イギリスから届いた『Octane』編集部の愛車レポート|「コッシー」こと、フォード シエラ RS コスワース

Jesse Crosse

『Octane』イギリス版の寄稿者であるジェシー・クロスの愛車は1986年 フォード シエラ RS コスワース。「コッシー」という愛称で大切にしているシエラの最近の様子を尋ねてみた。

ここ最近、ジェシーはスコットランドへの引っ越しを控えていたため、シエラ(以下「コッシー」)をドライブする機会はあまりなかったそうだ。しかし数カ月後、新居に建てたガレージに、コッシーともう一台の愛車である1968年フォードマスタングGT390がついに収まった。ジェシーはスコットランドの壮麗な道を走らせることを楽しみにしているという。

ただ、先にやるべきことはいくつかあった。まずはステアリングだ。主車輪側に遊びがある。その原因を探ると、運転手側のステアリングラックのブッシュがダメになってしまっていた。遊びがあったのは、そのラックがケース内で水平方向ではなく上下に動いていたのが原因だった。

ステアリングラックのリビルドはとても簡単なので、ジェシーはインターネットで部品を探すことにしたようだ。一般的なパーツ業者のサイトでは在庫を見つけることができなかったが、幸運にも、たった1点だけ発見した。それは、イーストサセックス州に住むラリークロス競技のベテラン、ジュリアン・ゴッドフリーのもとにあり、ジェシーはすぐに入手を試みた。

パーツ単体でも販売可能だったが、ゴッドフリーではスペシャリストによるラックのリビルドも可能だという。ジェシーは多忙だったこともあって、コッシーのラックを外して彼らに送ることにした。取り外すだけなら簡単だ。クロスメンバーにあるボルト2つを外し、パワーステアリングフィードを抜き取って、ラックに付いていたパイプを戻す。カップリングのナットとボルトそれぞれ1つを外し、ステアリングコラムをラックから分離させる。それで完了だ。



数週間後、ラックはジェシーの手元に無事に戻ってきた。費用は予想を少々超えた196ポンド(約3万円)+税(送料込み)とのこと。仕上がりは完璧で、ジェシーの時間削減に大いに貢献してくれたようだ。

次は、アイドリング中の恐るべき一酸化炭素濃度を運輸省(MoT)既定値まで下げる仕事が待っていた。コッシーでは、ダッシュボード裏側にある電子制御装置の前面のネジを調整することで対応可能だ。市販のCO(一酸化炭素)メーターで、エグゾーストパイプ内を測る。この方法では正確な数値は計測できないが、フォード社の作業マニュアルに記載のある数値から1〜2%程度下げることはできた。テスト日には実際に0.5%下回っており、上出来だった。炭化水素の数値も問題がなかったという。





まだ車内外の全般的な細かい手入れも必要だが、「まずはドライブの時間だ!」と、ジェシーはスコットランドの壮大な景色の中でコッシーをドライブするのが待ちきれない様子だ。旧い車は手間もお金もかかるが、その分、愛車とのドライブが最高に楽しくなるのは万国共通なようだ。

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事