ダウンフォースで走る! 異次元の走りにライバルなし

ランボルギーニ・ミウラを生み出した親であるジャンパオロ・ダラーラから、「イタリアのヴァラーノ・サーキットを存分に走り、一緒にディナーを楽しみませんか?」という夢のような招待があなたの手元に届いたとしたら…。どんな重要なアポイントメントがあったとしても、万難を排して参加するだろう。

この夢のようなイベント「ダラーラストラダーレ・ドライビング・エクスペリエンス」に参加できるのは、ダラーラ・ストラダーレのオーナーに限定される。ダラーラ氏をはじめとして、ダラーラ社のスタッフ達が二日間に渡り総出で歓待してくれるのだ。
 


まずは座学から。ダラーラ社開発拠点の一つであるヴァラーノ・サーキットの特徴から入り、ダラーラ・ストラダーレの走りの特性を極めて理論的に解説してくれる。さらに、日本でもお馴染みのフォーミュラカー・ドライバーであり、このダラーラ・ストラダーレの開発ドライバーでもあるマルコ・アピチェラが、極めて実践的にコースの攻め方をレクチャーしてくれる。 
 
そして、早速コースへ移動する。「この車は普通のスポーツカーとは違います。今までの概念を一旦捨てて、私の指示に従って走ってください」とマルコ。855kgという超軽量ボディと徹底的な空力チューニングにより、信じられないようなダウンフォースを備えているのだ。通常より遙かにブレーキングポイントを遅らせても、何の問題もなくコーナーをクリアできるという異次元の体験が待っている。



"ダウンフォースで走る"プラクティスのために、リアスポイラーを外した状態からスタートし、少しずつ私たちの感覚を慣らしていく。マルコのレクチャーを受けヴァラーノのコースに少し慣れたところで続くのは、世界に2台しかないダラーラ製ドライビングシュミレーターの体験だ。インディやフォーミュラに参戦する限られたドライバーのみに使用が許されたものだが、ここでは参加者全員が体験できる。慣れない我々は終了してからも、しばらくの間はとんでもない車酔いに言葉を失った。


 
ダラーラ・ストラダーレのコンペティターは何だろうか?その答えはなかなか見つからない。ライトウェイトスポーツ、スーパースポーツ、そのどちらのカテゴリーにも属さない、まさにライバル不在のモデルとしか言いようがないのだ。
 
まず、シャシーや足回りは価格不相応に素晴らしい。"億"超えのスーパースポーツと同等以上のクオリティおよび、完璧な熟成が織り込まれている。スペック上では地味だが、ダラーラ製スーパーフォーミュラと同レベルの繊細なチューニングが施されており、ターボラグを全く感じさせない。エグゾーストノートは、やがて避けては通れないであろう騒音規制にも対応すべく、比較的控えめである。


 
そして走りは、ひとことで表すとユニーク。しなやかな足回りによるスムーズさに加え、高い工作精度によりきしみ音も皆無。キャビン内のデザインは実にシンプルだが、信じられないほど快適である。
 
また、サーキットの高速コーナーでは、そのスタビリティの高さから自分のドライビングスキルが素晴らしく上がったような安心感を味わうことができる。それだけではない。その卓越した空力設計によって、中速コーナーですらダウンフォースによるサポートを体感させられる。  

この"ダウンフォースを感じて走る"という新しい運転の楽しみを与えてくれるのが、まさにダラーラ・ストラダーレなのであった。


世界中のレーストラックで育んだ夢が現実に

「モータースポーツの世界で私たちは何とか成果を出せるようになりましたが、私にはひとつの夢がありました。そう、あのランボルギーニ・ミウラでやり残したことを現代の技術で解決し、理想のロードカーを作るということでした。忙しさにかまけて先送りにしていましたが、あるとき気が付いてみたら私も80歳になろうとしていました。今、やらなければ自分でその車を運転できなくなるかもしれない、これは今すぐにでも取り組まなければならないと思ったのです」と、ジャンパオロ・ダラーラは少しはにかみながら話してくれた。

このアイデアは、社内でも議論を繰り返されたというが、ダラーラの熱意を受けて2015 年に開発が始まった。600台限定生産モデルとして2017 年、ダラーラ81歳の誕生日にローンチされたもの。カーボンファイバー製バスタブシャーシを用い、ドアも存在しないスパルタンなモデルであるが、その製造クオリティは驚異的であると高い評価を得ている。



問 株式会社アトランティックカーズ 麻布台ショールーム
東京都港区麻布台3-5-5 TEL:03-3583-8611 
http://atlantic-c.jp/dallara-stradale/ 141

文・写真:越湖信一 協力:ダラーラ Words & Photograpy:Shinichi EKKO in corporation with Dallara

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