マツダ新型プレミアムSUV「CX-60」|マイルドハイブリッド6気筒ディーゼルエンジンとその燃費

Takaaki MIURA



引き算の美、魂動デザインは踏襲されつつも進化している


今回のコンセプトは、「Noble Toughness(ノーブルタフネス)」。
力強いFR骨格やインテリア空間のタフさの中に、魂動デザインの知性やエレガンスを表現。

エクステリアデザインは、フロントフェイスと、ロングノーズ・ショートデッキと力強く動きのある骨格。まるで生命体が地面に踏ん張り、後ろ足で前に向かって跳躍するような生命感。ボディサイドには大胆な光の反射の魅せ方によりエレガントさを増している。









そして次世代モデル向けにお目見えした新しいボディカラーは、「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」。



「XD-HYBRID」の最上級仕様である「Premium Modern」

雑味のないピュアな白さ、粒子のきめが細かく、面による陰影表現を際立たせる金属の質感を両立させたものだという。その技法は、マツダ独自の塗装技術「匠塗(TAKUMINIRI:たくみぬり)」による特別装飾。「カラーも造形の一部」という思想に、個体の表現力をさらに豊かに魅せるための技術として開発されたもので、これまでの「ソウルレッドクリスタルメタリック」、「マシーングレーププレミアムメタリック」に続く、第三弾の特別色となる。新型CX-60をはじめ、プレミアムモデル中心に展開していく予定とのことだ。

インテリアデザインは、幅広なインストルメントパネル、サイドルーバーからドアトリムへ連続する造形が、ワイドでリッチ。前後を貫く大型コンソールは、FRらしいトランスミッションとその先にある縦置エンジンの存在を感じさせる。



プレミアムスポーツのインテリアは、キルティングを施したスウェード素材をナッパーレザーで諧調を魅せ、質感は十分、高級感を演出する。









プレミアムモダンは、日本のものづくり、マツダが考えるジャパン・プレミアムを表現。自然がもたらす変化に美を見出す価値は、日本が大事にしてきたもの。









伝統的な工法に加えて新技術もプラスしたテクスチャーに着目し、様々な表情を持つ糸を織り込んだ。それにより敏感で微妙な光に変化に対応した織物の質感や表情を演出する。そしてインパネには「掛け縫い」と呼ばれる、糸を交差させるように縫うしつらえもある。実はこのような演出のアイデアは日本からのものではなく、ヨーロッパからのリクエストだったというから驚きだ。







また最後にひとつ。今回車を走らせることができなかったが、停まっている車の室内空間として驚いたのが音響である。

今回のCX-60に搭載された「マツダ・ハーモニック・アコースティックス」はさらに進化し、中高域をしっかり聴かせるために進化したスピーカー、そして考え抜かれたレイアウト、さらにハイエンドオーディオの技術思想を盛り込んだ高音質アンプ… だが、そんなウンチクは必要がないかもしれない。実際に流れてくる音を聞けばその立体感、奥行き、音場の豊かさに驚きを覚えるのだから。

開放的な視界と明るさを実現する、幅950mm×長さ1021mmの大型パノラマサンルーフを採用。

「車をしっかり売りながらも、しっかりとこれからの世相をにらみ、走る理想を求め続けるマツダ」。これからどんなクルマを創っていくのか。マツダが常に標榜する「運転する愉しさ」の進化が、とても気になるのである。

CX-60は、2022年秋から販売される予定だ。


●XD-HYBRID Premium Sports
全長×全幅×全高:4740×1890×1685mm、ホイールベース2870mm、車両重量1940kg、乗車定員5名、エンジン3283cc直列6気筒DOHCディーゼルターボ(254ps/3750rpm、550Nm/1500~2400rpm)+モーター(12kW/153Nm)、トランスミッション8AT、駆動方式4WD、タイヤサイズ235/50R20、価格554万9500円

●「XD-HYBRID」の最上級仕様である「Premium Modern」
価格は547万2500円

●XD Exclusive Mode
全長×全幅×全高:4740×1890×1685mm、ホイールベース2870mm、車両重量1890kg、乗車定員5名、エンジン3283cc直列6気筒DOHCディーゼルターボ(231ps/4000~4200rpm、500Nm/1500~3000rpm、トランスミッション8AT、駆動方式4WD、タイヤサイズ235/50R20、価格471万3500円

●25S S Package
全長×全幅×全高:4740×1890×1685mm、ホイールベース2870mm、車両重量1680kg、乗車定員5名、エンジン2488cc直列4気筒DOHCガソリン(188ps/6000rpm、250Nm/3000rpm、トランスミッション8AT、駆動方式RWD、タイヤサイズ235/60R18、価格299万2000円



文:オクタン日本版編集部 写真:三浦孝明

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事