THE MAGARIGAWA CLUBがオープニングイベント「房巛走巛祭」を開催!

THE MAGARIGAWA CLUB

東京からほど近い場所に作られた、会員制ドライビングクラブ「THE MAGARIGAWA CLUB」。そのオープニングイベントが開催され、クラブ会員と多くのギャラリーがそこに集った。



コンセプトは無為自然


2023年7月29日、アジアでは初となるメンバーシップ制ドライビングクラブとして、 THE MAGARIGAWA CLUBがついにオープンを果たした。この企画を推進してきたのは日本におけるプレミア輸入車ビジネスの老舗であるコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド。顧客に高性能なスポーツカーを販売するだけではなく、その車を存分に楽しむための場所や機会を提供することなくして、これからのハイエンドスポーツカー事業の未来を創り上げることはできないというトップの高邁な理念が、この壮大な企画展開を力強く後押ししたという。

現在の施設内ヴィラはすでに完売しているが、利用シーンをイメージさせるような展示もなされていた。

THE MAGARIGAWA CLUBはあらゆる点で特別である。いままでのモータースポーツの延長として、単に少人数で占有して走ることができるレーシングコースを敷設したわけではまったくない。お気に入りの愛車を楽しむ時間を、大切な家族や友人と有意義に過ごせるように、レストランやバー、プールなど付帯施設の充実や、またマシンを預かるストレージサービスや忙しい顧客に対応するヘリポートなど、必要と思われるファシリティがクオリティ高く充実することに注力している。またTHE MAGARIGAWA CLUBは「サーキット」という呼称をあえて排除している。このコースはレースを競うことを目的にしたものではなく、それぞれのドライバーが自身の車やドライビングテクニックに合った速度や走り方で思い切り楽しむことが一番の目的であるからだ。

総敷地面積は約 100万平方メートル。元は川の流れる独特のランドスケープを活かした開発を行うが、施設のメインであるドライビングコースは、世界でも著名なサーキットを数多く手掛けてきたティルケ・エンジニアリングが担当した。最長 800mの直線コースや空を見上げるような急傾斜のコーナーなど、車好きをうならせるコースレイアウトも見事である。

アクセシビリティの良さもTHE MAGARIGAWA CLUBの大きな魅力の一つだ。車ならば東京の都心から約 60分という至近さは移動にためらう必要のない距離である。また地方や海外からのアクセスにしても羽田空港から約 60分、成田空港から約75分である。季節毎の自然の風景のうつろいも見ものだろう。桜や新緑、やがて紅葉なども海風と共に楽しむことができ、天気が良ければ富士山を遠望する。自身を主張し過ぎることのない日本的精神とも言える「無為自然」を、施設名とシンボルマークに込めたことも良く理解できる。

500台もの希少車が!


THE MAGARIGAWA CLUBはメンバーシップ制をとっており、通常の営業期間はメンバーと同伴以外の入場は認められていないが、今回はオープニングイベントということで特別に一般にも施設が公開された。7月最後の週末ではあったが、2日間で約 3500名が来場して、希少かつ特別な参加車両の走行シーンを楽しむことができた。

ヒルクライムには走りの良いスーパーカーや、たいへん希少なクラシックレーシングカーなどが参加していた。

アストンマーティンヴァルキリーAMR-PROもオーナー自らハンドルを握って走行。ギャラリーへのサービスで激しくテールを流して走行してくれた。

集まったスポーツカーは総勢約 500台におよぶ。THE MAGARIGAWA CLUBはコーンズ・モータースが関係しているからといって、走行できる車種を自社グループの取り扱いブランドに閉じることは元よりしていない。それは多くの自動車愛好家に広く楽しんでもらうことをコンセプトにしているからであるが、オープニング当日はそれを具現化するように、日本車の中でも希少なスポーツカーやコンセプトカー、アメリカ車やドイツ車の人気車も揃い踏み。新旧を問わずあらゆる魅力的なスポーツカーがコースに展示され、イベントに華を添えていた。

F50など特別なフェラーリがここまで集まるのもTHEMAGARIGAWA CLUBならではだ。

BMWコーナーにはZ8も。このデザインは、BMWに在籍していたヘンリック・フィスカーの手によるもので、彼は後にEVスポーツカーメーカーFISKERを興す。

世界500台限定のレクサスLFAも多く集まった。V型10気筒のサウンドは好評であった。

最新日産 Zやかつてのコンセプトカーなども展示。広くほかの自動車関係企業からも協力を得ることができている証ともいえる。

ドライビングコースのコンテンツとしては、まずはメンバーを中心にしたオーナーによるヒルクライム・ドライブが行われ、次いでパレードランが実施された。またこのほかレーシングドライバーによるドリフト走行が披露された。またプロドライバーが運転するランボルギーニ・シアンやラフェラーリ、そしてマクラーレンP1などに同乗できるサーキットタクシーは抽選で来場者にそのチャンスが与えられた。

D-1グランプリ車両によるランデブーデモンストレーション走行。まるでフィギュアスケートのような息の合った走行に拍手が沸いた。

デモンストレーションとして様々なレーシングカーも走行していた。

すべてがコンテンツ


初日29日の夜はメンバーのみを招待してのパーティが屋内型のピットレーン華々しく開催された。パーティのテーマは「Rock around the Clock」、つまり50年代のロックであり、参加者にも「50年代のドレスコード」の準備が事前に伝えられていた。ある層には少し懐かしい、もう少し若い世代には逆に新しくさえ感じられるRock 'n' Rollサウンドが流れる中、ツイストダンスを楽しむ参加者たち。



そこに突然雷鳴がとどろき、1980年代のハリウッド映画に登場した伝説のアメリカンスポーツカーがスモークの中から登場。助手席からは白衣をまとった白髪の研究者的な白人男性が降り立ち、参加者に声を掛けて「皆を1950年代に連れていく!」という凝った趣向であった。この様子はスマホ動画でかなり拡散されたようで、すでにSNSで観られた方も多いのではないだろうか。

ハリウッド映画のワンシーンを彷彿とさせるアメリカンスポーツカーの登場シーン。劇中のホンモノよりある意味リアルというこだわりの 1台。オーナーの協力でこの出走が実現した。パーティ参加者も大興奮であった。

やがてその劇車が過去から現代に戻ってきて、参加者を外に誘導すると満天のドローンと花火が多くの瞳をくぎ付けにする。さらにパーティはそれで終わることがなく、今や日本の文化とも言えるデコトラ(電飾をまとったきらびやかなトラック)5台がゲートから上ってきて中央クラブハウスの前に整然と停止する。およそこれほど間近にデコトラを観ることはなかったようで、ほとんどの参加者が自撮りを楽しんでいた。

ドローンと花火の組み合わせによる爽快コンテンツ。余計なライトがないためかそれぞれ光が濁りなく眼に届き鮮明に記憶に残る。

デコレーショントラックの登場は驚きと感動の拍手で迎えられた。あり得ない近さで観る電飾の演出に、海外からの参加者は感嘆の声を上げていた。

二日目の最終日30日には、前日に引き続き多くの車両がコースに展示され、来場者の目を潤していた。さらにスーパーカー乗車体験も終日開催され、THE MAGARIGAWA CLUBの魅力を味わっていた。ここではストレートビュー・エリア、ワインディングビュー・エリアがコースサイドに設けられての走行シーン鑑賞や多くのアーティストによるパフォーマンスがなされ、二日間のオープニングは幕を閉じた。

それにしても今回のイベント名「房巛走巛祭 -BOSOSAI-」とは何とも素晴らしいネーミングである。房総半島とはご存知の通り関東エリアの南東に突出した半島であり、千葉県の大部分を占めている。「房総」はどうやら飛鳥田時代の令制国に由来しており、安房(あわ)・上総(かずさ)・下総(しもうさ)の総称であった。そのエリアの最南端に位置するTHE MAGARIGAWA CLUBの地名を安房国の「房」とし、そこを伸び伸びと走ることをイメージしての「房巛走巛祭 -BOSOSAI-」。



この先車を取り巻く環境が変化したとしても、この文化的施設が永く続いていくことを願ってやまない。


文:オクタン日本版編集部 写真:THE MAGARIGAWA CLUB、オクタン日本版編集部
Words:Octane Japan Photography:THE MAGARIGAWA CLUB, Octane Japan

オクタン日本版編集部

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