GIRO DELL’ISOLA OKINAWA|沖縄の歴史と文化をたどるクラシックカーラリー

GIRO DELL’ISOLA OKINAWA

「沖縄の魅力をラリーイベントを通して伝えたい」そんな思いを込めて昨年から始まったクラシックカーラリー「GIRO DELL’ISOLA OKINAWA(ジロ・デッリゾラ沖縄)」。この美しき島を巡る3日間のイベントには、沖縄のエッセンスが凝縮されている。



沖縄を舞台におこなわれるクラシックカーラリー「GIRO DELL’ISOLA OKINAWA(ジロ・デッリゾラ沖縄)」は、今回が2回目の開催となる。クラシックカーラリーは日本国内に数多く存在し、それぞれのラリーに独自の特徴があるが、このラリーのユニークな点は開催地が沖縄であるという立地的な独自性と、主催者が女性だという点であろう。このジロ・デッリゾラ沖縄を主催するのは、クラシックカー界では数少ない女性オーガナイザー、矢口可南子さん。自身のルーツを沖縄にもつ彼女の視点からプロデュースされたイベント内容には、地元の、そして女性ならではの感性が反映されている。

主催者の矢口可南子さんは4度にわたる沖縄県でのクラシックカーラリーの開催を経験したのち、2020年に独立。沖縄県の観光産業活性化の促進・発展を目指し、2023年3月にジロ・デッリゾラ沖縄を初開催した。

沖縄の歴史や文化を知る


「沖縄」「クラシックカーラリー」という言葉を聞いて一般的に連想するのはきっと、美しい空や真っ青な海を眺めながら気持ちよく駆け抜けるエレガントで爽快なドライブであろう。もちろんその要素は、女性ならではの細やかな視点で選ばれた快適なホテルをはじめ、このラリーにもふんだんに盛り込まれているが、そこに沖縄の歴史や文化にじっくり触れる機会が加わることで、参加者が体験できる内容や気付きに深みが加えられている。



平和創造の森公園と平和祈念公園、そして糸数アブチラガマでは長めの滞在時間が確保されており、現地ガイドの説明をじっくり聞く機会が設けられた。沖縄の戦跡を知り当時の状況を想像することで、今の時代の日本の平和をあらためて実感する契機となった。

その最たるものが、ラリー2日目に設定された立ち寄りスポットに凝縮されていた。平和創造の森公園、平和祈念公園、糸数アブチラガマ。じっくり時間をかけて滞在したこれらのスポットでは、地元ガイドによる第二次世界大戦で沖縄が置かれた惨状の説明があり、教科書やニュースだけでは知り得ない当時の一般人の凄惨な状況を、口伝により身をもって感じることができた。



嘉手納基地に立ち寄るのも沖縄ならではの体験であり、日米両国間の歴史や文化、産業などに想いを巡らせるきっかけともなる。オーナーが基地訪問に敬意を表したのか、ダッジ・チャージャーのフロントには星条旗がセットされていた。

ジロ・デッリゾラ沖縄では、上述のような沖縄の歴史に触れる機会に加えて、文化にも焦点を当てている。15世紀にこの地を治めた王・阿麻和利の居城であった勝連城を訪れ、ユネスコ世界遺産にも登録された“グスク”の見学をすることで、琉球王朝時代に思いを馳せたり、ぬちまーす観光製塩ファクトリーや琉球ガラス村で沖縄独自の産業を見学することができたりと、2泊3日の行程の中に多様な体験が盛り込まれている。

各クラス1位から3位までのトロフィーは琉球ガラス製。ラリーの立ち寄りスポットには琉球ガラス村が設定されており、参加者はガラス職人が手作りで琉球ガラス作品を製作する様子を見学することができた。

ガラパーティーはなんと美ら海水族館の大水槽前にて。これも沖縄ならではの体験といえるだろう。普段は入ることができない閉館後の水族館で巨大なジンベイザメが悠々と泳ぐ姿は、参加者全員の心を一瞬で魅了した。



正確性を競うPC 競技はクラシックカーラリーの醍醐味。今回は1日目21本、2日目4本、3日目5本のPC競技が実施された。縄の歴史や文化に触れる時間と、真剣勝負で競技に挑む時間、どちらも参加者にとっては充実した時間である。

国際的な交流と発信


本年のイベントでは、イタリアからもエントラントが来日していた。彼らはジロ・デッリゾラ沖縄の姉妹イベントとして提携しているイタリアのクラシックカーイベント「ジーロ・ディ・シチリア」からの参加者である。「ジロ・デッリゾラ」とはイタリア語で「島巡り」を意味する。シチリアと沖縄に共通する「島巡り」。パートナー関係を築くことで、この先も相互のラリーに参加者が国境を越えてエントリーし合い、日伊間の車文化の継承・発展、そして国際交流が発展していくのが今から楽しみである。

今回のイベントにはイタリアのジーロ・ディ・シチリアから4組が参加した。ジロ・デッリゾラ沖縄参加者の中にはジーロ・ディ・シチリアへの参加表明をした人も。昨年11月に提携してからまだ4カ月ほどだが、国際交流はすでに始まっているのだ。

沖縄という立地を活かし、いずれは台湾など近隣のアジア諸国からの参加者も増えていけば、ジロ・デッリゾラ沖縄が目的としている沖縄の歴史や文化を世界に発信することにも繋がっていくことだろう。昨年から始まったばかりのジロ・デッリゾラ沖縄。まだまだ発展途上の新イベントの今後に期待したい。





美しいクラシックカーを見ると笑顔になるのは老若男女を問わず共通だ。このようなイベントで本物のクラシックカーを見ることで、子どもたちがその魅力を肌で感じ、自動車文化を次代に継承していくきっかけになってくれればと願う。

総合優勝は1964年ジャガーEタイプ ロードスターで参加した瀧川弘幸/山﨑 剛ペア。前年のジロ・デッリゾラ沖縄にも参加し、イベントの素晴らしさに感銘を受けた瀧川氏は、今年は大親友の山﨑氏と参加。初コンビながら見事なチームワークを見せ2年連続の総合優勝に輝いた。



ミッレ ミリア クラシック クロノグラフ


特別協賛社ショパール ジャパンからはLEGENDARY/VINTAGE/HISTORIC 各クラスの1位~3位へ賞品が提供された。2位と3位にはテーブルクロックが、1位にはミッレ ミリア クラシック クロノグラフが贈られた。ミッレ ミリアクラシック クロノグラフのケース裏側には「GIRO DELL’ISOLA OKINAWA 2024」の文字が刻まれている。




ミッレ ミリア クラシック クロノグラフ 40.5 MM、自動巻き、ルーセントスティール™、138万6000円
問合せ:ショパール ジャパン プレス
https://www.chopard.com


文:オクタン日本版編集部 写真:ジロ・デッリゾラ沖縄 取材協力:ショパールジャパン
Words:Octane Japan Photography:GIRO DELL’ISOLA OKINAWA Special thanks to Chopard Japan

オクタン日本版編集部

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