イギリスにおけるマリン自動車博物館プロジェクト、その後の計画は?

Octane UK

カリフォルニアにある珠玉のクラシックカー・コレクションが並ぶミュージアム、マリン自動車博物館をご存知だろうか?

主にフランス車のクラシックカーコレクターとして有名なピーター・マリンが所有するコレクションを収蔵していた博物館なのだが、先日ピーター・マリンの逝去をうけて、14年の歴史に幕を閉じ、閉館となった。その閉館に伴い、展示車両のうち20台も引き払われようとしている。しかしそのような状況でもなお、英国のコッツウォルズに建設することが計画されている新たなマリン・ミュージアムに関するプロジェクトは頓挫しておらず、むしろまだ実現する可能性は高いと、プロジェクトの主要関係者は主張している。



具体的には、チッピング・ノートン近郊に1億5,000万ポンドをかけて160エーカーのカーパークを建設するという計画なのだが、発表から5年経った今も、旧エンストン飛行場での建設工事は始まっていない。実は、初期段階で一度計画は頓挫しており、最終的に許可が降りたのはノーマン・フォスター卿が計画を修正して再提出された昨年の3月なのだ。その計画の中身はというと、カーパークの中心に、70台の車を収容する6万平方フィートの博物館と速度制限のあるテストコースを設置し、富裕層の愛好家をターゲットにした56戸の住宅を隣接して建設するといったものだった。そして、マリン氏のコレクションから約30台の車が持ち回りでミュージアムのメイン展示車両となり、さらに他のコレクターから貸し出される展示品も加わる予定だった。

昨年9月のピーター・マリン氏の死去に伴う米国における最近の動向は、イギリスでのこの計画が棚上げされるのではないかという懸念を引き起こした。1月には、14年間親しまれてきたオックスナードにある47,000平方フィートのミュージアムが2月10日に閉鎖されることが発表され、その直後には、2月29日と3月1日に開催されるグッディング&カンパニーのアメリア・アイランド・セールにおいて、コレクションから20台の車がオークションにかけられるというニュースが飛び込んできた。

オークションに出品されるのは、1925年ブガッティ・タイプ35Cグランプリ、ガングロフ・ボディの1931年タイプ49、1936年ヴォワザン・タイプC28クレリエール・ベルライン、1946年ドラージュD6グランプリ、さらに1948年ドライエ・タイプ175GPと1948年ドライエ・タイプ135MSカブリオなどなど。





1937年タルボ・ラーゴT150 CSティアドロップ、1938年イスパノ・スイザH6Bデュボネ・ゼニア、1939年ドライエ165、1938年ドライエ145の4台は、ピーターセン・ミュージアムに寄贈された。これらの車は大部分が信託として保持されており、ミュージアムの最も有名な展示物であるブガッティ・アトランティックと "湖で発見された "ブガッティ・ブレシアの2台については、ピーター・マリン氏の遺族がほとんど口を出せない可能性がある。

しかし『Octane』では、そのような事情は現在計画されている英国のミュージアムに影響することはないと確信している。ピーター・マリンは生前、このオックスフォードシャーの施設を自分のレガシー・プロジェクトとして宣伝していたのだが、亡くなる数カ月前に、病状が悪化したため、隣接する会員制クラブ「ソーホー・ファームハウス」の大株主である友人のロン・バークルにこのプロジェクトを引き継ぐことを合意した。

しかしこの契約はまだ最終的な承認には至っておらず、もしバークルが手を引けば、ミュージアムの計画を支えるマリン財団に割り当てられるのはほんの一握りの車だけとなるため、プロジェクト全体が立ち行かなくなる可能性があるという。

とはいえ、ピーター・マリンの未亡人マールを含む支援者たちは、そんなことは許されないと強気だ。マール・マリンは、このプロジェクトにはまだエキサイティングな未来があると『Octane』に約束した。彼女は、バークルを含むマリンUKのチームが、車を貸し出すというマリン家の誓約は守られ、マリン・オートモーティブ・ミュージアムから車を販売する際にも、そのような誓約が重要な考慮事項となることを再確認したという。

仮にプロジェクトが暗礁に乗り上げたとしても、米国の大手機関が救世主として介入する準備ができているとの噂もある。「LAには、これをハッピーエンドにしてくれる強力な機関があるのです!」と、関係者も実際に認めているのだ。実現までの道のりは長そうに思えるかもしれないが、そう簡単には終わらない。

Octane UK

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