国宝・松本城で味わう、ルレ・エ・シャトーのトップシェフによる2夜限りの特別なディナー

Relais & Châteaux

1954 年に発足した、世界中の厳選された 580 のホテルとレストランが加盟する協会であるルレ・エ・シャトー。そのルレ・エ・シャトーが、2023年10月16日(月)と17日(火)の2日間にわたり長野県松本市の国宝・松本城 本丸庭園で開催された、プレミアムディナーイベント「Delicious Journeys in Matsumoto Relais & Chateaux in collaboration with DINING OUT」に、同組織に加盟するトップシェフ9名を派遣した。



「Delicious Journeys in Matsumoto Relais & Chateaux in collaboration with DINING OUT」は、観光庁の「観光再始動事業」の一環として実施されたもので、ルレ・エ・ シャトーに加盟する「扉温泉明神館」ならびに、レストラン「ヒカリヤ ニシ」のオーナーである扉ホールディングスが主催。インバウンド誘客による地域経済への貢献と、持続可能な観光地域づくりを目指す同社の取り組み、そしてルレ・エ・ シャトーが2016年より毎年取り組む、地域の生物多様性を保護しながら、持続可能な食品消費を促進することを目的とした「Food For Change」の想いが合致して実現したイベントである。

「Food For Change」の今年のテーマでもある「発酵」食品や、信州の食文化と食材を世界に発信する目的のもと、各地から集まった9名のシェフがそれぞれ信州の食材を使用した1皿を考案し、2日限りの9品のコース料理を提供した。世界各国から2日間で80名のゲストが来場。ライトアップされた松本城の天守閣を見上げる特設会場の中で、トップシェフの共演で実現したこの夜だけのプレミアムディナーを、ゲストは五感をフルに使って思い思いに堪能した。





当日提供されたプレミアムなメニューを、担当シェフのコメントとともに紹介しよう。

●アペリティフ(カナッペ)
(Photo: ONE STORY)
ブラックダイヤと京都丹波栗・信州味噌漬チーズもなか(右)
美坂 昌希(要庵 西富家)
「京懐石とおもてなし、5代目主人の妥協を許さない仕事への姿勢、細部までこだわり抜かれた考えやセンス。女将のさりげない心のこもったおもてなしをお手本とし、料理やサービス、常に挑戦する気持ちで世界に目を向け、それでありながら京都らしさ、要庵西富家らしさを大切に主人を柱とし皆で日々尽力しています。今回松本城プレミアムディナーでの一品に少しでもその心を込められたらと思います」

石垣牛とりんご、長野県産野菜のカナッペ 本わさび風味(中)
喜納 正智(ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ)
「From Our Farm in Okinawa to Matsumoto 信州と沖縄の食材を融合。石垣牛に信州のワサビで風味を付け、甘酸っぱいりんごのコンポート、松本で採れた葉野菜のピューレ、お互いの地の恵みを引き立てる一品です。沖縄の自家農園で採れた小麦を使用したヘーゼルナッツパンと共にお愉しみください」

シナノユキマスのコンフィ 松本一本葱と柑橘キャビア(左)
伊井野 昌洋(神戸北野ホテル)
「神戸北野ホテルのエスプリ シナノユキマスを余す所無く食べる!自然豊かで食材の宝庫である日本で、良い食材同士や今までになかった組み合わせに挑戦し、本場のエスプリとの掛け合わせによってフランスでもできない日本ならではのフランス料理を目指します」

●ディナー
前菜一品目
松本まみれの仔鹿
(Photo: ONE STORY)
渋谷 圭紀(La Becasse)
「松本の食材だけにこだわって、ラ・ベカスらしい発想で仕上げました。和食のようにも見えますが、口に入れるとまぎれもなくフランス料理です」

前菜二品目
鯉に上下の隔てなし
(Photo: ONE STORY)
髙木 慎一朗(日本料理銭屋)
「古く歴史のある、長野県の佐久市でとれた鯉を使って仕上げた一品の料理となっています。ちり酢のソースと一緒にお楽しみください」


ニジマスとホタテと木の実の真蒸
松茸、蕪、銀杏芋、紅葉人参、松葉柚子
(Photo: ONE STORY)
松尾 英明(柏屋)
「柏屋の想い。地球温暖化の影響で、変わりつつある日本の四季。これから先も美しい日本の四季を楽しみたい。残したい。この想いを実現するための、持続可能なささやかな一歩としての一品。サステナブルシーフードの一つであるホタテ貝、地元松本のニジマスを使った真蒸や、秋の味覚の王様松茸、秋の錦をあしらった煮物椀です。松本をはじめ日本の溢れんばかりの秋の恵みをお楽しみください」

魚料理
マルタミコ 漁夫の帰郷
(Photo: ONE STORY)
Cedric Bechade(L’Auberge Basque)
「この料理はバスク地方の伝統料理で、マグロ漁師が漁から戻る漁船の上で作る料理です。トマトとスパイシーな風味を強調した、バスクのテロワールが表現されています。マグロロースを醤油でマリネしたものと、マグロの腹部位のタタキの美味しさを活かしたひと皿にしたいと思っています」

肉料理
信州和牛のロティ
長野県の伝統発酵食品『すんき』のベアルネーズ
秋の茸と落花生のピティヴィエ
(Photo: ONE STORY)
音羽 和紀(オトワレストラン)
「信州和牛に柚餅子の柑橘のニュアンスや味噌の風味を添え、ソースには長野の伝統発酵食品すんきの酸を活かしたベアルネーズソース。付け合わせは季節の茸や落花生のピティヴィエ」

デザート
小布施栗のモンブラン
洋梨とベルベーヌのスープ 白トリュフ添え
(Photo: ONE STORY)
田邉 真宏(ヒカリヤ ニシ/扉温泉明神館)
「モンブランの生地には、シャモの卵と長野県のブランデーを使い、モンブランの中には、長野県産のドライフルーツを使ったヌガーグラッセが入っています。シャモの卵のコクと香り、白トリュフと栗のマリアージュをお楽しみください」

ミニャルディーズ
最中と小豆のマカロン、豚のレーズンサンドシャインマスカット、琥珀糖
(Photo: ONE STORY)
田邉 真宏(ヒカリヤ ニシ/扉温泉明神館)



ルレ・エ・シャトー 日本・韓国支部長 扉ホールディングス株式会社 代表取締役社長 齊藤忠政氏のコメント
「このたび、私ども扉ホールディングスが運営する、『扉温泉明神館』と『ヒカリヤ ニシ』、も加盟する、ルレ・エ・シャトーのトップシェフたちを『伝道師』役として、国宝松本城では初の試みとなる、ディナーイベントを実施できたことを大変嬉しく思います。本ディナーイベントを実施するにあたり、県内45社の生産者や工芸作家の方々にご協力いただき、あらためて、信州には素晴らしい食材や資源が豊富であると感じることができました。そして海外の方々へも、この信州、松本の土地の豊かさを、料理とおもてなしを通して感じ取っていただけたと思います。日本では、全国にルレ・エ・シャトーのメンバーが20件加盟しているので、今回のイベントをきっかけに、是非、それぞれの土地に根ざした、各地域の“本物”を味わっていただきたいと思います」

ルレ・エ・シャトー 日本シェフ代表 銭屋オーナーシェフ 髙木慎一朗氏のコメント
「この二日間のディナーイベントは、今年の4月ごろから始動し、本日までシェフ仲間と何度も打ち合わせを重ね、互いに様々な意見を出しながら計画を練り、準備してきました。快晴に恵まれ、無事にゲストの皆様におもてなしできたこと、嬉しく思います。 そして、今回のディナーイベントを作り上げ、おもてなしをした、総勢約80名のスタッフに感謝します。美味しいものを作ることがシェフの役割であった時代は終わり、素材の選択から地球環境を考えた料理づくりが責務となります。これからの将来を担う若手のシェフたちと、食文化や技術、おもてなしの精神を共有し、次世代に託すことこそが我々の役割であり、今回のFood For Change のイベントはその役割を果たしてくれました。またこのような機会を通して、料理と共に日本各地の地域が持つ食材、資源の豊かさと価値を伝えていきたいと思います」

扉グループ統括総料理長 ヒカリヤニシ エグゼクティブシェフ 田邉真宏氏のコメント
「今回のコースメニューは、信州の食材に加え、今年のFood For Changeのテーマである「発酵」を取り入れたお料理を提供しました。参加されたシェフたちと一つのコースを作り上げていくにあたり、お客様だけでなく、シェフの皆様にも信州の豊かな食材を知ってもらうことができ、また、興味を持っていただけました。これをきっかけに、信州の食材や生産者の方々の想いを世界に発信できればと思います」

なお、本イベントの収益の一部は松本市に寄付され、松本城の維持・修復費用として活用されることになっている。

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事