約7億円でもすでに完売!究極のロードスター「ブガッティ W16 ミストラル」日本初披露

Octane Japan

昨年夏に発表されたブガッティの究極のロードスター「W16 ミストラル」が、ブガッティ東京にて日本初披露された。

これまでブガッティが製造した車両のうち、40%以上がオープントップモデルであり、W16エンジンを搭載する最後のロードゴーイングモデルとして登場したのがW16 ミストラルである。W16 ミストラルは、シロンスーパースポーツ300+で採用された1600PSバージョンのW16エンジンを搭載。史上最高のパワートレインをロードゴーイングカーに搭載した最後のモデルであるといえるだろう。



インスパイアの源は1930年代のブガッティType57 ロードスター グランドレイド。エアロダイナミクスを具現化した、スポーティーかつエレガントなロードスターモデルである。

Type57 ロードスター グランドレイド

このたび披露されたW16 ミストラルのブラックとイエローのカラーも Type57 ロードスター グランドレイドにオマージュを捧げたものだ。これはエットーレ・ブガッティが好んだカラーリングで、Type41 ロイヤーレをはじめ、自身が所有するモデルの多くにブラックとイエローのカラーコンビネーションを選択した。つまり、ブガッティを愛する人にとっては特別なカラーなのである。

Type57 ロードスター グランドレイド



W16 ミストラルには、Type41 ロイヤーレから受け継ぐ伝統のひとつとして、芸術家で彫刻家のレンブラント・ブガッティによってデザインされた有名な「踊る象(Dancing Elephant)」も採用されている。Type41 ロイヤーレのボンネットを飾った象が、シフトノブの琥珀色のインサートに嵌め込まれているのだ。(余談だが、ブガッティ リマッチのデザインディレクターであるアヒム・アンスハイト氏によると、オーナーの好みによって象以外のモチーフに変更することも可能だという)



Type41 ロイヤーレのボンネットを飾った「踊る象」のマスコット。

ヘッドライトは専用設計で、シロンに見られた水平デザインではなく、垂直方向に配置されたデザインとなっている。彫りが深く広くなって、より立体的になったフロントのホースシュー(馬蹄型)グリルも特徴のひとつだ。また、リアのデザインにも注目したい。この「X」シェイプは新しいブガッティのリアデザインを象徴している。ボリードの「X」型テールライトのモチーフを、プロダクションモデルのレギュレーションの中で如何に実現するかに開発陣は腐心したという。





W16 ミストラルのAピラーを包み込むように湾曲したウィンドスクリーンは、グランドレイドのV字型フロントガラスのエッセンスを取り入れたもの。ドライバーの視界を妨げることなく、サイドウィンドウが継ぎ目なく繋がっているように見える。



Type57 ロードスター グランドレイド

サイドのラインは、「ブガッティらしさ」の真骨頂だ。フロントガラスとサイドウィンドウの上端を結ぶラインは、そのままボディサイドのエアインテークに続き、その淵をなぞった後、再びサイドウィンドウの下を通過して、その先にあるフロントのホースシューグリルから、「マカロン」と呼ばれるへと繋がっていく。シンプルにひとつのラインを描く、いわゆる「Cライン」を新しい表現で作り出したものだ。「この“シンプルな美”は日本の美意識にも通じ、共感していただけると思います」とアヒム・アンスハイト氏が語っていたが、まさにその通りであろう。



ブガッティ リマッチのデザインディレクター アヒム・アンスハイト氏がテーピングで「Cライン」を解説。

ロードスターというスタイルとW16パワートレインの組み合わせは、かつてのロイヤーレにも相通じるものがある。ロイヤーレの巨大なサイドオープニングのボンネットの下には、12.7リッター直列8気筒エンジンが搭載されていた。W16 ミストラルに組み込まれているのも同様に、圧巻のW16パワートレインである。

Type41 ロイヤーレ

同モデルのアジアでのお披露目はこれが初であり、ブガッティ東京はアジアにおいて初めてブガッティの最新CIを取り入れたショールームであることからも、ブガッティが日本マーケットを重視していることが伺える。世界最強のエレガントなロードスター、W16 ミストラルは99台のみの限定生産で、価格は500万ユーロ。世界中のコレクターからの注目が集まり、すでに完売となっている。

オクタン日本版編集部

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