ジャガーを愛するひとが集う。ジャガーカークラブ創立50周年祝賀会

ネオバロック様式の館の前に並んだ、さまざまなジャガー。建物の荘厳な佇まいに負けない力がジャガーに感じられる(Kazuhiko ITO)

ジャガーカークラブ(JCC)は秋晴れの11月6日、創立50周年の祝賀会を催した。

自動車クラブの栄枯盛衰は常のようなものだが、JCCはいかにも英国車の愛好家が参集するクラブらしく、長年にわたって、世情に左右されることなく地道に確実な活動をおこなっている。そうしたクラブだけが末永く活動を続けていくのであろう。

クラブが発足したのは1971年12月のことで、十数人が創立メンバーであり、72年1月には早くも箱根・乙女峠へのドライブ会を催している。1973年6月には初代会長に佐藤章蔵氏が就任した。佐藤氏は日本における自動車デザイナーの先駆者のひとりであり、ダットサン1000やトヨタ・スポーツ800などの秀作を手掛けたことで知られ、自動車の造形美についての造詣が深かった。現在の田村行会長が、2代目の会長として40年にわたって活動を牽引してきた。息の長い活動の秘訣は、今でも発会のときと変わらず、赤いEタイプを愛しておられる会長の姿勢にあるのではなかろうか。

赤い3.8リッターは所有歴50年以上。日本で一番有名なジャガーであり、Eタイプだろう。サーキットから買い物までカバーする万能車との由。

今回、祝賀会の会場に選ばれたのは、創立40周年(2011年11月20日)のときと同じ、グランドプリンスホテル高輪の敷地内に保存されている貴賓館であった。この場は、1911年に建設された旧宮家竹田宮の元邸宅であり、現在は主にウェディングが催される歴史的建造物である。



ネオバロック様式の館の前には、普段ならカップルを送迎するデイムラー・リムジン(DS420)とジャガーMk.8が置かれているが、今回はメンバーのジャガーに並び替えられていた。XK120、Eタイプやサルーンは言うにおよばす、ヴィンテージモデルではSS100。新しいものではXJ-SやスーパースポーツカーのXJ220までと、ジャガーの歩みを象徴モデルが参集した。

マークX、デイムラー・ダブルシックス、XJ-Sコンバーチブル。どれもカラーリングが素晴らしい。

居並んだモデルなかで最も年式が古かったのは、このSS100だった。1970年代に英国から持ち込まれたもので、日本に初上陸したSS100だ。

美しく仕上げられたXK120ロードスター。オーナーはクラブの創設メンバーのひとりで、1960年代末に入手してから独力でレストアされてきた。15年程前に横浜で開催された「ジャガーデイ」ではシャシーにエンジンが載った状態で展示されていた記憶がある。

XJ220。3.5リッターV6ツインターボを搭載したスーパースポーツ。著名ジャガーコレクターがガレージの中からこれを選んで持ち込んだ。

シングルナンバーを守り通しているEタイプやサルーンの姿もあり、ヒストリーを継承している様子が見て取れた。次回の式典は60周年だという。

さながらこの館に乗り付けたように停め置かれた2台のサルーン。マーク2とSタイプ。Sタイプは“品川3”のナンバーが守られている。

祝賀会を前にしての集合写真撮影。40周年記念のときもこの光景からはじまった。


JAGUAR CAR CLUB創立50周年記念祝賀会
2022年11月6日(日)
於:グランドプリンスホテル高輪 貴賓館


文・写真:伊東和彦(Mobi-curators Labo.)
Words and Photography: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.)

伊東和彦(Mobi-curators Labo.)

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