ポルシェ911史上最も衝撃的な1台?素晴らしい戦績

この1974年カレラ3.0RSRに秘められたパフォーマンスについては後述するので、まずはじっくりと外観をご覧頂きたい。ひょっとすると、911史上最も衝撃的な1台ではないだろうか。完璧なバランスで誇張されたプロポーション、ワールドクラスのファイターらしい力みなぎる佇まい。カラーリングも、たとえ永遠の時間をかけて試行錯誤しても改良する余地がない完璧さだ。名高い911の中でもこれほどクールな1台にはお目にかかったことがない。
 
いうまでもなく、カレラ3.0RSRはシュトゥットガルトが生み出したエンジニアリングの最高傑作のひとつだ。2933ccのエンジンは330bhpを発生。反応の鋭いフラットシックス、他の追随を許さないロードホールディング能力、そして950kgという軽量な車重が組み合わさり、1970年代のGTシーンでフェラーリやシボレーといったパワーで勝るライバルを凌いで見せた。
 
このシャシーナンバー911 560 9115は戦績も素晴らしい。メキシコシティ1000kmで総合優勝を飾ったほか、セブリング12時間でクラス優勝。また、デイトナ24時間には4回出走し、クラス2位を果たしている。最初のオーナーはなんと18歳だった。のちにF1ドライバーとなるエクトル・レバーク(メキシコ)だ。こうした車は手荒な扱いを受けがちだが、レバークも、その後の8人のオーナーもそんな真似はしなかった。

現在はレストアされて新品同様、非の打ち所がないコンディションにある。"レバーク・カフェメキシカーノ"のカラーリングはオリジナルのものだ。
 
推定落札価格は120万~150万ドルという驚異的な高値だったが、実際は123万7500ドルで落札された。

編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA

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