「私たちの車は『ホイールの上にある夢』なのです」Lamborghini Day Japan 2022で感じたランボルギーニのパワー

Lamborghini

日本全国のオーナーが集うランボルギーニデイが今年も開催された。ウルスペルフォルマンテのジャパンプレミアやパレードラン、パーティーなど魅力的なコンテンツがたっぷり詰め込まれた2022年のイベントには、3年ぶりに本国からステファン・ヴィンケルマン氏も来日。活力に満ちた同ブランドの勢いを体感できる祭典であった。



「日本へ来ることができて何よりうれしいね。ランボルギーニの日本の仲間に会うことができるのだから。なんと言っても2019年以来だからね」サンタアガタからやってきたランボルギーニのトップ、ステファン・ヴィンケルマンは微笑む。

元気いっぱいのヴィンケルマン氏。カンファレンスにおける質疑応答では、フランクにランボルギーニの環境問題への対応に対するコメントを返してくれた。

2022年11月11日、臨海地区の有明ガーデンにおいてランボルギーニデイジャパン2022はスタートした。メインとなる海の森水上競技場に設けられた特設会場へ向けて大規模なパレードランがおこなわれ、そのメイン会場ではウルスペルフォルマンテのジャパンプレミアとともにオーナーイブニングパーティがおこなわれた。昨年は広大な会場ながらも、コロナ禍への対策でごく限られた人数しか参加が許されず、ヴィンケルマン含む本国からの参加も叶わなかったランボルギーニデイだが、今年は多くの参加者に溢れ、大きな熱気を感じることができた。

日本初公開のウルス ペルフォルマンテ


ジャパンプレミアとしてエントラントの前に姿を現したウルスペルフォルマンテは好評なランボルギーニのSUVウルスのハイパフォーマンス仕様だ。ウルスは発売後5年を迎え、よりパワフルなドライブトレインを採用し、各部をブラッシュアップした後継モデルとしてこのペルフォルマンテとSの2モデルをラインナップした。Sが従来のモデルにより近いオールマイティなモデルであり、今回登場したペルフォルマンテは空力特性やパワートレインの放熱など、よりスポーティなドライビングに向けて最適化したキャラクターを持つ。カーボンファイバー・パーツを多用したアグレッシブなエクステリアはこれまでのウルスとは一味異なったテイストを魅せてくれたが、そのスタイリッシュなプロポーションは健在だ。

ウルスペルフォルマンテを囲んで、左からRegion Director for Asia Pacificフランチェスコ・スカルダオーニ、Head of Japanダビデ・スフレコラ、Chairman and CEOステファン・ヴィンケルマン、Chief Marketing and Sales Officerフェデリコ・フォスキーニといったエグゼクティブ達が勢揃い。

「フロントエンドの新たな造形がランボルギーニの最新スポーツモデルとのシナジーを高め、アヴェンタドールSVJからインスピレーションを得たリアスポイラーの装着でダウンフォースが38%増加します」とヴィンケルマン。インテリアにもヘキサゴンのモチーフを採用した新しい“ペルフォルマンテ・トリム”が採用され、HMIも専用タイプが用意された。

ランボルギーニは2024年に向けて“コル・タウリ”という脱炭素化へ向けての戦略を発表している。それによれば、今年が内燃機関エンジン搭載モデルのラストイヤーとなる。アヴェンタドールが生産終了し、先日発表された“ウラカンステラート”がまさに打ち止めの一台だ。来年からハイブリッドエンジン搭載モデルのリリースが始まり、2024年にはすべてのモデルがハイブリッド化される。このウルス・ファミリーにおいても順次、ハイブリッドエンジン搭載モデルへと移行することになる。

全国から約180台のランボルギーニが集う


ランボルギーニデイに向けて日本全国からバリエーションに富んだ各モデルが集まってきた。その数およそ180台。シアンFKP37やチェンテナリオといったレアな限定モデル、もちろんニュークンタッチ(カウンタック)LPI 800-4の姿も見ることができる。

今回は350GTなどのごく初期のモデルの参加は見られなかったのは少々寂しかった。クラシックモデルとしてはなんと言ってもカウンタックが目立った。様々な年代のおよそ20台の美しい個体が集まったのは素晴らしい。もちろん、カウンタックの後継モデルであるディアブロの姿も見ることができた。このイベントは各ディーラーからの招待制となっており、クラシックモデルに関しても同様に、主に過去のオフィシャル・イベントへ参加したオーナーが招待されたようだ。

かなりの距離を自走で参加したカウンタックオーナーも。どの個体もしっかりとメインテナンスが行われ、そのクオリティは素晴らしかった。

17時にヴィンケルマンの挨拶によりランボルギーニデイはスタートした。有明ガーデンをスタートした車両は都心部を目指し、その大連隊が東京のど真ん中を進んで行く。金曜日の夜ということもあり、かなりの渋滞にはまってしまい、キャブレター V12モデルなどにとってはかなり過酷だったかもしれない。しかし、街道を囲むギャラリーにとっては素晴らしいサプライズであっただろう。勝鬨橋を渡り銀座を経由して、無事に目的地である海の森水上競技場に到着し、各車両は海辺の会場に整然と並んだ。この東京オリンピックに向けて整備されたファシリティにおけるイベント開催はグッドアイデアだ。

会場のエントランスではLM002が出迎えてくれた。そう、まさにランボルギーニSUVのDNAたる重要なモデルだ。併せてアヴェンタドール LP780-4ウルティメ、ウラカンSTOが並び、エントラントの気分を盛り上げてくれるのだ。



テント内にはDJブースが設けられ、ケータリングサービスが用意されていた。皆は仲間との歓談と共に展示された希少なモデルを堪能することができた。ランボルギーニ・ポロストリコによる完全なレストレーションがなされたミウラSVやシアンFKP37、LPI 800-4そしてドゥカティ「ディアベル ランボルギーニ」どの展示も私達の目を楽しませてくれる。会場は600名を超えるランボルギーニオーナー達の熱気に溢れていたのだった。

ミウラSVは日本に長く生息し、ランボルギーニ本社お墨付きの世界的に希少な一台。伝説の“イオタ”へのオマージュモデルだ。



そんな宴もたけなわの中で和太鼓のパフォーマンスに続いてウルスペルフォルマンテがアンヴェイルされたのだった。最後はトリコローレの花火と共にランボルギーニデイは閉会となった。



「ランボルギーニデイジャパン2022は大成功を収めました。私たちにとって最大の喜びはランボルギーニに対する情熱が皆同じであることを実感できたことです。私たちの車は、"ホイールの上にある夢"なのです。何世代にもわたって、子供も大人も、ランボルギーニのデザイン、パフォーマンス、エモーションに引き付けられるのです。この夢は生き続け何世代にもわたって続くことでしょう。私はこの夢を実現させてくれた日本のランボルギーニのオーナーとファンの皆さんに深く感謝したいと思います」とランボルギーニの日本代表であるダビデ・スフレコラはコメントした。

業績好調なランボルギーニのこれから


ランボルギーニの業績もきわめて良好だ。2022年1-9月の総販売台数は7430台であり前年同期比 8%増であり、売り上げ台数は同じく30.1%増。日本市場においても販売台数で+26%の数字がそれを物語る。さらにバックオーダーも1年半程度抱えており、将来的な見通しも明るいようだ。その中でもウルスは重要な位置を占める。年間生産台数の6割ほどをこのウルスが占め、その多くが新規のランボルギーニオーナーであるという。ウルスの登場によって新規のランボルギーニファンを獲得し、彼らがよりハイパフォーマンスなランボルギーニのスポーツモデルを購入する、というマーケティング・プランが展開されているわけだ。新たな生産設備へ投資し、新規顧客へ比較的量販をおこない、顧客の幅を広げていくという戦略である。これからのキーとなるのはSUVのマーケティング、そして電動化への対応であろう。

ランボルギーニにとって来年は創立60周年というメモリアルイヤーを迎え、ハイブリッド化戦略のスタートとなる重要なタイミングだ。デビューを控えている新型 V12ハイブリッドエンジンが搭載される次期アヴェンタドールの登場も待ち遠しい。ますます存在感を高めるランボルギーニのパワーを実感した一日であった。

文:越湖信一 写真:ランボルギーニ、越湖信一
Words:Shinichi EKKO Photography:Lamborghini, Shinichi EKKO

文:越湖信一

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