1台だけ作られたコンバーチブルのオフローダー「ユーリエ・イントルーダー・コンセプト」とは?

D.K. Engineering

ユーリエは、フランスでも屈指の創造性を誇る大手ボディ架装会社として、2000年代末まで生き残った。シトロエンとの関係が深く、1980~90年代にはシトロエンの大半のエステートワゴンを組み立てた。特殊な車両の製造も任され、その中にはホモロゲーション取得のための少量生産モデルも含まれる。ラリーカーのプジョー205 T16やシトロエンBX 4TC、ルノー5ターボのロードカーなどだ。また、ワンオフの興味深い巧妙なコンセプトカーも数多く手がけた。そのほとんどはフランスメーカーとのつながりが強かったが、この1996年イントルーダーはドイツ車をベースにしている。

イントルーダーは1996年のパリ・モーターショーのために開発された。コンバーチブルのオフローダーという、当時としてはかなりラディカルなアイデアだった。丸みを帯びたボディに反して、実はメルセデス・ベンツG320をベースにしており、3.2リッターの6気筒エンジンと4段AT、デフロック装備のフルタイム4WDはそのままだ。このコンセプトカーの目玉は、電動折り畳み式メタルルーフだった。その後、ユーリエはこれを他メーカーのために開発・製造し、プジョー206 CCやオペル/ヴォクスホール・ティグラMk.2を手がけた。イントルーダー発表の数カ月前には、メルセデスSLKがデビューしており、これが完全な電動折り畳み式ハードトップを備えたヨーロッパ初の量産モデルだった。



ユーリエが造ったイントルーダーはこれ1台のみである。のちに、コンテンダーと呼ばれる非常によく似たスタイルのクーペバージョンを、イタリアのコーチビルダーのOPACがごく少数だけ製造した。

イントルーダーは完全に使用可能なショーカーだった。個人オーナーのものとなってから、機構と美観の両面について、28万ユーロを費やして幅広いレストアが施された。これにはエンジンの完全なオーバーホールと、メタルルーフの開閉機構のリビルドも含まれる。その上、新車からの走行距離は約1700kmにすぎないから、現在も健康そのものだ。



未来のオーナーは、ベースがGクラスであることを歓迎するだろう。おかげでこのワンオフはメンテナンスがしやすく、使いやすい。オフロードで使うことを推奨するわけではないが、そうした仕事も悠々とこなすだろう。


参考までにこの車両は現在、イギリス・ハートフォードシャーにあるDKエンジニアリングのウェブサイトにて17万4995ポンドで掲載中だ。


編集翻訳:伊東和彦 (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵
Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

編集翻訳:伊東和彦 (Mobi-curators Labo.)

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事