B&B Italia Sustainable interview #2 バーミキュラ 土方智晴|良いものを長く使う。それこそがサステナブル

昨今、より強く訴えかけられている“サステナブル”という合言葉。ご存知の通り、環境・社会・経済の観点から持続可能な世の中を創り出していくという考え方である。 しかし、ただ環境に配慮すればいいということではない。ライフスタイルにこだわりを持ち、あらゆる面で充実したプロダクトと歩んでいくことが、真のサステナブルと言えるだろう。
 
イタリアの家具ブランドB&B Italiaもまた、その責任を果たすべく取り組んでいる企業の一つだ。耐用年数を迎えた際にそれぞれのパーツを分解し、環境に配慮した廃棄処分ができる仕組みが、新作のOutdoor Collectionでも採用されている。

このインタビューシリーズでは、サステナブル精神のもとものづくりを行う3名の人物に持続可能な社会についての考え方を伺い、B&B Italiaのプロダクトと共に紐解いていく。



「私は幼少期からモノ作りの現場で育ってきましたが、いい商品には職人の手仕事が見えます。サステナブルという言葉は環境問題と結び付けられがちですが、“いいものを長く使う”ということも、持続可能な社会作りのためになるのではないでしょうか」鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」を手掛ける愛知ドビーの代表取締役副社長、土方智晴さんはそう語る。


土方智晴
愛知ドビー 代表取締役副社長。1977年、愛知県生まれ。
大学卒業後、トヨタ自動車に入社。2006年、兄邦裕の要請に応えて愛知ドビーに入社。
この会社は1936年に祖父が創業した鋳物工場で、鋳物を精密加工していたが下請けの苦しい経営が続いていた。
入社後は精密加工技術を習得し、バーミキュラ全製品のコンセプト作りから製品開発までを担当している。
https://www.vermicular.jp/


鋳物を精密加工してきた愛知ドビーの技術を生かして作られたバーミキュラの鋳物ホーロー鍋は、長く使ってもらうために、全て修理ができる。しかしそれは簡単なことではない。修理するためには通常の3倍の強度が必要で、パーツは分解しやすい構造でなければいけない。しかもバーミキュラの製品は無水調理で素材の味を引き出すために、0.01㎜の精度を追求して密閉性を高めている。その精度で作られた製品のホーローをはがして再度コーティングするには、かなりレベルの高い技術が求められるのだ。


長年培ってきた精密加工の技術を駆使した鋳物を使ったホーロー鍋「バーミキュラ オーブンポット」。
蓋と本体の接合部分を0.01㎜の精度で仕上げることで、完璧な無水調理を実現。
世界のトップシェフからも信頼されている。直径は14㎝、18㎝、22㎝、26㎝の4種で、26㎝の浅底タイプもある。
リペアサービスも充実しており、一生モノとなる。


「アイデアを実現するのに3年もかかりました。しかし試作中の鍋でカレーを作ったら、兄(土方邦裕。同社代表取締役社長)が大嫌いだったニンジンを美味しい!と食べてくれた。それがすごくうれしかった。素晴らしいモノ、感動を与えるモノを作りたい。そうすればユーザーだって喜んで使ってくれるはずです。だから『これはいいモノだ』と信じたのなら、それを追求するしかないんです」

昨年、名古屋にオープンした「バーミキュラ ビレッジ」は、バーミキュラのショップや料理教室、そして食材本来の味を引き出すバーミキュラの実力を伝えるレストラン&ベーカリーからなる複合施設。ここには、本当にいいと自分が思っているモノを、体験を通じて伝えたいという土方さんの情熱が詰まっている。そしてこのバーミキュラ ビレッジに、B&B Italiaのアウトドア家具を使用しているのも偶然ではない。


2019年12月に、名古屋市の中川運河沿いにオープンした「バーミキュラ ビレッジ」。
レストランのテラス部分には、運河を眺めるようにB&B Italiaのアウトドア家具を配置。
風の通り抜ける心地よい場所が出来上がった。


「キャンプはあまり得意じゃないのですが、“半屋外”の環境は好きなんです。風にあたりながらくつろいでいると、リラックスできる。だから自宅を設計する時も、アウトドアリビングをメインで考えました。アウトドアリビングを作ると、テラスやバルコニーも心地よい場所になる。コーヒーブレイクやちょっとした食事を屋外で楽しめば、普通の行為さえも非日常になる。それは調理という日常的な行為を、想像を超えた美味しさという感動によって非日常にしてしまうバーミキュラに似ています。だからこの心地よさをバーミキュラのユーザーにも体験して欲しいと思って、バーミキュラ ビレッジのテラスにB&B Italiaのアウトドア家具を使用しました。B&B Italiaの家具は自宅や本社のキッチンスタジオでも使っていますが、圧倒的なデザイン力なのに座ると感動的な快適さがある。デザインと機能を両立させるとは、こういうことなのかと教えられました。つまり、我々がやるべきことを家具業界で実現していたのが、B&B Italiaだったのです」

デザインのためのデザインではなく、機能が形になっている。イノベーションがある。感性が磨かれる。そういった素晴らしい製品は、必然的に長く使い続けたくなる。すなわちサステナブルな暮らしのきっかけになるのだ。


B&B Italia「Oh, it rains!」
雨が降ってきた! というフレーズをそのままモデル名としたユニークなアウトドア家具。
デザインを担当したのはフランスの鬼才フィリップ・スタルク。


大きなパーテーションのように見える背もたれは、簡単にパタンと閉じることができ、座面を雨から守る役割になっている。
もちろん使用する生地やクッションは防水性と撥水性に優れたアウトドア仕様である。


「B&B Italiaの新作家具も面白いですよね。『Oh, it rains!』は、その発想に驚かされた。アウトドアリビングにとって突然雨が降ってくることは最悪の状況なのですが、この家具の場合は背もたれをパタンと倒せばいい。嫌なことを素敵な体験にしてくれるなんてすばらしい考え方です。バーミキュラの炊飯器「バーミキュラ ライスポット」は、鋳物ホーロー鍋の蓋が重くて両手で持たないといけないんですよ。これは指先一つで蓋がポンと開く一般的な炊飯器とは全く異なります。しかしこの面倒なひと手間が、おいしいご飯を炊いているんだという素敵な体験へと昇華する。結局は、体験が感動を呼ぶのです」

バーミキュラで料理することは、すなわち感動的な美味しさと出会うということである。料理をすることが好きになるし、友人にも食べさせたいとホームパーティを開きたくなるかもしれない。

体験が感動を呼び、ライフスタイルが広がる。それは美しい家具と同じ。B&B Italiaのアウトドア家具のユニークな機能や美しいデザインが、アウトドアリビングを通じて自然と緩やかに繋がり、暮らしに広がりをもたらしてくれるだろう。ちょっとした日常を感動的な非日常にしてくれる“一生モノ”との出会いが、サステナブルな社会を作る第一歩となるのだ。
 
文:篠田哲生 写真:kana sondoda Words:Tetsuo SHINODA Images:kana sonoda


【B&B Italia Outdoor Collection 2020 展示について】
本記事で登場した「ハイブリット」を含むB&B Italia Outdoor Collection 2020は、2020年6月26日〜7月28日までの期間、B&B Italia Tokyoショールームにて実物を確認することができる。また、実店舗のみならず、バーチャルショールームでも見学することができる。ぜひともゆっくりお楽しみいただきたい

B&B Italia Tokyo
〒107-0061 東京都港区北青山2丁目5−8青山 OM-SQUARE1,3F
営業時間:11:00 ~ 18:00
定休日:水曜
事前予約制:ご来店予約はこちらから
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