50年前のメルセデス・ベンツも実用性抜群の1台に生まれ変わる!

Photography Shawn Eastman/Hemmels

現代の交通事情においてもタフで活発、実用的なクラシックカーといえるメルセデス・ベンツ SL パゴダ。特に、完璧にレストアされていたら普段使いのためにある車以外の何ものでもないだろう。

ひとつ、心得ておかなければならないのは、レストレーションは夢物語ではないということだ。しかし、時にはその車が生まれた状態よりも格段に素晴らしく生まれ変わる場合もある。レストレーションが持つ可能性を信じるということをフィロソフィーとして持ち2016年に創業されたのが、メルセデス・ベンツのスペシャリスト集団であるヘンメルズである。特に、現在ではパゴダのレストアを得意としている。

2018年に加わったリチャード・バターフィールドは、「父と祖父が持っていたメカニカルへの興味をそのまま受け継いだのです。7歳の時、父がキッチンテーブルでバイクを解体しているのを手伝い、10代になるとメルセデス・ベンツも含めたクラシックカーのレストアを手伝い始めました。そしてその後は技術師として働きはじめ、"順序を踏めば、完璧になる"という自分の方向性を見つけました。現在でもそのような正しいやり方で、ヘンメルでのレストアを手がけています。私たちはそれを"neugeboren"と名付けました。英語だと、"newborn"という意味です」と話した。

どの車も52週にわたる工程が施される。まずはすべてパーツを外していき、再度組み立てる前にカタログ化していく。パーツはいずれにしても、メルセデス・ベンツのオリジナルが用いられる。

パーツの取り換えは、ボディパネルやフロアパン、ブレーキ、ダンパー、ステンレススチール製のエグゾースト、ラバーシールなども含まれる。ボディカラーもクロム加工され、エンジンとトランスミッションはリビルドされる。

そうして、丁寧な工程を施されていったSL パゴダはまるで新品の車のように生まれ変わるのだ。50年前の車であっても、スタイリッシュで実用的な1台へと充分になりえるのだ。

Words: Glen Waddington

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