世界に一台のフェラーリ 「オモロガータ」70年の歴史にオマージュを

Ferrari

ロッソ・マグマで仕上げられたユニークなワンオフモデル "オモロガータ"が発表された。70年の歴史をもつフェラーリの偉大なGTの伝統を色濃く受け継いでいる。

サーキットで頂点を極めると同時に、公道でも気を張らずにドライブできる、真のジェントルマン・ドライバーのための車という価値観を持っている。オモロガータのプロジェクトは、最初のスケッチの提示から完成まで、2年あまりがかかった。出発点となったのは、レーシングの伝統からSFや現代建築まで、さまざまなインスピレーションであった。そして、未来的で時代を超えたスタイリングを持つ一台へと仕上げられたのである。

デザイナーは、812 スーパーファストの基本的なパッケージから、考えうるあらゆる自由な領域を解き放ち、フロント・ウインドウとヘッドライトだけをそのまま使用した。強烈なミドフロントレイアウトのプロポーションをいかし、滑らかな立体感と揺れ動く反射を特徴とする、流線形のデザインが生み出された。さらに、エアロダイナミクスを追求し、鋭いスタイルによってデザインを高めた。街で存在感を放ちながらも、きわめて純粋なフォーマルなスタイルを維持する必要があったのだ。



フラットになった楕円形グリルを出発点として、徐々に広がるフロントにボリューム感を出すことを決定した。フロント・ホイールアーチの上で丸くなった魅力的なラインは、ボンネットを包み込むストライプによって強調されている。

フラヴィオ・マンツォーニ率いるデザイン・チームにとって、いつも大きな課題となっているのは、フェラーリの使い勝手と扱いやすさを一切損なうことなく、道路でのホモロゲーション(認証)のための安全上の制約を満たすことですこと。既存のプラットフォームをベースとする場合は、なおさらである。

実際、2009年 P540 スーパーファスト アペルタ以来、フェラーリが生み出してきた10台目となるこのフロント・エンジン V12 ワンオフ・モデルの開発を通じて交わされるキーワードとなったのは、「ホモロゲーション取得済み」を意味する「オモロガータ」という言葉だった。どのフェラーリのショールームに置いてもすぐに見つけられるような隅々まで特注のモデルとなるよう、デザイナーは顧客から提示された明確な指示を超え、車のあらゆるディテールにいたるまで、無数の要素を効果的に取り入れた。究極のタッチを追求した結果、このモデル専用に新しいカラーまでもが開発され、燃えるような3層のロッソ・マグマがカーボン・ファイバー仕上げに組み合わされた。



フル・ブラックのインテリアに際立つエレクトリック・ブルーのシートは、レザーと Jeans Aunde®ファブリックを組み合わせて仕上げられ、4点式シートベルトが備わっている。リヤ・クォーター・ウインドウとサンシェードを故意に取り払うことで、過ぎ去った時代を思い起こさせるキャビンの雰囲気となっている。ダッシュボードとステアリング・ホイールの金属製パーツは、1950年代と1960年代の偉大なGT レーサーやフェラーリのエンジン・カム・カバーと関連のある、ひび焼き塗装効果で仕上げられている。

インナー・ドアハンドルや F1 バッジなどのディテールでは、250 LMや250 GTOなどのマシンで頻繁にみられるハンマー塗装効果が用いられている。ワンオフを適切に実践したオモロガータは、繊細なフェラーリ特有のデザインの特徴を多数盛り込みながらも、懐古趣味には陥っていない。ハンドクラフトによるアルミニウム製ボディには様々なディテールが散りばめられており、その発端となったインスピレーションの源を特定するというのもオーナーの楽しみになるだろう。

オクタン日本版編集部

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