2017年6月26日、レクサスは同ブランドのフラッグシップセダン、新型「LS」を日本で初めてお披露目。今年の秋から販売を開始する。
1989年に誕生した初代レクサスLSは「高級車の新たな基準を創った」とまで言われた、革新的な車だった。チーフエンジニアの鈴木一郎は「過酷な環境下でも超一級のパフォーマンスを長く堅持し続けられるクルマを」という信念のもと、ひたすらプロトタイプをつくっては壊すことを繰り返した。大量の遮音材を使って騒音を防ぐことをよしとせず、「騒音は元から断つ」という源流主義を徹底して貫き通した結果、「かつてない静粛性と滑らかさ」と評されたエンジンの開発に成功。それまで日本車の入る余地は無いとまでいわれていた高級車市場に一石を投じた。
今回日本でもお披露目された新型LSは、初代から数えると5代目にあたる。滑らかでパワフルな走りや、圧倒的な静粛性・快適性など、初代LSのDNAには、より磨きが加えられている。
クーペを彷彿とさせる彫刻的なシルエットを実現しつつも、高級車としての十分な居住性も両立している。このスタイリングは、新開発された「GA-L」と呼ばれる低重心プラットフォームの採用により実現した。
前席は、上部を水平基調のインストルメントパネル・ドアトリムで広がり感のある構成とし、下部は厚みのあるソフトなコンソール・アームレストにより、心地よい安心感を創出。上下で異なる空間構成とすることで、広がり感と安心感を両立した空間を実現している。また、運転席にはドライバーの体格を問わず高いホールド性を確保しながら、長時間座っていても快適であることを目指し、骨盤、大腿部、背中から肩、脇にかけて最適なサポート位置をきめ細かく設定できるシートを採用。さらに、エアブラダ(空気袋)により背中から大腿部にかけて押圧するリフレッシュ機能も付与している。
インテリアの装飾もユニークだ。折り紙にヒントを得て、匠の手作業でL字形の独特なプリーツ上の折り目をつけたドアトリムや、切子細工をモチーフにした強化ガラス製ドアトリムオーナメントなどにより、日本の伝統技術と最新の生産技術が融合した独創的な空間を生み出している。
後席は、人を包み込む連続性のある空間を目指し、ドアトリムやシートバックがシームレスにつながるデザインが採用されている。また、シートにはタッチパネルでヒーターやリフレッシュ機能を設定できるオットマン付きパワーシートを採用し、クラストップレベルのレッグスペースによる開放感と合わせ、くつろぎの空間を提供する。
パワートレインは、最高出力421ps、最大トルク61kgmを発揮する、新開発V型6気筒3.5Lツインターボエンジン。優れた静粛性と、フラットなトルク特性を活かした爽快な加速フィーリングを魅力とする。トランスミッションは10段ATが組み合わされ、優れた環境性能や快適性と切れ味の良い変速を高次元で両立した。また、ガソリンエンジンに加え「マルチステージハイブリッドシステム」と呼ばれる次世代ハイブリッドモデルもラインナップされる。
また、今回のフルモデルチェンジでは、新時代を切り拓くフラッグシップとして、世界トップの安全性を目指して、先進の予防安全技術「Lexus Safety System + A」を導入している。プリクラッシュセーフティは、従来の警報、ブレーキアシスト、自動ブレーキによる衝突回避支援に加え、世界初となる、歩行者の存在する方向を表示する歩行者注意喚起、ブレーキ制御に加え自動で操舵を制御するアクティブ操舵回避支援を装備。新たに自転車の検知や夜間の歩行者検知を可能としたほか、自動ブレーキの減速性能も向上した。レーダークルーズコントロール、レーントレーシングアシストの基本機能に、レーンチェンジアシストを加えた高度運転支援技術「Lexus CoDrive」も採用。より快適な運転を実現した。また、ドライバーの異常を感知して停車支援を行うシステムも装備。新型LSの開発を担ったトヨタ先進技術開発カンパニーの伊勢氏は「世界で一番安全な車を目指した」と述べつつ、LSに採用した安全技術を2020年までに全てのトヨタ車に導入していく方針を明らかにした。
新型LSは2017年の秋頃に発売される予定で、まだ価格などは明らかになっていない。詳細が分かり次第、続報をお伝えしよう。
LEXUS公式ページ:http://lexus.jp/
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