多くのメディアで話題に|有名コレクター、マグナス・ウォーカーが作り上げた911とは?

Collecting Cars

これは、無類のポルシェ好きとして有名なマグナス・ウォーカーによって考案・製作されたスペシャルマシン「ポルシェ911 "STR II 」だ。一目でマグナス・ウォーカーのそれとわかるようなカスタムビルドであり、全体的に素晴らしいコンディションである。

空冷3.2リッター・ショートストローク・フラットシックスにボッシュ製機械式フューエルインジェクションを搭載し、最高出力275hp/6,500rpmを発生、915型5速マニュアルトランスミッションとリミテッドスリップディファレンシャルを介して後輪が駆動する。



車の外観は、初期の911 S/Tと911 Rモデルにインスパイアされたもので、この特注ビルドでは、エレファント・レーシングやビルシュタインといったブランドの高品質なコンポーネントが多数採用され、随所に時代を反映した素晴らしいタッチが施されている。

マグナス・ウォーカーによって製作され、後にイングラム・コレクションによって所有されたこの車は、4年前に現在の所有者によって購入され、英国に輸入されて2019年11月にDVLA(英国の運転免許庁)に登録された。

『Road & Track』誌2013年6月号の表紙を飾り、Speedhuntersのウェブサイトでも紹介されたこの車は『Total 911』誌で詳しく紹介され、ウォーカーがゲスト編集を務めた100号目の表紙も飾っている。

そして雑誌だけでなく、イギリスのテレビ番組『Fifth Gear』、ジェイ・レノの『Garage』、アダム・カローラの『CarCast』など、放送メディアにも登場するなど、非常に有名な車両だ。



10ガロンの燃料を搭載した場合の重量はわずか2197ポンド(997kg)で、公道でスリリングなパフォーマンスを体験することができる真のライトウェイト・スポーツカーである。 

そして現在、この車両が自動車オークションサイトCollecting Carsに出品されているのである。



この車の詳細を見ていこう。これは1972年に911Tとして工場から出荷され、カリフォルニアで長年保管されていた車両だ。それをマグナス・ウォーカーが入手してカスタマイズした。

伝説的な911 S/Tと911 Rモデルへのオマージュとして、このカスタムビルドでは、フロントウイングとターボスタイルのリアウイング、Rスタイルのバンパーとテールライト、カスタムルーバー付きデッキリッド、ルーバー付きポリカーボネート製クォーターウインドウ、911 SWBモデルのクロスドリルドドアハンドルを備えたオールステンレスパネルが使用されている。

ゴールドの15インチPAG(カンパニョーロ・レプリカ)アロイホイールを履き、フロントは8インチ幅、リアは10インチ幅で、ホイールナットは80mmに延長されている。そしてタイヤはミシュランTBコースタイヤだ。



足回りには、フロントにSCブレーキ、リアにMタイプキャリパーが装着され、ポーターフィールドのブレーキパッドが装着されている。

この911の4輪独立サスペンションは、ビルシュタイン・スポーツ・ショックアブソーバー、エレファント・レーシングのトーションバー、ポリブロンズ・ブッシュ、アジャスタブル・スプリングプレートが採用。タレットエンジニアリングRSRタイプの前後スタビライザーバー、モノボールフロントアッパーショックマウント、ウェボエンジンとトランスミッションマウントが装着されている。ターボタイプのタイロッドとアンチバンプステアキットも装着されている。



特に注目すべきは、特注の空冷フラットシックス。ボア(シリンダー内径)は98mm、ストローク(ピストンの上下動)が70.4mmで、排気量は3.2リッター。さらに圧縮比9.5:1のJEピストン、ハイリフトモッドSカムシャフト、ARPロッドボルト付きコンロッド、Aasco Motorsportsバルブスプリングとチタンリテーナー、ステンレスバルブが採用されている。

スタック、スロットルボディ、プレートは大幅に作り直され、1969年911 E仕様のインジェクションポンプが排気量に合わせて調整された。M&KのツインパイプRスタイルマフラーも装着されている。また、エレファント・レーシングのフィン付き社外オイルクーラーライン、カレラのフロントマウントオイルクーラー、ロングネックのフロントフィルフューエルタンクが装備されている。



エンジンは、915のリミテッド・スリップ・デファレンシャル付き5速マニュアルギアボックスと組み合わされ、JWest製ギアシフターが装備される。

内装を見ると、リアシートが取り外され、ブラックレザーでトリミングされた当時風の4点式シュロスハーネス付きバケットシートとロールバーが装備されている。ドライバーの前方には、モモ・ハブを備えたレイド製3本スポーク・ステアリング・ホイール、後期VDO製計器用クローム・ベゼル、917にインスパイアされた軽量ウッド製シフト・ノブが装備されている。ドアカードもブラックレザーで縁取られ、手動巻き上げ式の窓とレザーのプル・ストラップを備えている。





この車には、メンテナンスの請求書、ビルドの仕様書、2015年から2018年までの手書きのログブックノート、『Road & Track』誌など、さまざまな文書も添付されている。

ワイルドな匂いがぷんぷん漂う911、一体どんなスリルと興奮を味わわせてくれるのだろうか…

オクタン日本版編集部

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