すべてを知り尽くして辿り着く BMW ALPINA B3 LIMOUSINE

電子制御アクティブLSDを標準装備。特に横G が大きく掛かるコーナリング時にドラ イビング・ダイナミクスが向上する。コーナー出口でダイナミックに加速でき、コーナーで4輪駆動でありながら、まるで後輪駆動のような走りを体感できる。

BMW3シリーズをベースに進化したアルピナB3は、最高出力は340kW(462ps)、最大トルク700Nmという圧倒的な性能を誇る驚異的な車である。巡航最高速度は303km/hにも達するが、まったくもってジャジャ馬ではなく、むしろ扱いやすい。実際に乗ってみると、「完成した大人の車」の姿が見えてきた。

京都には美味しい料理を食べさせてくれるお店がたくさんある。2泊や3泊の観光旅行では廻りきれない。お肉、お蕎麦、中国料理、おでん、お豆腐、おばんざい、もちろん和食もバラエティに富んでいる。夏は床(ゆか)でいい景色の中で夕涼みしながら食事をしたり、五山送り火もあるし、春の「都をどり」ではご贔屓の芸妓さん舞妓さんを応援するために席を取る。お茶屋さんは舞妓さん芸妓さんを連れてお酒を楽しむが、食事は外から取っていただくという京都ならではのしきたりだ。
 
京都の文化は食だけでなく遊びもあり奥が深い。こうして散々楽しんだ最後に行き着くのは、京都の山奥の花脊に行って摘み草料理を食べるという究極のお楽しみだ。BMWアルピナは、すべてを知り尽くした人が最後に行き着く摘み草料理といってもいい。贅を尽くした材料を集め、腕のいい板前さんが心を込めて創る料理なのだ。 

BMW3シリーズをベースにしたアルピナB3は直列6気筒3リッター ビターボ(2つのターボ)を搭載する。シリンダーブロックは新型M3、M4と同じ剛性の高いS58型を用いる。最高出力は340kW(462ps )/ 5500-7000rpm 、最大トルクは700Nm/2500-4500rpmを誇る。そして2000-7000rpmという広い回転域で450Nm以上を発揮できるのは驚異的だ。450NmというのはV型8気筒4.5リッターのNA エンジンの最大トルク、700NmはV型12気筒7リッターエンジンの最大トルクだ。

フロント・スポイラーのセンターにあるALPINA のロゴはデカールではなく立体ロゴである。微細にわたり造りの良さがあふれ出している。このアルピナ・グリーンとアルピナ・ブルーは、BMW ALPINAモデルだけの専用カラーである。

 
これだけのトルクを受け止めるのはZFの8段ATとALLRAD(4WD)である。0-100km/h 加速は3.8秒、巡航最高速度は303km/hである。単なる最高速度ではなく巡航というところが尋常ではない。250km/hでリミッターを効かせないのは、アルピナのオーナーは理性があるのでお任せするという意味がある。
 
フロアマットやシートバックレストにあるメタル製エンブレム。またドアシルプレートや、センターに用意されるシリアルナンバーが刻印されたプロダクションプレートが、アルピナのオーセンティックなモノ作りを醸し出す。

こういうと、このハイパフォーマンスを操るのは難しそうだ、相当なジャジャ馬なのかと思ってしまうが、実はとても扱いやすい車なのだ。アクセルペダルを踏み込んでいくとゲインは高くなく、拍子抜けするくらいだ。つまりアクセルペダルを踏み込んでいくに従い加速力が増す。少し踏み込むとゆっくり加速、そこからさらに踏み込むと加速力が増す。かなり加速していてももっと踏み込むともっと加速力が増えるところがアルピナなのだ。エンジン回転は低回転から中回転、高回転域まで滑らかそのもの。直列6気筒の動的な完全バランスが取れているからだけでなく、回転が上昇するに従い、ますます振動が減っていくような感触なのだ。それに多少の吸気音も混じるだろうし、さらにエキゾーストノートも加わって、車好きには音楽を聴いているようだ。
 

文:菰田潔 写真:高柳健 Words:Kiyoshi KOMODA Photography:Ken TAKAYANAGI

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