サロンコンサートでのひととき|ORI Heritage CenterのClassic Music & Car Salon

ORI “Osato Research Institute”

緑や薔薇が輝く季節をむかえた大里研究所ORI Heritage Center。芸術家やプロアスリートに学術関係者、そして海外からの旧知など、時に集う



春の訪れとともに、ORI Heritage Centerではピアニスト川口成彦さんを招いてピアノサロンコンサートが開かれた。川口さんは東京藝術大学およびオランダ・アムステルダム音楽院・古楽科修士課程を修了し、2018年に初開催されたショパン国際ピリオド楽器コンクールにて準優勝に輝いた、世界的にも注目されているピアニスト。現在は、アムステルダムを拠点に世界中で活躍している。



世界的ピアニストである川口成彦さんの話口調はとてもおだやかでやさしいが、演奏は時に激しくダイナミックであった。フランス製ピアノの歴史は1777年にセバスティアン・エラールが最初のスクエアピアノを作ったことに始まる。さらにエラールは1796年にパリで最初のグランドピアノを製作。1855年にはパリの万国博覧会で金賞を受賞した。ORIヘリテージセンターにあるエラールは現代ピアノの交差弦ではなく、弦が交わらない平行弦という特徴があり、各音域がそれぞれの音色をクリアに保つことができるという。

川口さんは、ORI Heritage Centerにある1909年フランス製ピアノ・エラールを過去に演奏し、再会を長いこと望んでいたこともあり、今回彼の訪日に合わせての実現となった。フランスの代表的なピアノメーカー、1780年創業のエラール社は、現代ピアノのような交差弦ではなく、昔ながらの平行弦が使われているのが特徴で、弦が交わらないことにより、それぞれの音色をとても繊細かつクリアに奏でることができる。しかし、ピリオド楽器は、構造的に華奢と言われ、コンサートで演奏できるピアノは少ないのだが、19世紀から時を歩むエラールの優しい音色は、20世紀製造であってもフォルテピアノに分類されていいのではと、川口さんの理解であった。

サロンコンサートは、バッハ、グリークを経てショパンでエンディングを迎える川口さんらしいプログラムであった。演奏後には、戦前車アストンマーティンに同乗し、約100年前の楽器の音色とともにクラシックカーの音色も楽しんでもらった。

今回はサロンコンサートゆえ、4名のゲストがこの「時の音色」を囲んだ。ゲストを代表して、東京大学先端科学技術研究センター・先端アートデザイン分野特任教授でもあり、東京フィルハーモニー交響楽団コンサートマスター近藤薫さんに今回の感想をいただいた。



東京フィルハーモニー交響楽団コンサートマスター近藤薫さんは、アンティークピアノとクラシックカー体験を「過去から未来を眺める万華鏡」と表現した。

近藤氏:「大里研究所理事長の林幸泰氏のサロンで、アンティークピアノのコンサートを聴き、その後クラシックカーに乗せていただくと言う稀有な体験をした。それは過去から未来を眺める万華鏡のような時間だった。

アンティークピアノは、現代のピアノがもつ力強さや平均化された安定性はないが、非常に繊細な音色と未完性さ、そして経年することでのみ得られる慈しみある不揃いさが、むしろ人間的なぬくもりを想起させた。クラシックカーもまた、その独特なエンジン音、メーターの所作、固めのシートの心地よさが、やはり人間的な何か(それは生命力と言えるかもしれない)を感じさせてくれた。

私たちが美しい未来を共創していくためには、美しい体験、意識の共有が必要だ。アンティークピアノやクラシックカーのような過去から大切に紡がれてきたものたちは、そのための大きな助けになるだろう。これをまさしく“文化”と言うのだ。」


さて、薔薇が咲き誇る5月18日には、イギリスから20年来の友でもあるImmun'Âge®Ambassador の訪問があった。アストンマーティンのファクトリードライバーとして、ル・マン24時間レースでのクラス優勝3回の経歴を持つレジェンドドライバー、Darren Turnerである。現在も現役ドライバーながらアストンマーティンの開発ドライバーとしても活躍している。今まで大里研究所へは2 度ほど訪問してくれているが、ORI Heritage Centerへは初めて。彼が開発したレーシングシミュレーターAMR-C01によるSilverstone Circuitでのドライブレッスンを受けた。



そもそも大里研究所がモータースポーツにたずさわったのはパパイヤ発酵食品Immun'Âge® の実証の場として身体に過酷な耐久レースを選んだからだ。メインドライバーであったダレン・ターナー選手とは家族同然の付き合いである。このレーシングシミュレーターAMR-C01の開発も彼が行ったものだ。

滞在中には、ORI Wine Projectのワイナリーとその活動コンセプトをレクチャー。Land Rover Defenderをワークホースとして作業するシニアのクールな夢プロジェクトにDarren自身も社会やヒトに還元する熱意を理解し、興味が大いに湧いたようだった。

大里研究所の社会貢献活動「ORI Wine Project」のブドウ栽培をダレン・ターナー選手に案内する林理事長。

大里研究所
www.ori-japan.com
Tel:0585-34-3830

文、写真:大里研究所 Words and Photography:ORI “Osato Research Institute”

オクタン日本版編集部

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