太陽光発電でつくられたアルミニウムも!BMWが取り組むサスティナビリティ

BMW

昨今、企業におけるSDGsへの取り組みに対し注目が高まっている。自動車業界でも度々取りざたされている話題であり、BMWはサスティナビリティおよび先端テクノロジーへの取り組みに関する説明会を開いた。この説明会には、国際モータージャーナリストの清水和夫氏、ヨコハマSDGsデザインセンター長を務める信時正人氏、BMWジャパン広報部部長佐藤毅氏が登壇した。



BMW広報部部長の佐藤氏は、BMWが運転していて楽しい商品を提供しつつ、サスティナビリティを実現していくこと、活動に取り組むだけでなく、BMW自身がサスティナブルになるためのこれまでの取り組み、今後についてを述べた。

BMWは、1972年から既に電気自動車を開発しており、この車両は同年に開催されたミュンヘンオリンピックでマラソン車として利用されている。1973年には自動車業界初となる環境保全担当を社内で設置し、早い段階で車両のリサイクルへの取り組みをしてきた。決してここ数年のサスティナブルへの関心の高まりを受けて動き出したわけではないという。2000年には水素エンジンを搭載したHydrogen 7を発表、2007年からは「よりクリーンに、よりパワーを。」を意味するエフィシェントダイナミクスを掲げ、走りを研ぎ澄ませながら燃費も向上させ、車として楽しめるものを根底に掲げた車づくりを心掛けている。2013年に電気自動車のBMWiブランドを発表、2020年からは決算報告書にサスティナビリティレポートを取り入れており、2030年までに再考、削減、再利用、リサイクルの4つのキーワードを中心に据え、2億トンのCO2削減、同年から全車種電動化を図っていく予定だ。直近では、電気自動車であるiXの導入が正式に決定しており、現行モデルのX3をベースにしたiX3(X3はすべてのパワートレインを揃える初の車種となる)、電動グランクーペi4の情報も公開されるという。

BMWでは、車づくりにおいて欠かせない工場についてもサスティナブルに寄与した興味深い取り組みをしている。現在保有している製造工場に関しては風力発電、水力発電など100%グリーンエナジーを利用しており、製造工程での効率向上でCO2の排出削減を図っている。南アフリカのロスリン工場では牛のフンをバイオで分解することで電気を生み出しており、工場の約31%の電力を賄っているという。ドイツのライプツィヒ工場では養蜂場を有しており、およそ150万匹の蜂が飼われている。花粉媒介者である蜂を保護することで、工場建設に伴う農業や自然環境への悪影響を抑えるための取り組みだ。

また、BMWは、アラブ首長国連邦のアルミニウム大手であるEGA(エミレーツ・グローバル・アルミニウム)がドバイ郊外の砂漠にあるモハメッドビンラシッドアルマクトゥームソーラーパークという広大な太陽光発電所の電力で生産するアルミニウムを供給しており、BMWの製品に利用している。



清水和夫氏はEV化に関して、急速充電や代替燃料のインフラを整えていく必要性や自動運転技術の現状について説明した。ゼロエミッションゼロクラッシュの実現は、自動車メーカーによってそれぞれ事業モデルが違うため険しい道のりになっていくことを述べた。また、位置エネルギーを動力に変える回生機能、床下にバッテリーを積みむことで低重心化したハンドリングの向上など、ガソリン車では到達できない領域に手が届くEVの明るい側面も語った。

ヨコハマSDGsデザインセンター長の信時正人氏は、横浜市におけるSDGsの取り組みを語る上で、国際会議でのコペンハーゲン市長の「自分たちは温暖化対策ではなく、それを通して市民に選ばれる街になる。」という言葉を紹介した。横浜市では、小学校の給食で使った油を精製してバスの燃料に再利用することや、旭区若葉台団地におけるオンデマンドバスの運行実証実験を2年前から行っている。これらの活動を通して高齢者の移動に始まり、地域経済への貢献、環境保全にもプラスな循環が生まれたという。

EVは走行時に排気ガスを出さないゆえにクリーンかといえば決してそうではない。各自動車メーカーにとっては、製造工程やサプライチェーンにおけるCO2の排出量をいかに減らしていけるかが重要だ。BMWといえば、ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・インデックスの評価において自動車セクターで1位となり、世界で最も持続可能性の高い自動車メーカーに選ばれたことも記憶に新しい。今回のトークディスカッションでは、BMWのサスティナブルへの取り組みだけでなく、EVや自動運転技術が普及していく上での課題が、街づくりの観点からも浮き彫りになって見えた。到来する新しい時代の受け皿を用意するために、私たち一人一人が当事者意識をもって考えていかなければならない。

オクタン日本版編集部

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