天才時計師と呼ばれたアブラアン-ルイ・ブレゲ。その偉大な遺産を受け継ぐ時計ブランドが「ブレゲ」から、幾多の時計機構を生み出してきた初代に敬意を払った、独創的かつ画期的なクロノグラフが登場した。
数ある時計機構の中でも、"時を操る"というメカニカルな魅力をもった「クロノグラフ」の人気は高い。天才時計師ブレゲはこの機構の考案者であり、時刻表示とは別に動く秒針を使って時間を計測し、さらには中間タイムも計測できる「二重秒針付き、観測用クロノメーター」という懐中時計を1820年に完成させている。
しかし計測機器としてのクロノグラフが大きく発展したのは、モータリゼーションの盛り上がりがきっかけだった。自動車黎明期は正確なメーターが存在しなかったため、オーナーはダッシュボードにクロノグラフを取り付けて走行時間を計測することで、燃料残量や速度を判断したのだった。
その後の時計技術の進化によって、クロノグラフは極々一般的な機構となったが、だからこそブレゲは進化を目指した。「トラディションインディペンデント クロノグラフ 7077」は、時計のエンジンたるムーブメントの中に、完全に独立したクロノグラフ用のメカニズムを組み込んだ。しかもその動力源はブレード状のスプリングで、針のリセットボタンを操作した際に押し込んで力を貯める。この機構のおかげで、クロノグラフ計測時も時計の精度に影響を与えることはなくなった。これは大きな進化だ。
既存の機構を未来へと進化させるのが、名門ブランド「ブレゲ」に課せられた責任。それは、初代ブレゲから伝わる伝統なのである。
Tradition Independent Chronograph 7077
トラディション インディペンデント クロノグラフ 7077
12時位置に時刻表示を移動させ、空いたスペースでメカニズムを見せるレイアウトは、初代ブレゲが懐中時計で用いたスタイルを腕時計で再現したもの。時刻用のテンワとクロノグラフ用のテンワが、綺麗に並列している。
手巻き、18KWGケース、ケース径44㎜、3気圧防水、55時間パワーリザーブ。863万円(税抜)
文:篠田哲生 Words:Tetsuo SHINODA
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