EZパワーステアリングとは?│クラシックカーのためのパワステ

octane UK

「我々は現在、対応可能な限度以上の仕事を請け負っている」と語るのは、EZの創業者であるロジャー・レイジングードだ。

「我々
は12台の車のために改造用の部品を設計している。改造が簡単なものもあれば、例えばマセラティ・ギブリのように、モーターを保持するために新しく鋳物部品を作らなければならないものもある。シャフトのスプラインは標準品だと思うかもしれないが、実際にはそうでない。我々はそれも作り直しているのだ」
 
「モーターユニットは日本の光洋精工や
NSKから入手し、改造にはドイツのTÜVの許可を得ている。我々の古い工場は、冬季を除けば快適なところだったが、作業スペースが充分ではなかった。工場を一般公開した時には、そこでバーベキューをやったりした。TÜVの関係者を車のテストに招いたこともあった。ドイツまで車を運ぶよりも効率的だったからね。彼らは2日間で25台をテストし、戻ってくるたびに、古い車で楽しい時間が過ごせたと満足の声をあげていた」

レイジングードがこの会社の設立を思いついたのは、彼の古いオペルGT に電動式のパワーステアリングを装着したことがきっかけだった。「あの車はステアリングが非常に重かったので、妻が売りに出すべきだと言ったが、私は乗り続けたかった。そこでパワーステアリングに変更したが、今度は軽くなり過ぎ、私が対策を施した。次の車はボルボP1800だった。その後、多くの人がP1800用にパワーステアリングを欲しがっていることを知り、そこでこのビジネスをスタートさせた」

最初の頃はまだ他に本業があったが(サウジアラビアのアラムコ石油に勤務していたという)、現在のEZ のアイデアを発展させていった末に、フルタイムのビジネスとなったわけである。

現在、彼の会社は高級な
クラシックカーのための一連の代替用ステアリングのほか、オリジナルと同じデザインながら、パワーステアリングの効果を減らせる径がわずかに小さいもの、あるいは太腿とのクリアランスを確保するためにリムの形状を独特の形にしたものなどを製作している。

編集翻訳:工藤 勉 Transcreation:Tsutomu KUDOH Words:John Simister 

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