2階も1階同様に明るいショールームとなっていて、7台が展示可能なスペースが確保されている。奥の車両置き場にあるプレオウンドカーも含めると20台前後となり、東京近郊でフェラーリの認定中古車を探している人の期待に十分応えることができる台数といえるだろう。ちなみにプレオウンドカーのための車両置き場のコンクリート製の床には少々奇妙な点がある。コンクリがピカピカに磨き上げられ、まるで石でも貼ってあるかのような光沢を放っているのだ。実はこれも、この施設が持つ「もう一つの重要な役割」に対するヒントだ。

7台が展示可能な2階ショールームも1階同様とても明るい。

2階ショールーム奥にはショールームに展示しきれないプレオウンドカー置き場があり、その床はコンクリート製ながらピカピカに磨き上げられているのが印象的だ。

フェラーリ流とペンスキー流を取り入れたサービスセンター


整備を受け持つサービスセンターへは正面玄関左側のドアを開ける。こちらのガラス張りのサービスフロントもショールーム同様に明るさが印象的だ。オーナーはここで手続きを済ませ、愛車はスタッフによって2階にあるプレオウンドカー置き場とは反対側のパーキングエリアへと専用エレベーターで運ばれていく。

2階の大半を占めるパーキングエリアは、もちろん風雨とは無縁であり、車両へのダメージを配慮した消火装備が設置されるなど万が一の事態にも万全の構えだ。実際の点検や整備が行われるサービスベイ(メンテナンスブース)は1階のサービス受付スペースの奥にある。こちらもフェラーリの最新 CIが導入され、6機のリフトが設置されたベイには空調用のダクトが天井から伸びるなど、サービスクオリティのために作業環境への深い配慮がなされている。作業効率のみならず清潔さや景観にも配慮したことでオーナーが愛車のメンテナンス風景を見学することも可能になった。

整備待ち車両などの保管スペースとなる2階のガレージは46台超を収容できる。

フェラーリの最新CIに基づいた余裕と清潔感がある整備スペース。ダクトによる空調や作業動線などメカニックの作業環境にも配慮がなされている。

このサービスベイがユニークなのは、エアツール用の高圧エア供給ホース、電動工具のための電源ケーブル、リフト昇降用スイッチ、そして充填量がデジタルで指定できワンタッチで充填できるオイルチェンジャーホースなどが、ブラックで統一されたワークデスク横に設置されており、そこから水平方向に引き出す方式を採用している点だ。これらはニコル・グループが所属するペンスキーで実績のある配置とのこと。日本ではあまり馴染みのない方式だが、メカニックの何人かに話を聞いたところ、慣れれば作業効率の点で優れていると感じるそうだ。

テスター用のモニター、引き出しなどが整然と配置されたワークデスク周りはペンスキー流。右側に見える高圧エア、電源ケーブル、リフト用スイッチは水平方向に引き出す点がユニークだ。

同じく1階のショールームの奥にあたるエリアは、リフトのないフラットなサービスベイが3つあり、さらにフェラーリチャレンジカーなどのレーシングカー用のベイも設置されている。ここには精密なアライメント測定と調整、コーナーウェイト調整などが可能なハンターのレーザーを使った最新式の設備が用意され、スリックタイヤやサスペンションのいわゆる「ワンジー締め」などにも対応している。オーナーの希望があれば、ロードカーにもこの精密なアライメント調整サービスが提供される予定だ。

サービスセンターの1Fにある6つのリフト付きベイに加えて、ショールーム側1F奥にもフラットベイが3つ用意される。

レーシングカーレベルの精密なセッティングを可能とする「ホイールアライメント調整ベイ」はフェラーリチャレンジカーのセッティングのみならず、ロードカーでもオーナーの希望があればサービスを提供予定とのこと。

ホイールアライメント調整ベイにはハンターの最新式レーザーとスリックタイヤにも対応するターゲットが用意され、ドライブオン(タイヤを接地させた状態)でのアライメント測定と調整、コーナーウェイト測定などが高精度で可能。

都内からも横浜からも直結の素晴らしい立地


ここまでの紹介でNicole Competizioneプレオウンドショールーム & サービスセンターが提供する認定中古車販売と整備拠点としての素晴らしさは十分お伝えすることができたのではないだろうか。実際、プレオウンドマネージャーを務める鈴木氏によれば、すでに訪れた人たちからの反応も上々だそうだ。以前からのオーナーたちはその広さと充実したサービスベイに驚き、認定中古車目当てに訪れた人たちは最新のフェラーリCIによるショールームやラウンジに正規販売店の安心感を受け取っているように見えるという。

そんなNicole Competizioneプレオウンドショールーム & サービスセンターに期待されている「もう一つの重要な役割」とは何なのであろうか。その答えに対する最大のヒントがこの施設の立地だ。冒頭でも紹介したようにここは第三京浜と首都高速神奈川7号横浜北線の新しくなった港北IC出口の正面にある。鉄道でのアクセスは良好とはいえないものの、世田谷の環八と横浜中心部を直結する第三京浜に加えて、2020年3月に首都高横浜北線が湾岸線の大黒JCTから東名高速の横浜青葉ICまで全通したことで、港北ICの利便性は飛躍的に上がった。その証拠にIC周辺には以前からあったIKEA港北やららぽーと横浜などの大型ショッピングセンターに加えて、出来たばかりの真新しい物流倉庫がいくつも立ち並んでいる。

アクセスの良さと広いスペースを活かしたオーナーズイベントも検討


ニコル コンペティツィオーネは、都内からも横浜市内からもアクセスしやすい Nicole Competizioneプレオウンドショールーム & サービスセンターをベースにしたオーナーズイベントの開催を検討している。それが「もう一つの重要な役割」の答えである。広く明るいショールーム、余裕のある広いラウンジはもちろん、床がピカピカに輝いていたプレオウンドカー置き場なども、イベントでの使用が考慮された設計となっている。どのような内容のイベントになるかはまだ未定だが、2014年から横浜におけるフェラーリ文化の醸成に取り組んできたニコル・コンペティツィオーネらしい、「フェラーリのあるライフスタイル」や「フェラーリの DNAをより身近に体験し満足度を高める提案」が盛り込まれたものになるのは間違いないだろう。

ちなみにNicole Competizioneプレオウンドショールーム & サービスセンターは港北IC出口の正面ながら、中央分離帯があるために施設へは1ブロック分、2~3分ほどの迂回が必要だ。途中には信号も2つある。でも、それは第三京浜で熱くなった愛車のエンジンとドライバーの心をクールダウンするためにも、ドリンクホルダーから飲みかけのペットボトルを取り出したりETCカードを財布にしまうためにも、むしろ好都合ではないだろうか。


Nicole Competizione プレオウンドショールーム & サービスセンター
所在地:〒224-0044横浜市都筑区川向町2003-6
アクセス:第三京浜、首都高速神奈川7号横浜北線港北 IC出口すぐ
電話:
045-577-3817(プレオウンドショールーム)
045-577-3824(サービスセンター)
営業時間:
10:00~18:00(プレオウンドショールーム)
9:00~18:00(サービスセンター)
定休日:毎週水曜日および年末年始
URL:https://yokohama.ferraridealers.com/ja-JP/


文:馬弓良輔 写真:尾形和美 Words:Yoshisuke MAYUMI Photography:Kazumi OGATA

馬弓良輔

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