アルファロメオが110周年をまとめた「E-Book」を発表 その裏にいる「歴史の伝承者」

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アルファロメオは、記念すべき創業110周年を迎えるにあたり、その歴史を網羅したデジタルブック「E-Book」を公開した。日本に向けて発表された夜、アルファロメオの「歴史の伝承者」としてプレゼンテーションをおこなったのは、FCA代表ではなく、アルファロメオ・ミュージアム館長であった。

自動車は無数の物語を生む。誰が、いつ、どこで、何を。これらを秩序づけて並べることで車の姿が浮かびあがり、浮かび上がったものを時系列に沿って繋げることでメーカーの歴史と全貌は明らかになるのだと思う。2020年で創立110 年を迎えたアルファロメオにはこういう作業をコツコツおこなう人がいる。日々、物語を掘り起こし、それを文字に綴り、時に自らの声で伝え残すのが彼の役目。アレーゼにあるアルファロメオ・ミュージアム館長、ロレンツォ・アルデイツィオ氏である。
 
近年はヘリテージブームの波にのって博物館やアーカイブが充実、多くの自動車メーカーにも「歴史の伝承者」がいる。しかしながらアルファロメオが他社と一味異なるのは、歴史の語り部としての館長の顔が見えること。これがいかにもアルファロメオらしい。創業時代から同社は常に人間の顔の見えるメーカーだ。経営人、技術者、デザイナーからドライバーまで、これほど沢山の(ひとかどの) 人物の名前の挙がるメーカーはそうそうない。これで行けば館長は同社の文化面の担い手ということになるだろう。

もうひとつ特徴的なのは、物語を掘り起こす本人が物語の一端を担っているという点。同社専用テストコースとして建設されたバロッコ・サーキットの真ん中に残された一軒家は館長一族の持ちものだった。お父さんは同社テストドライバー。息子の遊び場はサーキットだったという。強烈なアルファ・フリークでピカイチの腕を持つジェントルマン・ドライバーの彼はまさに「生まれついてのアルフィスタ」。

文:松本葉 写真:FCA Words:Yo MATSUMOTO Photography:FCA

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