コレクターには最も価値があるといわれる、4リッターモデルのマセラティ・ミストラル

Bonhams

短縮された角鋼管のシャシーを持つマセラティ・ミストラル(ティーポ AM109)は、1963~1970年に製造された。ボディはフルアがデザインしたが、トリノのマッジョーラが製造した。その数は950台とも953台ともいわれている。内訳は、クーペが827台、スパイダーが123台ほどだった。



公式には、3.5リッター、3.7リッター、4リッターの3種類のエンジンがある。しかし、1960年代のマセラティには付きものの噂も絶えない。イタリアの課税制度をかいくぐるため、排気量が小さいエンジンを搭載し、納車後に換装されたというのだ。手を加えたのは書類だけという説もある。ミストラルは、マセラティの6気筒エンジンを新車当時から搭載した最後のモデルである。1950年代から多くの市販車に使われてきたエンジンだ。

ボディもアルミニウム製とスチール製があったといわれているが、それぞれの製造数は、例によって不確かな情報しかない。もうお分かりのように、この時代のマセラティの生産に関する情報は、決して良好とはいえないのである。



2022年9月のボナムス、アメリカ、オードレーン・コンクールにおいて、11万4800ドル落札されたこの1966年マセラティ・ミストラル4000は、外観に問題が多い状態で出品された。最も目立つのは波打つフロントバンパーだろう。





また、オリジナルのルーカス製燃料噴射装置が、ウェバー製のツインチョーク40DCOEキャブレター3基に交換されている。コレクターにとって最も価値ある4リッターモデルだから、状態を考慮しても、かなり手頃な価格といえる。

落札したのはディーラーなので、状態を整えてまもなく市場に出てくるときには、それに応じて価格も上がるだろう。


文:Dave Kinney
編集翻訳:伊東和彦 (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵
Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

文:Dave Kinney

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事