35台の車両は歴史の生き証人|ベントレーのヘリテージコレクションがさらに充実

Bentley Motors

イギリス・グッドウッドで第79回グッドウッド・メンバーズ・ミーティングが2022年4月9日~10日に開催される。グッドウッド・メンバーズ・ミーティングは、1950年代から1960年代にかけてグッドウッドで開催されたオリジナルのBARCメンバーズ・ミーティングの空気感と友情を再現することを目的とした、壮大なモーターレースだ。

ベントレーモーターズがこのイベントのオフィシャルオートモーティブパートナーになることが発表された。このイベントをサポートするにあたり、ベントレーは1929年から2019年までの90年にわたるベントレーの歴史を象徴する10台の車両を展示する。

ベントレーはヘリテージコレクションとして現在35台を所蔵している。そのうち6台は新たに追加されたもので、1929年式スピードシックスから2001年式アルナージ・レッドレーベルまでの以下の車両である。

1929年式スピードシックス
戦前のベントレーを代表する車のひとつ。6½リッターの高性能バージョンであるスピードシックスは、1929年と1930年のル・マンでウルフ・バーナート、ヘンリー・ティム・バーキン卿、グレン・キッドソンの手により、ベントレーで最も成功したレーシングカーとなった。ベントレーが所有するGU 409は、もともとW.F.ワトソンのために製作されたもので、ヴィクター・ブルームによってウェイマン・サルーンのボディが取り付けられ、1929年9月に納車されたもの。

1949年式マークVI
1946年5月、戦後初めてクルーで生産された新しい市販車モデルが発表され、「マークVI」と命名された。独立したフロントサスペンションと既存の4½リッター直6エンジンを搭載したマークVIは、1946年から1952年の間に5,000台が生産され、瞬く間にベントレーの中で最も販売台数の多いモデルとなった。生産から73年を経たこのマークVI(AGO 2)は、グリーンとブラックのツートンカラーに彩られたH.J. マリナーのボディをもち、1930年代の有名なエンビリコスやマークVコーニッシュと1952年のアイコニックなRタイプコンチネンタルのデザインをつなぐ重要なモデルとなっている。

1963年式S3 スタンダード・サルーン
1955年、Rタイプを抜本的に改良し、分離されたシャシー、直6エンジン、工場生産されたボディを持つSタイプが登場した。当時、標準的な工場生産ボディのSタイプサルーンの価格は3,295ポンド(現在の平均年収の10倍に相当)。Sタイプは1955年から1965年にかけて、3度の改良がおこなわれている。第2世代(S2)では、新しいV8が導入され、パワーステアリングを標準装備、マニュアル・トランスミッションが廃止された。最終世代はS2と非常によく似ているが、エクステリアで最も目につく違いは、4つのヘッドランプのレイアウトである。今回、ベントレーのヘリテージコレクションに加わるのは、サルーンの中で最も美しいと評価されている1963年式S3スタンダード・サルーン。ガーネットで塗装され176FGHとして登録された。

1984年式コンチネンタル
1984年のベントレー・コンチネンタルは、1960年代に導入されたTシリーズをベースに作られたモデル。新しいモデルであるA455 YGJは、ベントレーの歴史の中で最も販売台数が少なく、困難な時期であったことを示している。しかしながら、この車はベントレーの価値観を体現するモデルであり、今回コレクションに追加された車両は当時の会長が社用車として使用していたそのものの個体である。

1991年式ターボR
1990年代初頭、ミュルザンヌ・ターボの成功により、ベントレーの人気が高まった。ターボチャージャーによってベントレーは性能の優位性を取り戻し、世界で最も速く、最も快適で、最も豪華なセダンとなったのである。ミュルザンヌ・ターボの成功を受け、パワーとシャシーの剛性を高めつつ、豪華さと品質に妥協のないターボR(Rはロードホールディングの意)が誕生した。

2001年式アルナージ・レッドレーベル
1998年、ベントレーがフォルクスワーゲングループに買収された際、最初に着手されたのはベントレー・アルナージの4.4リッターV8エンジンを、2ドアのコンチネンタルの巨大な6¾リッターV8エンジンと置き換えることだった。これにより誕生したアルナージ・レッドレーベルは、1999年のフランクフルトモーターショーでデビューし、最大トルク835Nmとい比類のないトルクを発揮。このエンジンの搭載に伴い、フロントサスペンションの設計変更、ブレーキの大型化、ボディ剛性の向上が図られた。ファイヤーグローレッドで仕上げられたY662 SEOは、ベントレーの歴史におけるターニングポイントの1つを表している。

これらの車両が今回新たに追加されたことにより、ヘリテージコレクションではベントレーのあらゆる年代の重要なモデルを網羅したことになる。クリックルウッド、ダービー、クルーで生産された35台の車両を通して、ベントレーの歴史を辿ることが可能となった。

ベントレーのヘリテージコレクションの責任者であるマイク・セイヤーは次のようにコメントしている。

「ベントレーは、ビヨンド100戦略の一環として、102年の歴史の中で最大かつ最速の変革期を迎えています。ブランドが新たな方向性を定めるにあたり、これまでの歩みと今日のベントレーがどこから来たのかを示すことが極めて重要です。拡張されたヘリテージコレクションは、ベントレーの長い歴史の各章をドライブできる形で提供することで、その過程において重要な役割を果たすことでしょう。今後数カ月の間に、新しい車たちを従業員やお客様、ビジター、メディアの方々と共有できることをとても楽しみにしています」

ヘリテージコレクションの35台の車両はすべて整備され、公道走行が可能だという。まさに「ベントレーの夢のおもちゃ箱」がここに完成したのだ。

オクタン日本版編集部

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