オースティン・ヒーレーで約1000マイルのロードトリップを走破!|『Octane』UKスタッフの愛車日記

Octane UK

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、1965年オースティン・ヒーレーMk IIIに乗るマーティンが“まともな”ロードトリップに出発。果たして約1000マイルの旅は順調だったのだろうか。



オースティン・ヒーレーで、“まともな”ロードトリップに出るときがやって来た。イングランド南東端のマーゲイトから、北西端の湖水地方のバターミアまで、400マイルの旅に出てみよう。私たちは、1960年代のスタイルで数々の湖を巡ろうと考えた。コニストンのブルーバードの展示とウィンダミア蒸気船博物館を見学した後、ニック・メイソンの『オープン・ガーデン・デー』に参加するためにウィルトシャー州のコーシャムに向かった。

バンクホリデーで渋滞するA1道路を、まっすぐ北上した。大きな6気筒エンジンのこの車は、現代の車のペースに合わせながらも、オーバードライブの快音をとても楽しげに響かせていた。250マイル走ったところで、スーパーグレードのガソリンを満タンにした。この車にはこれが最適で、しかもエタノールが5%しか含まれていないため、クラシックカーに優しいのだ。ウェスト・ヨークシャー州のキャッスルフォードで一泊し、旅の疲れを癒した後、さらに北上した。ヨークシャー・デールズをA684で横切ったとき、観光客の列の中とはいえわずかなミスファイアに気づいた。しかし、急な坂を登りきるとすぐに消えた。ツインSUキャブレターが過剰に働いていたのだろう、と思った。

ホーズを越えて人気のないB6259道路に入り、さらにA66道路を経てカンブリア山脈を越え、山羊の道としか言いようのないニューランズ・ハウス峠を通った。そしてやっと湖水地方とバターミアに入る。ここで私は道を間違えてしまい、クルモック湖の岸辺を走った。でも、この予期せぬ回り道のおかげで、湖を見下ろすように停めたヒーレーの素敵な撮影ができた。

2日目は、バターミアの海岸をゆるやかにハイキングした。それもあって、水曜日になってようやくロードトリップに戻り、ウィンダミア蒸気船博物館に向かう途中で、ホニスター峠に挑んだ。峠道は交通量はほとんどなかったが、自分の車が左ハンドル(私のヒーレーは1980年代にテキサスから輸入されたもの)で良かったと思った。というのも、最近のSUVやキャンピングカーはとても幅が広いので峠道でもたつく車が多く、危険な目に遭うことがあるからだ。



蒸気船博物館は近代的な建物で、歴史的な湖上船舶が展示されている。私たちは、1931年製の木製ボートである、スタイリッシュなペネロープ号で制限速度11.5 mphの湖上遊覧をのんびり楽しんだ。しかし、1950年代と60年代にかけてウィンダミア湖では、ミス・ウィンダミアIV号のような高速ハイドロプレーンが使われていたという。ジャガーのD型エンジンを搭載し、時速114マイルを叩き出したのだ。

岸に戻り、コニストンまで1時間ほどドライブした。ドナルド・キャンベルが水上速度記録の挑戦を開始した、船台のそばにあるブルーバード・カフェで昼食をとった。その後、町の中心部にあるラスキン博物館でブルーバードの展示を見学した。

歴史的なK7ブルーバード(1967年にキャンベルが死亡事故を起こしたずっと後、2000年〜2001年に湖底から回収)が、進行中の法的措置のせいで展示されていないのは残念だった。その残骸がいつの日か、現在展示されているジェットエンジンと再会し、ドナルド・キャンベルのスピード探求の包括的な記録が作られることを願うばかりだ。



ニックの庭を経由してイースト・ケントへの帰路につき、1週間で974マイルを何の問題もなく走破した。クラシックカーは信頼できないなんて、そんなことはないと思う。

文:Martyn Goddard

Martyn Goddard

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