初期のロードモデルより格段にパワフルな911 GT3 RS

Photography: Stuart Collins

究極のドライバーが選ぶ911には憧れのRSエンブレムが不可欠だろう。RSでレースを戦い、またロードテストをこなしているトニー・ドロンがそれぞれのRSを一気乗りして比較する。

さて、いよいよ真にモダンなモデルの登場だ。初めはジョン・パウエルが冗談で「これはヤカンだな」といった、ニック・ナイトの996ベース2004年GT3RS。そのとおり、これは水冷エンジン車だ。大きくて重く、そして初期のロードモデルより格段にパワフルだ。トップスピードは190mph(306㎞/h)、0-200㎞/hに要するのは14秒にしか過ぎない。これは別世界の性能だが、それでも依然として911だ。見た目もそう。エクステリアとインテリアのデザインディテールはいままでのどれよりもベターで、かなり911を感じさせる。

996GT3RSに関する懸念は保守的な人のほうに多かった。私も彼らと同意見だ。ロードホールディングは特筆に価するが、いつものクラシック911風の若干のオーバーステアは気に入らない。不思議なことにハンドリングにおける感覚はまるでノーマルカーだ。そして最速コーナーでは限界に近かった。オーバーステア/アンダーステアのバランスとは何なのかを正確にいうことは難しいが、私は数年前ベルギーのスパ・フランコルシャンで、グッドウッド・ロードレーシングクラブのメンバーに午後いっぱい、996GT3でパッセンジャーライドをしていたとき、それに気付いた。

実際のところこれは、ドライバーだけが気付くであろう微妙なポイントだ。ブランティングソープでは、ニックの車は完璧に走った。私が高速コーナーリングでたまたま路面補修箇所をヒットしたときなど、テールははじき出すが、回復はいつも容易で、決してドラマはあり得なかった。GT3はそのハンドリングにおいて完璧ではないかもしれないが、文句をいうのはやめにしよう。これは素晴らしく万全であり、また機械工学的にも非常にスタイリッシュで、欠点を補っても余りがあるほどなのだ。誰だって好きにならずにいられないだろう。

編集翻訳:小石原 耕作 Transcreation: Kosaku KOISHIHARA Words: Tony Dron 

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