『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回はZ4の足回りの硬さの改善に挑戦。
最近、私は愛車のBMW Z4の乗り心地が硬いことに悩まされていた。もちろん、路面の状態は悪いというのもあるが、あるとき、路面の穴を避けて走りながら考えていると、割れたストラットマウントと、反対側のトップマウントの破損が、もっと深刻な問題の兆候である可能性があると気づいた。つまり、トップマウントだけを修理しても根本的な解決にはならないかもしれないということだ。
そこで、いくつかのショップに電話をかけて見積もりを取ってみたが、車を分解しない限り、問題がどれだけ深刻かはわからないと言われてしまった。
私の予想では、20年経ったダンパーが限界に達しているのだろうと思った。たとえそうでなくても、フロントエンドをリフレッシュするのは悪いことではない。そこで、修理のついでに交換すべき部品も含めて部品の価格を調べてみると、自分でやった方がかなり魅力的であるように思えてきた。問題は、ジャッキ、スタンド、スプリングコンプレッサーがないことだったが、友人で同僚のマシュー・ヘイワードが助けてくれ、彼の倉庫から道具を借りることができた。
部品と道具が揃ったので、あとは雨と暗さの合間を縫って作業を進めるだけだった。昔、Mk1フィエスタのスプリングを交換したことがあったが、あれなら手で圧縮できるくらい簡単だった。その後、同様の作業はしておらず、さらに言えばZ4は全く別物だ。しかも、3.0iには標準部品とMスポーツ部品の両方が混在していて、混乱を招いた。
私は既存のスプリングを使用し、標準的なダンパーを交換することにした。さらに、トップマウント、バンプストップ、アンチロールバーやコントロールアームのマウントやブッシュも交換した。また、ストラットタワーとトップマウントの間に挟む補強プレートも取り付けた。これにより、タワーの変形を防ぐことができ、剛性も得られる。このプレートはE46 3シリーズに使用することが推奨されているが、Z4も同じ部品を使っているため、うまくフィットした。ホイールを外したついでに、ビルトハンバーでしっかりと清掃し、Collinite No.845インシュレーター・ワックスでワックスシールを施した。
その後、車検を予約し、念のためホイールアライメントの調整も依頼した。スタート・テンプルトンには、新しいボルトのトルク設定をダブルチェックしてもらった。私のトルクレンチでは少し足りなかったからだ。
1カ月間ジャッキに乗せたままだったが、ついに車を再び路上に戻すことができ、無事に車検の合格証を手に入れた。今まで所有していた中で最も良い状態であり、あとはしっかり走らせるだけだ。ウェールズの国境付近がちょうど良さそうだ。
友人たちが私の40歳の誕生日を祝うために、ポウイスにサファリテントを予約していた。一番乗りする予定だったので、少し早めに出発し、3時間ほどドライブ。高速道路を降りた後、少し遠回りをすることにしたのだが、それが大正解だった。車の調子は素晴らしく、また景色は息を呑むほど美しく、道は驚くほど平坦で静かだった――まさに求めていたものだ。Z4はその本領を発揮してくれた。
目的地に到着すると、農場のゲートがあり、その先には急な砂利道が続いていた。車を停めて歩いて確認してみたが、徒歩でも厳しいほどの坂道だった。荷物を持って上がるのは絶対に無理だと思った。最初のカーブでホイールスピンして後退し、トラクションコントロールを切ることを思いつくまでに3回も挑戦する羽目になった。
友人が到着してから、坂の下に4WDが置いてあり、鍵が刺さった状態で自由に使えることを教えてもらったが、必要なかった。だって、私はBMW Z4に乗っているのだから。
文:Robert Hefferon
オクタン日本版編集部
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